2015年12月15日火曜日

「SEALDs」メンバーらシンクタンク設立 ※高校生1700人「平和創り出す」 日比谷野外音楽堂に25都道府県から集結 ※春名幹男・早大客員教授「米軍が守ってくれるなんて幻想」

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「SEALDs」メンバーらシンクタンク設立

高校生1700人「平和創り出す」 日比谷野外音楽堂に25都道府県から集結

春名幹男・早大客員教授米軍が守ってくれるなんて幻想

ISのタンクローリー攻撃にやっと踏み切った米国の苦しい裏事情



USA等による「IS育成」批判報道がようやく出始めた。

何故、ISが、あれまで勢力を拡大したのか?

何のことはない、トルコ援助と併せて、IS育成をUSAが行っていたと言う事である。

ロシアによる、石油関連施設や輸送車両攻撃によって、アメリカの「犯罪的な」行動が暴露されたと言ってよい。

軍事評論家の田岡氏のレポートを熟読されることをお勧めしておきたい。

以上、雑感。



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「SEALDs」メンバーらシンクタンク設立

12月14日 20時48分 NHK

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151214/k10010340911000.html

安全保障関連法に反対する活動を続けている学生など若者のグループ「SEALDs」のメンバーが、大学教授や弁護士とともに「市民のためのシンクタンク」という団体を新たに作り、今後、政策提言などを行っていくことにしています。 設立された団体「ReDEMOS」は「市民のためのシンクタンク」として、「SEALDs」のメンバーなどに加え、大学教授や弁護士が理事として加わっています。
団体は今後、ホームページなどを通じ、安全保障などの分野で課題を分析するほか、勉強会や意見交換会を開いて議論を交わす場を提供し、こうした議論を基に政策提言などを行うとしています。
会見で代表理事の奥田愛基さんは「『ノー』と言うだけでなく、自分たちでも個別の政策について研究発信し、日本が目指すべき社会を示したい。
今後は賛同する研究者を増やして市民や若い人たちにわかりやすく情報を発信したい」と述べました。

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辺野古反対で「オール沖縄会議」 新組織の結成大会開く

2015年12月14日 21時15分 東京新聞 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015121401001994.html  米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する沖縄県内の地方議員や企業トップらは14日、反対を掲げる約20の団体などをまとめる新組織「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」の結成大会を宜野湾市で開いた。賛同する約1300人(主催者発表)が出席した。  新組織に参加したのは共産党や社民党といった政党、地元企業、市民団体など。翁長雄志知事を支持する団体の「連合体」としての意味合いがあり、来年夏の参院選や各種選挙で存在感を発揮しそうだ。  翁長氏は「心を一つにして頑張ろう」とあいさつした。(共同) 「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」の結成大会で手をつなぐ参加者=14日夜、沖縄県宜野湾市 「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」の結成大会で手をつなぐ参加者=14日夜、沖縄県宜野湾市

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高校生1700人「平和創り出す」 日比谷野外音楽堂に25都道府県から集結

2015年12月14日 東京新聞 夕刊 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015121402000042.html 写真 平和への願いを込めた群舞を披露する高校生たち=13日、東京都千代田区の日比谷野外音楽堂で  戦後七十年の今年、平和について考えてきた全国の高校生が十三日、東京都千代田区の日比谷野外音楽堂で集会を開いた。二十五都道府県の高校生ら約千七百人が参加し、代表者が「私たちは、誰もが夢に向かって努力できる平和を自分たちで創り出す」と宣言した。  「高校生・戦後七十年『未来』プロジェクト」の催し。広島・平和記念公園にともされている「平和の灯(ともしび)」を北海道から九州まで運ぶ自転車リレーをしたり、戦争体験者の話を聞いたりしてきた。  代表生徒四人の宣言に合わせ、全国から集めた七十万羽余の折り鶴の一部を貼り付けた板を一斉に空に向けて掲げた。サザンオールスターズの曲「ピースとハイライト」に乗せ、平和への願いを込めた群舞も披露した。  大東学園高校(世田谷区)の二年生東沙耶香(あずまさやか)さん(16)は「多くの体験者から悲惨な話を聞いた。次は私が語り部となり、次世代にも戦争を伝えていきたい」。名古屋経済大高蔵高校(名古屋市)二年生の坂口花錬さん(17)は「戦後百年を迎えられるように仲間と行動していく」と話した。  集会後は平和と学費無償化を訴えるパレードもした。日比谷公園から銀座に向けて行進した高校生は「憎しみは何も生まない」「教育格差をなくそう」などと声を張り上げた。

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田岡俊次の戦略目からウロコ

ISのタンクローリー攻撃にやっと踏み切った米国の苦しい裏事情

田岡俊次 [軍事ジャーナリスト] 【第60回】 2015年12月14日  ダイヤモンド http://diamond.jp/articles/-/83113 米軍主導の有志連合によるシリアのIS支配地域空爆 Photo:Abaca/Aflo 自称「イスラム国」(IS)の最大の資金源は支配地で出る石油の密売だ。そのルートを断つのは簡単で、砂漠を走るタンクローリーやドラム缶を積んだ大型トラックを戦闘機、攻撃機の機銃掃討で壊せばよい  米国防総省は11月13日に起きたパリでの同時多発テロ事件後の11月23日、「米軍機が11月15日と21~22日にシリア東部と北部ではじめて石油輸送トラックを攻撃、399輌を破壊し、ISの資金源に大打撃を与えた」と発表した。今回が「はじめて」というのは驚きだ。  米軍は昨年9月23日から1年以上もシリア領内のIS拠点に航空攻撃を加えてきたのに、ISを弱らせるのにもっとも容易で有効なタンクローリーの破壊はこれまでしていなかったのだ。ISの勢力が意外に衰えなかった主因は多分これだ シリアを巡る米国、トルコ、ロシアなどの複雑怪奇な関係をこの問題は象徴している(シリア内戦の経緯については11月25日配信の本欄を御参照ください)。  米国財務省の推計では、ISは昨年毎月4000万ドル(約50億円・年間で約600億円)の石油密売収入を得ていると見られている。この他の資金源としては支配地域住民からの徴税が年に数億ドル(数100億円)、身代金が年に2000万ドルないし4500万ドル(約25億円~55億円)、外国からの寄付が年に5000万ドル(約60億円)以上とされ「史上最も裕福なテロ集団」と言われている。  だが、アラブ諸国の富豪の寄付は減り、身代金収入も一時的で不安定、税収も支配地からの国外難民・国内避難者の大量流出で減少している様子で、石油密売の収入がIS資金源の過半を占めている。米国財務省は、イラクが旧フセイン政権時代に経済制裁をかわしてトルコ経由で石油を密売し、密売システムが確立した、としている。  米軍は11月15日からタンクローリーなどの攻撃をはじめて行い、その作戦を“Operation Tidal Wave II”(巨浪作戦2号)と名付けた。第2次大戦中の1943年8月1日、ドイツの第1の石油供給源だった同盟国ルーマニアのプロエシュチ製油所を、リビアのベンガジから発進した米軍のB24爆撃機177機が襲った大作戦“Operation Tidal Wave”にちなんだものだ。実はこの作戦では54機のB24を失ったが製油所に対する効果は一時的で、すぐ復旧した。だが、米空軍では勇壮な大作戦として伝説化されていて、その名を継いだところにIS撃滅への米軍の気負いが示されている。 これまでの米国のシリア空爆は
「警備員が裏口を開けておいた」ような形
 今回の攻撃はパリでの同時多発テロ事件の2日後の11月15日に行われ、シリア東部のアブカマル(イラク国境の西約10km)付近でタンクローリー116台を破壊、さらに21日から22日にかけてシリア北東部ハサカ(トルコ国境の南約100km)などで283台を破壊した。  有志連合司令部の報道官S・H・ウォーレン米陸軍大佐は「ISの収入の半分以上が石油の売り上げで、1日平均100万ドル(約1.2億円)だ。一連の航空攻撃でISに大打撃を与えた」と戦果を誇った。破壊した約400台以外に、残ったタンクローリーが600台ほどあるとしても、空から丸見えの砂漠の道路をタンクローリーで走ったり、石油積み込みを待って駐車場に並ぶのは今後は極めて危険になる。密輸トラックの運転手は「命あっての物種」で、ISによる石油密売が激減するのは確かだろう。  だが、米軍がその攻撃の効果を強調すればするほど「なぜこれまでそれをやらなかったのか」との疑問が生じる。  私は昨年9月に米軍などがシリア領内のIS拠点の航空攻撃を始めた際、「タンクローリーを壊すのは容易で、それをすればISの資金源の大半を断てる。他のゲリラと異なり地元に深く根を下ろしていないISは衰弱する」と説いていた。 誰が考えてもきわめて簡単で有効な戦術だから、米軍などがとっくにやっているはず、と思っていたが、今回がはじめて、と知って驚いた。まるで銀行の警備員が裏口を開けておいたような形だ。米国などが1年以上航空攻撃を続けても“イスラム国”が衰弱しなかったわけがやっとわかった  それをしなかった理由として米国防総省当局者は「民間人であるトラック運転手を死傷させるおそれがあったため」と説明し、「今回は事前にビラを撒いて警告した」とも言うが、ISの“首都”ラッカなどの攻撃でも住民に多くの死傷者が出ているし、戦時に石油を運ぶトラックの運転手は、潜水艦に狙われやすいタンカーなど商船の船員に似ており、都市の住民のような純粋な民間人とは異なる 米国などがタンクローリー攻撃を控えた理由としては、 (1)以前からシリアのIS拠点攻撃を行っていた米国、豪州、カナダおよび親米派のイスラム教スンニ派諸国(トルコ、ヨルダン、サウジアラビアなど)は「アサド政権打倒」を唱えていたから、アルカイダに属する「ヌスラ戦線」とならぶシリアの二大反政府勢力の主体であるISの命脈を本気で断とうとはせず、目こぼしをしていたのか。 (2)ISの石油密売先は米財務省が言うようにもっぱらトルコであり、トルコの闇商人のタンクローリーが石油買い付けにシリアに通っていたならば、それを攻撃し、トルコ人運転手を死傷させれば、シリア政府に対する反乱の支援でのトルコの協力を得にくくなる 米国は反政府部隊の訓練や兵器の引き渡しなどをトルコで行っていた。また昨年9月から今年1月まで、トルコ国境に近いシリアのコバニの町でクルド人住民とIS部隊が争奪戦を展開していた際には、イラクのクルド自治区から救援のクルド兵をトルコ経由でコバニに送ろうとし、クルド人と対立するトルコを説得して通過を認めてもらったこともある。このため、トルコとの対立を招くようなタンクローリー攻撃はためらわざるをえなかったのか  の2点が考えられる。おそらく(2)の方が主な要因ではなかったか。  ところがロシアが9月30日からシリアのIS、ヌスラ戦線など反政府勢力への攻撃を始め、9月27日からフランスもシリア領内のIS攻撃に参加し、11月13日のパリでのテロ事件後、攻撃を強化する情勢となっては、米国も何かはっきりした戦果をあげないと指導力が低下するし、国内でもオバマ政権批判が高まる。  1年以上航空攻撃を続けてもISは弱らず、一部では支配地を拡大さえしている 米国が支援した「自由シリア軍」は消滅に近い状態だ。その代わりに「新シリア軍」を作ろうとし、5400人を2016年5月までに募集する計画だったが、応募者は200人に満たず、トルコで訓練した54人を7月にシリアに戻したが9月には4、5人しか残っておらず、第2陣の70人を9月に帰国させるとすぐヌスラ戦線に降伏、兵器、車輛を引き渡すありさまで、米国はその計画をあきらめた。  こんな失敗続きではシリア内戦の停戦を目指す関係国会合でも米国の発言権は弱くなるから、米国としてはもはやトルコ人の感情などに構っておれない。そこであえてタンクローリー攻撃に踏み切ったのだろう。
米国のロシア批判は
「アルカイダを攻撃するな」も同然
 11月24日にはトルコ空軍のF16戦闘機がシリア北西端のラタキア付近でロシアの戦闘爆撃機Su24を撃墜し、救出ヘリコプターの乗員を含め2人が死亡した。シリアとトルコの国境が入り組んだ地域で対地攻撃を続けていれば、ロシア機がトルコ領空をかすめることはありそうだが、10数秒領空を通り抜けた外国機を撃墜するのも乱暴な話だ。  この背景にはロシア機の対地攻撃がISだけでなく、ヌスラ戦線やそれと共闘する反政府勢力に向けられていることがある。その航空支援下でシリア政府軍がヌスラ戦線が占拠しているイドリブの町を奪回しようとしているから、反政府勢力を支援するトルコはシリア領内で多数のトラックをロシア機に破壊されて焦立ちを強めていたこともあるだろう 米国は「ロシアがISだけでなく、その他の反体制勢力も攻撃している」と非難するが、「IS以外の反体制勢力」とはアルカイダに属するヌスラ戦線を中心にそれに同調する他の27もの雑多なイスラム武装集団が加わった「ファトフ軍」が主で、米国が言う「穏健な反政府勢力」とは具体的にどの集団を指すのか定かではない 米国の非難は「アルカイダをロシアが攻撃するのはけしからん」と言うのと同然だ。 内乱に際して、他国が政府側を支援し、治安の回復、国の統合の維持を助けるのは適法だが、反徒に武器や資金を提供したり、訓練を施すのは「間接侵略」に当たる。これはもし日本で騒乱が起き、他国が暴徒に武器などを提供することを想像すればすぐ分かることだ。ロシアがシリア政府を支援してISとヌスラ戦線などを区別せず、反政府軍を攻撃するのは非難しえない。 ロシアはトルコが自国機を撃墜したことを「テロリストの共犯に背後から撃たれた」と非難し、トルコがISの石油密売の相手方であることを強調し、トルコはそれを否定している。トルコ政府自身がそれをしているとは思えないが、米財務省のISの資金源に関する調査報告などから見て、密輸を十分に取締っていないことはありそうに思える。  ロシアはトルコへの旅行の制限や農産物輸入の停止など部分的経済制裁を行ったが、石油や天然ガスの輸出停止など全面的な禁輸は自国への打撃が大きいから、それに至る公算は低いだろう。
アサド政権下のシリア政府軍に
IS討伐させる以外にない
 いずれにせよ、米軍による「巨浪作戦2号」や、ロシアとの石油密売論争の結果、トルコ経由のISの石油密売はほぼ停止するだろう。ISの資金は涸渇し、地元民が外敵に対し抵抗するゲリラというより、給料目当ての傭兵集団の性格が濃いISは弱体化することになりそうだ。  一方、米国では「アサド政権はISと裏でつながっており、ISから石油を買っている」との説が出ている。ISが支配地で産出した石油を全て密輸出しているわけではなく、一部は簡易な製油所で精製し、自分達が使ったり支配地の住民に販売もしている様子だ。 闇商人がそれを仕入れて、政府側の地域で売ることもありそうだが、シリア政府がその石油を買ってISの資金源になっている、との説は極めて疑わしい シリア政府にとって最大の危険はイラク、シリアで推定3万人の兵力を有し、攻撃的なISであり、兵力約1万2000人と推定される「ファトフ軍」や存在すら怪しげな「穏健派反政権勢力」ではあるまい。もしシリア政府がISを育成しヌスラ戦線と噛み合わせようとすればISに政権を奪われかねない。  この話はイラク攻撃の前、米国で流布したデマ「9.11事件を起こしたアルカイダとイラクのサダム・フセインはつながっている」を想起させる。フセインは偶像崇拝を忌むムハンマドの教えを無視して、自分の銅像や肖像画を国内にあふれさせたり、顔を丸出しにした女性兵士に銃をかつがせてパレードをさせたりしたから、イスラム原理主義者から見ればとんだ罰当たりで「アルカイダの暗殺リストの上位に入っていた」という話もうなずける。 常識があれば「フセインとアルカイダが共謀」という説はすぐウソと分かるはずだが、米国人には自国は善玉、逆らう者は悪玉との信念が強くあり、悪玉同士は仲間、との宣伝に引っ掛かりやすいようだ。 前回(11月25日配信)でも述べたが、シリアからの難民430万人(他に国内避難者760万人)はトルコ、ヨルダンなど周辺諸国や欧州各国にとり極めて深刻な問題となっている。その解消のためにはシリア内戦の早期停戦が不可欠で、シリア政府が倒れそうな情勢ではないから、西欧諸国も米国も「暫定的に」と言いつつ、アサド政権の存続を容認し「穏健な反政府派」との和解を求める方向に動いている。 だが反政府派の主体はISおよびアルカイダ系のヌスラ戦線とその同調者だから、それらを和平交渉から排除せざるをえず、そうすれば実体のない交渉となってしまう。仮にISやヌスラ戦線の支配地をそのまま残して停戦しても、内戦の再燃は必至で、難民・避難者は安心して帰郷できない また、もしアサド政権(シリア政府)が崩壊すれば、いまでも対立抗争をしているISとヌスラ戦線などがシリアの支配権を巡って次の内戦を始めそうだし、それでどちらかが勝っても、シリアはテロ組織の支配する国となり、難民は戻れない  シリア軍は総員約18万人で、陸軍だけでも11万人はいて、政府側の民兵も10万人と見られるから、IS(イラク領内を含み3万人)とファトフ軍(1.2万人)に対し人員では圧倒的に優勢だ。弾薬、車輌、航空機や戦車の部品などを十分に供給すれば反政府軍を制圧できるはずだ。 ロシアのようにアサド政権を支援して、シリア政府軍にテロ集団であるISやヌスラ戦線を討伐させて内乱を鎮定し、その後各国がシリア復興を援助して難民が戻れるようにする以外に、現実的な策は無いのではないか、と考えざるをえない。  

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テロ頻発の原因は本当に「文明の衝突」か

出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長兼CEO] 【第142回】 2015年12月11日  ダイヤモンド http://diamond.jp/articles/-/83078  少なくとも130人が死亡した卑劣なパリの同時多発テロ事件から、早くも1ヵ月が過ぎようとしている。犠牲になった方々に深い哀悼の意を捧げるとともに、この事件の意味するところを少し考えてみたい。
テロとは歴史の進歩、 人類の進歩に反する行為だ
 学生時代に読んで深く腹落ちした本がある。市井三郎「歴史の進歩とはなにか」がそれで、この世に生を受けた人間が自分には全く責任のないことで、自分の好きな生き方ができなかったり、チャレンジする機会が与えられないこと、あるいは、意に反することを強制させられること、そういった事象を少しでも減らしていくことが歴史の進歩である、といった趣旨だったと記憶している。  テロは、突然、理不尽にも自分に全く責任や落度のない状況で命を奪われるわけだから、その意味では歴史の進歩を逆行させる暴挙という他はない。ひとり一人のかけがえのない人生を大切にする方向性こそが、歴史の進歩であり、人類の進歩なのである。
テロは急増しており 犠牲者の約8割が上位5ヵ国に集中
 ところで、テロの犠牲者は近年どのように推移しているのだろうか。アメリカ国務省のデータによれば、2010年から12年まで1万1000~1万3000人レベルで推移していた犠牲者数がここ1~2年で急増しており、2013年は1万8000人を超え、14年は実に3万3000人に達しようという勢いである。  個々の国別にみるとイラクの9900人超を筆頭に、ナイジェリア、アフガニスタン、パキスタン、シリアの上位5ヵ国で犠牲者の約80%を占めている。
出所:社会実情データ図録
 またテロ組織別にみると、ナイジェリアのテロ団体であるボコ・ハラム、ISIL(イラクとレバントの自称イスラム国)、アフガニスタンのタリバンがトップ3を占めている。 出所:社会実情データ図録 ここで気づくことは、ナイジェリアを除く他の4ヵ国は、アメリカのブッシュ政権が行った2001年のアフガニスタン侵攻(9.11アメリカ同時多発テロ事件の首謀者として指定されたアルカイダと指導者ウサーマ・ビン=ラーディンの引き渡しに当時のタリバン政権が応じなかったことが開戦理由)、2003年のイラク侵攻(フセイン政権が大量破壊兵器を隠匿していたことが開戦理由。ただしイラク戦争終結後、現在に至るまで大量破壊兵器は発見されていない)により、当時の政権が転覆され、カオスを招いたことが、テロ急増の根本原因とみられていることである。  人間が日々の日常生活を営む上で、社会の安定が何よりも大切なことは歴史をひもとくまでもなく明らかな事実である。また、社会の安定の形については唯一無二の雛形がある訳では決してない。それぞれの地域の文化や伝統に基づいて安定の形はさまざまなのだ。大量の殉葬(※)が行われた中国の商(殷)も、全体としては安定した社会であったことが実証されている。アメリカの価値観に立脚した安定した社会の形が、決して普遍的な安定の形であるわけではないのである。  歴史にifはないが、アメリカによるアフガニスタン侵攻やイラク侵攻がなければ、あるいは、タリバンの反抗やISILの誕生は起きなかったのではないだろうか。長年にわたって築き上げた企業の信用が、一片の不祥事で一瞬にして台無しになるように、価値観の好悪はともかくそれなりに安定していた社会(政権)を一旦壊してしまうと何が起こるか分からないというのが、人類が学んだ1つの教訓ではないだろうか。パンドラの箱を、深く考えずに簡単に開けてはならないのである。 (※)王侯貴族などの死に際して、妃妾や臣下従者が殉死し、主人と同時に葬ること。
テロとイスラム教は 関係があるのか
 主要なテロ組織は、イスラム教の中でも過激さで知られるイスラム原理主義者との関係が深いとされている。そうしたことから、テロの頻発をあたかも文明の衝突であるかのように短絡的にとらえる言説もある。本当にそうだろうか。  イスラム教は飲酒を禁止している。特にイスラム原理主義者はそうである。ところが今回のパリ同時多発テロ事件の犯人の1人はバーを経営しており飲酒癖があったと報道されている。それが本当であれば、ISILは単なる犯罪者集団ということになる。イスラム教徒の人口が1億人を超えるイスラム大国は、インドネシア、インド、パキスタン、バングラデシュなどだが、いずれも欧米先進国と衝突しているわけではなく、むしろどちらかといえば仲の良い部類に属する。  このように世界を冷静に眺めれば、決してイスラム教が単純にテロと結びつくわけでもなく、文明の衝突が正面きって起こっているわけでもないことがよく分かる。思い出してみればハンチントンの「文明の衝突」は、かなり皮相的で歴史的な根拠に乏しい本だった。
僕たちには何ができるのか
 テロの惨禍を前に、僕たちには一体何ができるのだろうか。パリの事件が起こってから、断続的に少しは考え続けてきたものの、3万2000人を超える膨大なテロの犠牲者を前にして、正直言葉が出てこない。  あるいはこの数字は、2~3年前のわが国の自殺者数と同水準だと思う人がいるかもしれない。「ブラッドランド」を書いたティモシー・スナイダ―は、ヒトラーとスターリンによる1400万人の犠牲者について述べた後、犠牲者の総数(数字)ではなく、一人ひとりの人生を、一人ひとりの顔を思い浮かべることが大切だと指摘した。統計ではなく一人ひとりの名前を復権させなければならないと。その通りであろう。僕たちはもっともっと想像力の翼を羽ばたかせる必要がある。  言えることは、好悪にとらわれず、深く物事を考えずに世界に現存するさまざまな安定の形を壊してはならないこと。  パンドラの箱には希望が残っていた。「君たちに憎しみという贈り物はあげない君たちの望み通りに怒りで応じることは、君たちと同じ無知に属することになる」。愛する妻をテロで失ったジャーナリスト、アントワーヌ・レリスさんの言葉である。 (文中、意見に係る部分は、筆者の個人的見解である)

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春名幹男・早大客員教授米軍が守ってくれるなんて幻想

2015年12月14日 日刊ゲンダイ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/171390
春名幹男氏(C)日刊ゲンダイ 
春名幹男氏(C)日刊ゲンダイ
安倍首相自身が同盟の真相を知らない
 つい最近、来年度の米軍基地への思いやり予算がちっとも減額されないことが分かったが、驚くのはまだ早い。スッタモンダした集団的自衛権行使の大前提は「イザというときは米軍が日本を守ってくれる」だったのに、これがウソっぱちだったのである。衝撃の書、「仮面の日米同盟」(文春新書)は膨大な資料、文献から、国民はもちろん、恐らく安倍首相も誤解している日米同盟の真相を暴いたものだ。ボーン・上田賞受賞のジャーナリストで早大客員教授の春名幹男氏がすべてを語る――。
――本の帯には〈「アメリカが日本を守ってくれる」は幻想だ!〉とあります。
 そうです。幻想に基づいて、いろいろな政策が行われている。集団的自衛権の行使容認もそうだし、思いやり予算もそうです。すべてを見直すような議論を始めなければいけません。
――米軍は日本のために血を流してくれる。だから基地の提供は当然だし思いやり予算も必要。集団的自衛権で助け合うことも大事で、そうすれば日米同盟が深化し、抑止力になる。安倍首相は何度もこう言っていますが、ウソであると?
 政治家は勉強不足です。安倍首相自身も分かっていないと思います。
――米国は日本を守ってくれないんですか?
 自衛隊と米軍の役割分担を定めた日米ガイドラインは改訂を重ねて、今は3版目です。最初は1978年。ここには「日本は小規模な侵略を独力で排除する。独力で排除することが困難な場合には、米国の協力を待って、これを排除する」とあり、「陸上自衛隊および米陸上部隊は陸上作戦を共同して実施する」と明確に記されています。ところが、97年の第2版では「日本は日本に対する武力攻撃に即応して主体的に行動し、極力早期にこれを排除する。その際、米国は日本に対して適切に協力する」という文言に変わっているのです。2015年版は「米国は日本と緊密に調整し、適切な支援を行う。米軍は自衛隊を支援しおよび補完する」と書いてあります。つまり、97年以降、米軍の任務は「サブ」に変わった。支援し、補完するだけで、主体的に防衛するのは自衛隊であるわけです。
■官僚が作為的翻訳で“協力”
――「適切な支援」という言葉がまた曖昧ですね。
 適切かどうかは米軍が決める。情報提供だけでも支援になる。血を流すとは限らない。しかも、英語の原文に当たって驚きました。ガイドラインは英語で交渉し、英語で文章を作る。それを官僚が翻訳するのですが、その際、作為的に米軍が日本の防衛に積極的に関与するかのような翻訳をしているのです。
――情報操作ですね。
 例えば「主体的」ですが、英文にはprimary responsibilityとある。「主な責任」という意味で、主体的とはニュアンスが違う。「支援し補完する」も英文はsupplement。栄養補助食品に使う言葉で、補足する、追加するという意味です。補完するであれば、complementがふさわしくて、78年版ではcomplementが使われていた。米軍支援のニュアンスは明らかに後退しているのです
さらに15年版には「米軍は自衛隊を支援し、補完するため、打撃力の使用を伴う作戦を実施することができる」という日本語がありました。「できる」というからにはcanだと思ったら原文はmayだった。してもよい、するかもしれない、という意味ですよ。共同作戦も通常はjoint operationだが、原文はbilateral operation。「2国の作戦」という意味で、これを共同と訳すには無理がある。
――官僚が必死になって、米軍は日本を守ってくれるという幻想を振りまいているんですか?
 外務省はなぜ、こんな訳をしたのか。安保法制を可決しやすくするためなのか、それとも安倍首相の意図なのか。
――いずれにしても、米国は日本を守ることについて、表現を後退させているのはハッキリ分かる。これはなぜですか。
 実は長年の取材、研究を通じて、日米安保条約の真相を物語る幾つかの機密文書を発見しました。一つは1971年、アレクシス・ジョンソン国務次官が一時的に長官代行としてニクソン大統領に提出したメモです。そこにはハッキリ、こう書いてあったのです。
在日米軍は日本本土を防衛するために日本に駐留しているわけではなく(それは日本自身の責任である)、韓国、台湾、および東南アジアの戦略的防衛のために駐留している。在日および在沖縄米軍基地はほとんどすべてが米軍の兵站の目的のためにあり、戦略的な広い意味においてのみ、日本防衛に努める〉

米軍協力よりもまずは専守防衛だ
――そのものズバリ、戦略的な広域防衛の兵站であると?
 似たようなメモは他にもありました。
――ちょっと待ってください。そういうことを外務官僚は知っていながら隠しているわけですか?
 逐一、過去の文書やメモをチェックしているわけではないし、米国もあえて通告はしない。しかし、米国はこうやって、対日政策を戦略的によく考えている。日本の防衛官僚もガイドラインの文言が変わっていることは知っている。しかし、米側の発言があるわけではないので、政治家に「変わりましたよ」とは言わない。日本のメディアも原文に当たらないから、真相が国民に伝わらない。こうやって仮面の同盟の真相が覆い隠されてきたのです。
――でも、尖閣は日本の施政下だから日米安保条約の適用範囲内なんですよね? オバマ大統領も言っていた。
 尖閣主権の経緯について米国はホームページで何も触れていません。都合の悪いことには関わりたくないのが本音でしょうが、政府もメディアもその本質に切り込まず、政府は『安保条約の適用対象だと言ってくれ』という形式を整えることにきゅうきゅうとしている。メディアも大統領がそう言えば、あたかも米軍が尖閣を守るかのような報道をする。幻想で日本の防衛政策が決められているのは極めて不健康なことです。
――安倍首相は閉会中審査で、自衛隊の南シナ海派遣にも踏み込んでいました
 米国の航行の自由作戦は形だけで完全に腰が引けています。その消極さが米国内でも批判されているほどです。あの海域をイージス艦が通ってもソナーを海に入れるわけでもないし、火器管制レーダーのスイッチも入れてない。ヘリも飛ばしていません。そんなところに自衛隊が出ていく余地なんてありません。
――それなのに、安保関連法案が通ったのをいいことに、安倍首相だけが勇ましい。
 米国の狙いをきちんと分析してないで言っているのですから、危険ですよ。
――結局、日本は日米安保の真相、米国の本音を知らないまま、自衛隊を出す法律だけ作った。そういうことになりますか?
 そうです。これは自衛隊を白紙委任で米国に差し出すようなものです。具体的、緊急の課題があって決めたわけではないし、どのような戦争であれば、集団的自衛権を行使して協力するのか、という議論もなされていない。日本の安全保障が百八十度変わる話なのに、閣議決定から法案成立まで1年ちょっとというのは、あまりにも乱暴な話です。
――大体、米国が日本を守ってくれるかどうか分からないのであれば、米軍にくっついて、地球の裏側まで行くより専守防衛こそ固めるべきじゃないですか
 その通りです。しかし、それを正面に据えた議論が国会でもなされなかった。集団的自衛権を行使するのであれば、自衛隊の仕事が増える。その分、日本を守る要員が削られてしまう。
――それでなくてもパリの同時テロ以降、トルコのロシア機撃墜もあり、世界は一気にきな臭くなっています。
 イスラム国との戦争は当面、終わらない。終わる可能性が予見できない。トルコのロシア機撃墜でロシア機が領空侵犯したのはたった17秒ですよ。トルコはロシア機の領空侵犯を待っていて、その機会を逃さず撃墜したことになる。それほど世界は血なまぐさいのです。それなのに日本は自衛隊は出すけど、そうした国際情勢を分析、検討するインテリジェンスの体制が整っていない。ますます、危なっかしいのです。
▽はるな・みきお 大阪外大卒。共同通信でワシントン支局長、特別編集委員など歴任。「秘密のファイル CIAの対日工作」など著書多数。現在は早大客員教授。

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沖縄が中国のミサイル射程圏内に。米シンクタンクの「中国脅威論」

2015年12月15日2015年12月15日 MAG2 NEWS http://www.mag2.com/p/news/132142 shutterstock_40978942
アメリカの有力シンクタンクの最新研究で、「沖縄の米軍基地が中国のミサイル攻撃の脅威にさらされている」という分析結果が出ていると、沖縄県の翁長知事が代執行訴訟の意見陳述で述べています。これは沖縄にとってどれほどの脅威なのか、ジャーナリストの高野孟さんは自身のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』の中で、その分析内容と沖縄・嘉手納基地の脆弱性、そして中国の戦闘能力について詳細に記しています。
嘉手納空軍基地は使いものにならない?──米シンクタンクのリアルな分析
沖縄県の翁長雄志知事は12月2日の陳述の中で、いわゆる「中国脅威論」に触れて、要旨で次のように述べた。 ジョセフ・ナイやマイク・モチヅキといった高名な研究者が、「沖縄はもう中国に近すぎて、中国の弾道ミサイルに耐えられない。こういう固定的な、要塞的な抑止力というのは、大変脆弱性がある」という話もされている。また、米有力シンクタンクの最新の研究でも沖縄の米軍基地の脆弱性が指摘されています。抑止力からすれば、もっと分散して配備することが理にかなっている。 中国のミサイルへの脅威に、本当に沖縄の基地を強化して対応できるのか、私からすると大変疑問である 中谷防衛大臣に、巡航ミサイルで攻撃されたらどうするのか、と尋ねると、大臣は、ミサイルにはミサイルで対抗するとおっしゃった。迎撃ミサイルで全てのミサイルを迎撃することは不可能だし、迎撃に成功した場合でも、その破片が住宅地に落ちて大きな被害を出したことを、私たちは湾岸戦争等を通じて知っている。防衛大臣の発言を聞いて心臓が凍る思いがした。沖縄県を単に領土としてしか見ておらず、140 万人の県民が住んでいることを理解していないのではないか。 この「米有力シンクタンクの最新の研究」とは、察するところ、ペンタゴンに直結する軍事政策の研究機関「ランド・コーポレーション」が去る9月に公表した「米中軍事スコアカード/1996~2017年にかけて変化する戦力、地理および力の均衡」のことである。この分析は米軍が沖縄において最も重視する嘉手納空軍基地の命運にも関わる内容を含んでいるので、以下ポイントを紹介する。
急速に縮まる米中の軍事力の差
報告書は、台湾海峡紛争と南シナ海紛争の2つケースについて、それぞれ1996、2003、2010、2017の各年で米中の軍事力の優越がどう変化してきたか、またしようとしているかを、 ・中国軍の対米空軍基地攻撃 ・米中両軍の航空優勢 ・米軍の航空進出 ・米軍の対中国空軍基地攻撃 ・中国軍の対地戦闘 ・米軍の対地戦闘 ・米軍の対宇宙戦 ・中国の対宇宙戦 ・米中両軍のサイバー戦争 ・核の安定性(第2撃能力の確実性)  ──の10分野に分けて評価し、それを一覧表にしている。 写真資料 それを見ると、台湾海峡危機の場合、例えば中国の対米空軍基地の攻撃能力は2010年にすでに拮抗しており、2017年には中国がやや優勢となる。また中国の対地戦闘能力も同様に、2017年にはやや優勢となる。 南シナ海紛争の場合、中国の対基地攻撃と対地戦闘の能力は2017年には拮抗する。 このような解析結果を踏まえて、報告書は結論部分で、次のように言っている。 (1) 1996年以来、中国軍はとてつもない進化を遂げ、米軍事力もその間に改善を進めてきたにも関わらず、能力の実質的な変化は中国に有利に傾きつつある。とりわけ中国軍の弾道弾ミサイル、戦闘機、攻撃型潜水艦などの近代化は、過去のいかなる基準に照らしても桁外れの速さで進んできた。 (2) その傾向は作戦分野によって違いがあり、中国の達成はすべての分野で一様ではない。いくつかの分野では、米側の改善によって米国が新たな作戦選択が出来るようになってきたし、少なくとも中国側の軍事近代化の速度が相対的なバランスに与える影響を和らげてもきた。
中国は全分野で米国に追いつく必要なし
(3) 距離、とりわけ短距離という問題が、双方が重要な目標を達成する上で主要なインパクトを与える。中国の遠隔投入能力は改善されつつあるが、今のところ制約があって、ジェット戦闘機やディーゼル潜水艦が給油なしに活動できる範囲外では、中国が事態に影響を与えたり戦闘で勝利する能力は急減する。これは近年中に変化するだろうが、それでも中国から遠く離れた距離での作戦は常に中国に不利である。 (4) 中国軍が総合的な能力において米軍にキャッチアップして迫ってきているという訳ではない。しかし、中国が直近の領域を支配するには、米軍にキャッチアップする必要はない。近接性がもたらす優位は、米軍の軍事任務を極めて複雑なものにする一方で、中国軍には大いに有利に作用する。このことは、本研究の最も重要な発見であり、抽象的な戦力比較よりもむしろ具体的な作戦様態の分析が重要であることを示す。 つまり、静態的な軍備能力の比較はあまり実践的な意味はなく、中国周辺で起こりうる具体的な事態に即して双方がどのような行動をとろうとするかを動態的に捉えなければならないということである。そうすると、中国軍は全体的な能力で必ずしも米軍にキャッチアップする必要が実はないのであって、例えば、近距離の目標に対する電撃的な奇襲攻撃によって、米軍が十分に対応しきれない内にすでに目的を達成してしまうということすら考えられるのである。  報告書の結論部分では、「今後5年から10年の間に、もし米中両軍が今とほぼ同様の軌道を歩むと仮定すれば、アジアにおける米国支配のフロンティアは目に見えて後退することになろう」と、かなり悲観的な予測で終わっている。
嘉手納基地に中国のミサイルが雨あられと
中国軍がアッという間に米軍に打撃を与えるかもしれない可能性の1つとして例示されているのが、沖縄の嘉手納空軍基地へのミサイル攻撃である。 中国の弾道弾ミサイルの改善は目覚ましいものがあり、1996年にはDF-11およびDF-15が台湾に数十発注がれるという程度の脅威にすぎなかったものが、2010年にはDF-21CおよびDF-10 が嘉手納はもちろん日本列島やフィリピン群島に数百発届き、H-6 および中距離ミサイルがグアムにも数十発届くようになった。これが2017年になると、嘉手納は日本に数千発、グアムに数百発というオーダーになる。 写真資料 そうなると危ないのは、直近の中国領から650 キロしか離れていない嘉手納基地である(ちなみに、中国領から一番近い米軍基地は韓国の群山[390キロ]と烏山[400キロ]、次が嘉手納と普天間、横田は1100キロ、グアムのアンダーセンは2950キロ)。 報告書の分析はいくつもの前提を踏まえた複雑な計算をしているが、結論だけを引けば(写真)、2017年予測で、中国が108ないし274発の中距離ミサイルを集中的に発射し、嘉手納の2本の滑走路にそれぞれ2個所、直径50メートルの穴を空けられた場合、米軍の戦闘機が飛べるようになるまでに16~43日、大型の空中給油機が飛べるようになるには35~90日もかかるというのである。 翁長知事が言うように、これほどのミサイルの雨が降れば、嘉手納町だけでなく那覇市を含む広域が壊滅的な打撃を受けるのは明らかで、何日経ったら戦闘機や給油機が飛べるようになるかなどどうでもいい話である。逆に、もし嘉手納をはじめ普天間や辺野古の米軍基地がなければ沖縄県民の頭に中国のミサイルが撃ち込まれることはない。 米軍のためにも沖縄県民のためにも、基地はない方がいいというのが本当の結論である。 image by: Shutterstock 高野孟のTHE JOURNAL』より一部抜粋 著者/高野孟(ジャーナリスト)
早稲田大学文学部卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。現在は半農半ジャーナリストとしてとして活動中。メルマガを読めば日本の置かれている立場が一目瞭然、今なすべきことが見えてくる。

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安保チラシ配布で辞任要求 社会福祉協議会に自民支部

(2015/12/14 19:11カテゴリー:政治) 福島民報
http://www.minpo.jp/globalnews/detail/2015121401001879
 北海道美瑛町の社会福祉協議会が8月、国会で審議されていた安全保障関連法案について考えようと呼びかけるチラシを配ったことに対し、自民党美瑛支部が社協の活動としてふさわしくない「政治的活動」として理事の処分や辞任を求め、理事4人が退任していたことが14日、分かった。  社協や関係者によると、チラシは8月末に新聞折り込みで町内の約2700戸に配布。チラシには「皆で考えよう安全保障法案 いま、世界では紛争により尊い命がうばわれています。私たちは争いのない助けあいの社会を目ざします」などと記されていた。8月下旬の社協理事会で、メッセージを出すことを承認したという。

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旧日本軍関係者が語る南京大虐殺 恥ずかしい安倍政権の反発

2015年12月13日(日) しんぶん赤旗 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-12-13/2015121307_01_0.html  ユネスコが「世界記憶遺産」として中国申請の資料を登録した(10月10日)ことで、話題となった日本軍による南京大虐殺事件(南京事件)。1937年12月13日の南京入城を前後し、南京攻略戦と占領時に日本軍がおこなった戦時国際法・国際人道法に反する、中国の軍民への不法残虐行為です。日本軍関係者の資料を中心に南京大虐殺を見てみます。(若林明)

地図  安倍晋三首相は記憶遺産への登録に、「遺憾」を表明しました。菅義偉官房長官は、登録を不満としてユネスコへの拠出金停止や減額を検討するといい、馳浩文部科学相が記憶遺産制度の「改善」を求めました。  日本政府が10月のユネスコ会合に同行させた高橋史朗明星大学教授は「『南京大虐殺』の歴史捏造(ねつぞう)を正す国民会議」の呼びかけ人の一人です。同会の「声明文及び要請文」(10月23日)は、記憶遺産登録について「歪(ゆが)められ捏造された歴史『事実』を登録承認したことに、強い憤りと危機感を抱く」と、「南京事件否定論」を述べています。  しかし、南京大虐殺は、「捏造」どころか、学問上も、国際的にもみとめられた歴史上の事実です。
中国戦線の岡村大将/“市民に暴行は事実”
 旧日本軍の岡村寧次(やすじ)は、1932年に上海派遣軍参謀副長に着任以後、支那派遣軍総司令官として終戦を迎えるまで、中国戦線を指揮した中心的な軍人です。岡村は、戦後、防衛庁(当時)の戦史室に依頼されて「戦場体験記録」をまとめています。(『岡村寧次大将資料 上巻―戦場回想編―』として刊行)  岡村は南京事件の直後に、南京攻略戦に参加した第6師団や第9師団を含む第11軍を率いて、漢口攻略戦を指揮します。司令官着任直後(38年9月)に、「南京攻略戦では大暴行が行われたとの噂(うわさ)を聞き、それら前科のある部隊を率いて武漢攻略に任ずる」上での必要性から、「南京事件」について将校らに聞き取りを行いました。  その結果について「一、南京攻略時、数万の市民に対する掠奪強姦等の大暴行があったことは事実である。一、第一線部隊は給養困難を名として俘虜(ふりょ)(捕虜)を殺してしまう弊がある。一、上海には相当多数の俘虜を収容しているがその待遇は不良である。一、最近捕虜となったある敵将校は、われらは日本軍に捕えられれば殺され、退却すれば督戦者に殺されるから、ただ頑強に抵抗するだけであるといったという」とまとめています。  岡村は南京での日本軍の性的暴行や捕虜虐殺を確認したのです。岡村は「戦場体験記録」に「南京事件の轍を覆(ふ)まないための配慮」「軍、風紀所見」を記しています。  日本陸軍の中枢にいた人物が、当時から「南京大虐殺」を事実として認めていたことは明らかです。
旧陸軍将校の親睦団体/“非はわれわれの側に”
 旧陸軍将校と元自衛隊幹部の親睦団体「偕行(かいこう)社」は、機関誌『偕行』に「証言による『南京戦史』」を連載します。(1984年4月号~85年3月号)  「多くの敗残兵を捕えたが、“ヤッテシマエ”と襲いかかるケースが多かった。城内掃蕩(そうとう)中でも、獅子山付近で百四・五十名の敗残兵を見つけたが、襲いかかって殺した」(島田勝巳第二機関銃中隊長の遺稿)、「大勢のなかには刺殺、斬首などの真似をした 馬鹿者も居りました」「入城後数日、下関(シャーカン)で毎日、捕虜が処分されているという噂を聞き、又実際にその光景を見ました。…一人ずつ歩かせて桟橋の端に来た時、突き落として小銃で射殺していました」(石松正敏第二野戦高射砲兵司令部副官の述懐)など戦場にいた兵士から証言が寄せられています。  『偕行』(83年11月号)は、「いわゆる『南京事件』に関する情報提供のお願い」という読者に投稿を呼びかける記事を掲載しました。よびかけの目的は、「虚妄の批難に対し、具体的な反証する手だてがないのが現状であり、『南京大虐殺』などという茫漠(ぼうばく)たる表現をもって一括され、20万、30万という膨大な数が日本軍の暴虐のあかしとしてまかり通っている」ことへの反論だとしています。  ところが、集められた証言は、先に引用したように、「大虐殺」を認めるものが少なくなかったのです。  連載の最終回(1985年3月号)で『偕行』編集部の執筆責任者の加登川幸太郎氏は「(死者数の)膨大な数字を前にして暗然たらざるを得ない…この大量の不法処理には弁解の言葉はない」と虐殺の事実を認めざるを得ませんでした。加登川氏は「中国人民に深く詫びるしかない。まことに相すまぬ、むごいことであった」「特に被害者である中国の人びとが、日本軍の非行を何と告発、非難されようが、非はわれわれの側にある。これは何とも致し方がない」と述べています。  なぜ大虐殺が起こったのか。日本軍の中国侵略を研究する伊香俊哉都留文科大学教授は「南京占領戦は基本的に旅団長や師団長から、捕虜をとらないという方針が出ていました。大量の中国軍を降伏させてもどう扱うかきちんとしていなかった。それが虐殺につながった。さらに中国軍、中国人に対する日本側の蔑視がありました。中国人捕虜なら殺しても問題にならないという感覚があった」と指摘します。  南京大虐殺の犠牲者数で、現在の学問研究で有力な説は「十数万以上、それも二〇万人近いかあるいはそれ以上の中国軍民が犠牲になった」(笠原十九司『南京事件』)です。ただしこれは、現在の資料の発見状況からの推定です。日本軍は連合国の追及を恐れて、敗戦前後に、多くの資料を焼却しました。陣中日誌などの資料が公開されているのは、全部隊の3分の1程度だといわれています。  情報統制によって国民には知らされていなかった南京事件は外務省の官僚や、「陸軍大学の学生」まで多くの軍関係者は知っていました。さらに、海外のジャーナリストや外交官によって世界に発信されました。戦後、連合国は南京事件を重視します。日本の戦争責任を裁いた極東軍事裁判(東京裁判)で南京戦の司令官の松井石根(いわね)大将は死刑になりました。  笠原十九司都留文科大学名誉教授は「南京事件は負の遺産として、日本だけでなく人類的に見て教訓にすべきです。なぜ、あんな残虐な事件が起こったのかを記憶としてとどめておくべきでしょう。記憶遺産登録に反発するのは、否定論に立っているということを国際的にしめすことになり、恥ずかしいことです」と指摘します。

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NHK世論調査 各党の支持率

12月14日 19時29分 NHK

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151214/k10010340991000.html

NHK世論調査 各党の支持率 NHKが行った世論調査によりますと、各党の支持率は自民党が37.5%、民主党が8.5%、公明党が4.7%、共産党が5%、維新の党が0.5%、おおさか維新の会が1.8%、社民党が0.5%、生活の党と山本太郎となかまたちが0.1%、「特に支持している政党はない」が34.3%でした。

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Astronomy Picture of the Day


Discover the cosmos! 2015 December 14 See Explanation.  Clicking on the picture will download
 the highest resolution version available. Pluto: From Mountains to Plains(冥王星: 山から平野に)

Image Credit: NASA, Johns Hopkins U. APL, SwRI

説明: これまで冥王星の最も鋭い見解は何を示していますか? ロボットニューホライズンズ探査機が太陽系外縁部に移動すると、それは今7月に冥王星との歴史的な出会いから最高解像度の画像の一部を返送されます。ここに注目の1枚を最近受信した、高解像度の画像です。 左はアル Idrisi モンテス、山岳高原思想は固体窒素のブロック主に成る。急激な経過の海岸線は、スプートニク平原と呼ばれるハート型の機能の一部を構成する氷平野部を右側に します。 平野が氷穴で仕上げがなめらかでなくて、分かれた理由は、現在知られていません。
画像は前に最接近約15分を取り、約30キロ全体の面積を示しました。ニューホライズンズ探査機は、次の元旦2019年にMU69カイパーベルトオブジェクト2014を超えて飛ぶように予定されています。

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妻純子の状況:

サチレーション100、ハートレート90±10、体温36.6℃で安定中。

他は、変化なし。

・・・・・本日は、これまで・・・・・

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