2011年3月29日火曜日

矛盾する保安院の プルトニウム検出会見 問題は、 プルトニウム239が 「漏出」したという事実。地に落ちた日本人の知性。

木村建一 @hosinoojisan
 
矛盾する保安院
プルトニウム検出会見
問題は、
プルトニウム239
「漏出」したという事実

地に落ちた日本人の知性
もとはと言えば、自民政権の負の遺産

 保安院が、プルトニウム検出の発表をした。
 読売新聞によると、『プルトニウムは過去の大気圏内核実験でも放出されているが、成分の特徴から東電は、今回の事故によってプルトニウムが外部に放出されたとみている。検出量はごくわずかで、人体には影響のないレベルだという。
 東電によると、21日午後から22日朝にかけて、敷地内の5か所から土壌を採取。日本原子力研究開発機構が分析した結果、プルトニウム238239、240が検出された。(プルトニウム238は、ウラン燃焼によって生じるし、MOX燃料に当初から、1/3含まれている
 このうち、敷地内グラウンドと固体廃棄物貯蔵庫前の2か所で検出されたプルトニウム238は、それぞれ乾燥した土壌1キロ・グラムあたり0・54ベクレルと0・18ベクレルで、国内で通常検出される量の最大約3・6倍
 今回はプルトニウム239、240()に比べて、原子炉の中で生成する238(これは1.2号機・・・当方)の割合が高い。同社の武藤栄副社長らは、「238は今回の事故に起因すると思われる」としている。
(2011年3月29日00時04分  読売新聞)』とされている。
 プルトニウム238は、もともとMOX燃料に1/3含まれており、プルトニウム(以下略)238は、3号機以外のウラン燃焼によって生成されるものである。
 プルトニウムは、比較的に重いが(半減期はプルトニウム239の場合約2万4000年(アルファ崩壊による)。比重は 19.8 で、金属プルトニウムは、ニッケルに似た銀白色の光沢を持つ、大変重い金属である(結晶構造は単斜晶)。融点639.5℃沸点3230)、ソ連の核実験で日本まで飛来したという事は、今回の福島原発で、ヨウ素と同じように各地にばらまかれた危険性が強い
 このことから、これまでの記者会見の方向性から、このデータそのものに疑問を持っている。
 あとで、記述するが、京都新聞の記事で、京大助教授が、チェリノブイリ以上の汚染と警告されていることから、今回のプルトニウム汚染もいずれ修正されることとなるだろう。
 原発周辺でなく、ヨウ素が飛散された地域全体のプルトニウム汚染調査が必要であろう。
 プルトニウムは毒性が強く、核実験時の3倍程度を観測したことから、保安院のいうように、能天気に「健康に影響を与えるものではない」と、軽視するわけにはいかない
 長い半減期を持つプルトニウム239は、核反応によって生成される(自然界にも微量存在)もので、このプルトニウム239は毒性が強く、このプルトニウム239のデータが公表されていないことが最大の疑惑である。
 以下に、京都新聞の記事を記録しておきたい。

土壌汚染「チェルノブイリ強制移住」以上 京大助教試算

 東京電力福島第1原発の事故で、高濃度の放射性物質が土壌などから確認された福島県飯館村の汚染レベルが、チェルノブイリ原発事故による強制移住レベルを超えているとの試算を、京都大原子炉実験所の今中哲二助教(原子炉工学)がまとめた。
 飯館村は原発から北西約40キロ。今中助教は、原発の状況が分からず被災地各自の事情もあるとした上で「避難を考えた方がいいレベルの汚染。ヨウ素やセシウム以外の放射性物質も調べる必要がある」として、飯館村で土壌汚染を調査する方針だ。
 文部科学省の調査で20日に採取した土壌から放射性のヨウ素1キログラム当たり117万ベクレル、セシウム16万3千ベクレル、雑草からヨウ素254万ベクレル、セシウム265万ベクレルが確認された。土壌中のセシウムは通常の1600倍以上だった。
 今中助教は、土壌のセシウムで汚染の程度を評価した。汚染土を表面2センチの土と仮定すると1平方メートル当たり326万ベクレルで、1986年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故で強制移住対象とした148万ベクレルの2倍超、90年にベラルーシが決めた移住対象レベルの55万5千ベクレルの約6倍だった。
 今中助教は「国は原発周辺の放射性物質を詳細に調べて分析し、ただちにデータを公開すべきだ」と話している。セシウムは半減期がヨウ素(8日)と比べ30年と長く、汚染の長期化が懸念されている。
【 2011年03月28日 15時52分 】京都新聞

憂える事態」と保安院
プルトニウム検出で

 経済産業省原子力安全・保安院は29日、福島第1原発の敷地内からプルトニウムが検出されたことについて「燃料に一定の損傷があって本来の閉じ込め機能が壊れていることを示しており、非常に憂える事態だ」との見解を示した。
 保安院は、東電が土壌を採取した21~22日の段階で、既に燃料が損傷していた可能性があると指摘。一方、今回検出された濃度は、過去の核実験に伴い国内で観測されたレベルと同程度で、健康に影響を与えるものではないとしている。(共同通信)【 2011年03月29日 01時50分 】京都新聞
 さて、極めて深刻な事態が続く現状の中で、一部マスメディアや政党、ジャーナリストの中に、「政局」を意識した批判が出始めているが、このような知性のない輩には、批判を強めるべきであろう。
 これまで、経験したことのない深刻な事態に対して、彼ら(批判者)は、対処策を持っているのであろうか?
 批判することは自由だが、その根拠を持たず、「ためにする」様な批判は、自らの知性の低さを「公表」するものとなろう。
 もともと、「安全性」を無視して、「国策」として強行した歴代自民党政権やこれに同調した勢力(公明党等)、原発推進を行った勢力の事故対応見識のなさが、根本にある。
 「未曽有の危機」、あるいは、「想定外」の事故と言っているが、数年前、この危険を指摘した団体の意見を無視した結果であるという事だ。
 関係先のHPを見ても、このような事故に対する「防災マニュアル」さえないのが実情である。
 事実を分析すれば明らかなように、菅政権よりも、「原発推進勢力」の抵抗が、事態を深刻化させたことは事実である。
 東電が、地域の安全よりも、東電従業員の安全のため、「人命を優先して」全面撤退を主張したことに対して、菅政権がこれを拒否、広範な地域住民の安全を配慮して、「再臨界防止」措置を命じたことは「正し」かったと言えよう。
 もし、東電や原子力安全委員会等、原発推進勢力の主張を丸呑みした時には、「東北地方」や「関東地方」の居住、経済活動は、全滅し、100年程度は回復できなかったと思われる。
 菅政権を擁護するわけではないが、この面では、菅政権の選択は正しかったと言えよう。
 今必要なことは、事態の安定的終息と、被災地住民の救済で有り、「政局」ではない。
 菅政権を批判することは、「目くそ鼻くそ」のたぐいであり、知性の低さを自ら明らかにするものである。
批判論者に問いたい。
 「対応が遅かった」と批判しているが、では、あなたは、どう対応すべきと言った建設的意見を述べてみなさい
 見る限り、そのような対応策が全くないのが、あなた方ではないですか?
 苦労することなく、「駄文を書いて」(私もそうだが、私は飯のタネにしていない)飯を食うなど、許されないことだと言っておきたい。
 
☆☆☆☆☆☆
経団連が、「法人税減税しなくてよい」と述べているが、これは評価しておこう。
併せて、巨大プロジェクトの一時凍結や優遇税制の一時凍結、そして、300兆円の内部留保の有効活用策等にも踏み出してほしいものである
 
 民主党、自民党、公明党、みんなの党、日本共産党、社民党、国民新党、諸派の皆さん方の見識ある対応を期待したい。
 
 朝日新聞や毎日新聞等マスメディア各社も、国民主権の立場から報道をして欲しいものである。
 WEBサーフィンしていると、朝日新聞に対する批判が強まっている
 
 特に、朝日新聞のCEOは、謙虚に反省すべきと提言しておきたい。このままでは、本当に、朝日新聞購読を継続すべきか検討せざるを得ないと思っている。
 
・・・・本日は、これまで・・・・

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