@hosinoojisan
美浜原発3号機「40年超運転」了承へ 2例目の事例に
自民党の「憲法改正草案」が時代に逆行している理由
「だまし討ちの政治、長続きしない」 共産・志位氏
東京都知事選が終了して、いよいよ安倍政権による憲法改悪・戦争法強行実施の方向が強まるであろう。
歴史は、人類の英知と経験を発展させてきたものだが、「お上思想」に戻そうとする前時代的な思想の上に、明治憲法に戻そうと言う動きが強まっている。
この思想は、第二次世界大戦で克服されたのだが、日本会議なる団体と安倍政権がこれを復活させようとしているのである。
これらの問題については、JPPRESS誌の「自民党の『憲法改正草案』が時代に逆行している理由」で詳しく論じられているので参照されたい。
この問題については、これまで容認してきたUSA政府も警戒感を強めつつある。
「武力」で解決出来るかのように論じられているが、これは愚の骨頂と指摘しておきたい。
日本国民は、数年を経づしてこれを克服することとなろう。
なぜなら、具体的に危険が及べば、日本国民は、立ち上がるからである。
以上、雑感。
☆☆☆
☆☆☆
☆☆☆
☆☆☆
☆☆☆
☆☆☆
Discover the cosmos! 2016 August 1 Behind Saturn (サターンの後ろで)
Image Credit: NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute
☆☆☆
妻純子の状況:
サチレーション100、ハートレート85±10、体温36.7℃で安定中。
他は変化なし。
・・・・・本日は、これまで・・・・・
美浜原発3号機「40年超運転」了承へ 2例目の事例に
自民党の「憲法改正草案」が時代に逆行している理由
「だまし討ちの政治、長続きしない」 共産・志位氏
東京都知事選が終了して、いよいよ安倍政権による憲法改悪・戦争法強行実施の方向が強まるであろう。
歴史は、人類の英知と経験を発展させてきたものだが、「お上思想」に戻そうとする前時代的な思想の上に、明治憲法に戻そうと言う動きが強まっている。
この思想は、第二次世界大戦で克服されたのだが、日本会議なる団体と安倍政権がこれを復活させようとしているのである。
これらの問題については、JPPRESS誌の「自民党の『憲法改正草案』が時代に逆行している理由」で詳しく論じられているので参照されたい。
この問題については、これまで容認してきたUSA政府も警戒感を強めつつある。
「武力」で解決出来るかのように論じられているが、これは愚の骨頂と指摘しておきたい。
日本国民は、数年を経づしてこれを克服することとなろう。
なぜなら、具体的に危険が及べば、日本国民は、立ち上がるからである。
以上、雑感。
☆☆☆
美浜原発3号機「40年超運転」了承へ 2例目の事例に
2016年8月2日00時11分 朝日新聞 http://www.asahi.com/articles/ASJ815H5LJ81ULBJ00L.html 原子力規制委員会は1日、40年を超えた運転を目指す関西電力美浜原発3号機(福井県)の安全対策の基本方針が、新規制基準に適合すると認める審査書案を3日の定例会に諮ると決めた。了承される見通しで、一般から意見を募った後、正式に決定する。 東京電力福島第一原発事故後、原発の運転期間は原則40年とし、規制委が認めれば一度に限り20年延長できる制度ができた。 美浜3号機は今年11月30日に運転開始から40年の期限を迎える。延長が認められるには、詳しい設備の設計と運転延長のさらに二つの認可を、期限までに受ける必要がある。認められれば関電高浜1、2号機(同県)に続く2例目となる。 ただ、耐震工事などに時間がかかり再稼働は2020年以降となる見通しだ。
☆☆☆
核燃料税の対象拡大 広がる廃炉原発への課税 専門家「依存度高める」
2016年08月01日 11時11分 佐賀新聞(共同) http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/339836 全国最多の原発を抱える福井県が今秋から、廃炉になった原発と使用済み核燃料にも核燃料税を課税する。29日には島根県も廃炉原発への課税を検討していることが判明。東京電力福島第1原発事故後、相次ぐ老朽原発の廃炉の影響を受ける立地自治体に新たな課税が広がりつつあるが、専門家からは「原発依存度を高める」との指摘が出ている。 核燃料税は当初、原発の運転を前提に、原子炉に装填(そうてん)された核燃料の価格に対し一定の割合を課税する方法だったが、福井県が2011年11月、停止中の原発でも課税できるよう原子炉の熱出力に応じた方法を導入。福島県、宮城県を除く原発立地の10道県に広がった経緯がある。 福島事故後、原子炉等規制法で原発の運転期間が原則40年と定められたことを受け、昨年から今年にかけて5原発6基の廃炉が決定。福井県にはこのうち、日本原子力発電敦賀1号機、関西電力美浜1、2号機の3基が立地する。 県によると、現行の制度のままだと、両社が3基の解体工程などを示した廃止措置計画をまとめ、原子力規制委員会が認可した時点で、3基は核燃料税の対象から外れる。年間約60億円の核燃料税収入のうち、約6億円が減るという。 今年11月以降は、3基と、既に廃炉作業中の日本原子力研究開発機構の新型転換炉ふげんに対し、現在の半分の税率を課すことになり、年間約4億円がカバーできる。県は「廃炉になっても安全対策は必要だ」と課税の理由を説明する。 3基のほかに福島事故以降に廃炉となったのは、中国電力島根1号機(島根県)、四国電力伊方1号機(愛媛県)、九州電力玄海1号機(東松浦郡玄海町)。島根県は島根1号機に引き続き課税する方向で中国電と協議。愛媛、佐賀両県の担当者は「他県の状況を見守る」などと話し、今後の方針は未定としている。 一方、原発などに保管されている使用済み核燃料への課税は、廃炉と無関係に、財政健全化などを目的に青森県や茨城県、新潟県柏崎市と鹿児島県薩摩川内市が既に導入しているが、今後、廃炉の影響を受ける佐賀県玄海町が来年度の導入を目指し、九電に協議を申し入れているほか、松江市も前向きな姿勢を示すなど広がりを見せ始めている。 福井県は、使用済み核燃料への課税で年間約30億円の税収を見込む。廃炉原発の分と合わせ、大半を負担することになる関電は「収益を生んでいないものに対する課税は非常に厳しい」と反発しながらも「避難道路などに使っていただくのはありがたい」(岩根茂樹社長)と受け入れた。 原発のコストに詳しい立命館大の大島堅一教授(環境経済学)は「新しい税の導入は、熱出力に応じた課税方法が広まったように各地の自治体に影響を与えるだろうが、使用目的を定めないと立地地域の原発依存度を高めてしまう恐れもある」と指摘している。【共同】
☆☆☆
「だまし討ちの政治、長続きしない」 共産・志位氏
2016年8月2日01時42分 朝日新聞 http://www.asahi.com/articles/ASJ815SR9J81UTFK00Y.html?iref=comtop_8_06
■志位和夫・共産党委員長 安倍首相は徹底した憲法隠しで参院選をやり過ごした。ところが選挙の翌日の記者会見で、「我が党の(改憲草)案をベースにしながら、3分の2を構築していくか。これがまさに政治の技術といってもいい」と公言した。改憲への暴走を開始しようとしていることは絶対に許していけない。選挙の間は国民に語らない。大事なことを隠す。選挙が終われば暴走を始める。これはだまし討ちの政治ではないか。このようなだまし討ちの政治は決して長続きしないし、長続きさせてはいけない。(党会合のあいさつで)
☆☆☆
自民党の「憲法改正草案」が時代に逆行している理由
未来の合意形成のために:日本国憲法のルーツをたどる
2016.8.1(月) profile 矢原 徹一 JP PRESS http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47466?utm_source=editor&utm_medium=mail&utm_campaign=link&utm_content=top
日本国憲法の土台となった“物語”とは・・・(写真はイメージ)
7月10日に投開票が行われた参議院選挙の結果、憲法改正に前向きな党派の議員が3分の2を占めるに至り、憲法改正の発議が可能な条件が生まれた。一方で、SEALDsなどの市民団体の呼びかけに応えて日本共産党が民進党など他の野党と共闘するという大きな変化が生まれ、野党統一候補が接戦区の多くで与党候補に競り勝った。 今後はこの選挙で生まれた政治的力関係の下で、憲法改正についての議論が開始されるだろう。今回は、この選挙結果を念頭に置きながら、社会をより良い方向に変えるにはどのような方法が適切か、という問題について考えてみたい。
生物の進化と社会の進歩
私がこの問題を考える手がかりは、生物の進化と社会の進歩の類似性だ。どちらも、誰かがデザインしたものではない。生物の進化の場合、さまざまな突然変異が特定の環境の下で試され、生存率や繁殖力を高める効果を持ったものが集団中に広がることで、環境への適応が進む。この単純な手順が、人間の知能を含む、生物界に見られる多種多様な機能を生み出したのは驚くべきことだ。 社会の進歩の場合にも、さまざまな制度や商品が歴史や市場の中で試され、社会や消費者に支持されたものが普及していくことで、制度や商品が改良されてきた。そして私たちの社会はより安全になり、物質的に豊かになってきた。 ただし、社会の場合にはときどき激変が起きて、社会を混乱に陥れてきた。革命や戦争などの社会的激変の背景には、ほとんどの場合にイデオロギーの対立があった。経済的な利害対立だけで激変が起きたケースは少ない。 このような生物進化と社会進歩の比較から、激変を避けて少しずつ改良を重ねることが、社会を進歩させる王道だと考えられる。これは、フランス革命の急進主義を批判したエドマンド・バークの結論であり、社会主義による計画経済を批判したフリードリッヒ・ハイエクの結論であり、そしてジョセフ・ヒースによる「スロー・ポリティクス」の提案とも調和するものだ。 この結論を導くために、まずは保守主義とリベラリズムのルーツをたどり、そこから日本国憲法への歴史の道のりをたどってみよう。進化を理解する場合と同様に、社会を理解する上でも、歴史をたどることでさまざまな事柄を関連づけ、全体を俯瞰して見ることができる。
日本国憲法の土台となった“物語”
『社会はなぜ右と左に分かれるのか』においてジョナサン・ハイトは保守主義とリベラリズムの典型的な主張を、「物語」として紹介している。この紹介法は、私たちの脳(認知システム)にとって、論理よりも物語のほうが分かりやすいことを考慮したものだ。 保守主義の物語として紹介されているのは、1980年に民主党のジミー・カーターに勝利してアメリカ合衆国の大統領となったレーガンの主張だ。 <昔々、アメリカは輝きを放っていました。そこへリベラルがやって来て、自由市場の見えざる手に手錠をかける巨大な連邦行政機関を打ち立てました。そしてアメリカの伝統的な価値観を破壊し、あらゆる方法で神と信仰に反対しました。 国民に自ら生計を立てるように求めるのではなく、額に汗して働くアメリカ人の手から収入をもぎとって、福祉にばらまいたのです。伝統的な家族の価値観、忠誠、自己責任を尊重せずに、フェミニストの主張を称賛しました。 そして世界中の悪漢どもの成敗に軍事力を行使するのではなく、軍事予算を切り詰め、軍服を軽蔑し、国旗を燃やし、交渉と多国間主義を選択しました。その後アメリカは、自国を崩壊に導こうとするそんな輩から国を奪い返すことにしたのです> (注:一部を省略し、文章を短縮した) これは一種の英雄物語だが、防衛のヒロイズムだとハイトは書いている。上記の物語において「リベラル」を「占領軍」に置き換え、占領軍が日本国憲法を押し付けて日本の伝統的な価値観を破壊し、自衛権を奪い取ったという筋書きにすれば、安倍首相の主張とそっくりだ。 一方で、リベラリズムの物語としては、社会学者のクリスチャン・スミスの主張が紹介されている。 <昔々、大多数の人々は、不公正で抑圧的、かつ不衛生な社会や制度に苦しめられていました。これらの伝統的な社会は、根深い不平等、搾取、そして不合理な伝統主義を非難されてしかるべきものでした。しかし自立、平等、繁栄を切望する人類は、貧窮や抑圧と果敢に戦い、やがて現代の民主的、資本主義的でリベラルな福祉社会を築き上げることに成功したのです> 日本国憲法はこのリベラリズムの物語を土台にして作られている。敗戦後の日本において、日本に民主主義を根付かせようと考え、日本国憲法を起草した人たちが依拠したのは、この物語だ。この物語のルーツをたどれば、フランス革命にたどりつく。
近代民主社会の原点
フランス革命の精神を盛り込んだ「フランス人権宣言」(人間と市民の権利の宣言)17条から最初の3条を紹介しよう。 第1条(自由・権利の平等)
人は、自由、かつ、権利において平等なものとして生まれ、生存する。社会的差別は、共同の利益に基づくものでなければ、設けられない。 第2条(政治的結合の目的と権利の種類)
すべての政治的結合の目的は、人の、時効によって消滅することのない自然的な諸権利の保全にある。これらの諸権利とは、自由、所有、安全および圧制への抵抗である。 第3条(国民主権)
すべての主権の淵源は、本質的に国民にある。いかなる団体も、いかなる個人も、国民から明示的に発しない権威を行使することはできない。 この「フランス人権宣言」(1789年)にまとめられた近代民主社会の基本原理は、フランスだけの力で確立されたものではない。 その背景には、アメリカ独立宣言(1776年)があり、イギリスで起きた産業革命(1760年代~)があった。さらに歴史をさかのぼれば、立憲君主制を築いたイギリスの名誉革命や権利章典(1689年)に行きつく。 近代民主社会は、国民投票による代議制、政党政治、三権分立、個人の権利と自由の法的保護、集会の自由、報道の自由などの多くの要素から成り立っており、それは長い歴史を通じて少しずつ改善を加えられた結果として成立したのだ。
「急激で荒っぽい抜本的改革」という悪行
フランス革命が勃発したとき、イギリス国内にもフランス革命を称賛する急進的な政治主張が現れた。これに対して、イギリスの伝統的な立憲政治を守る立場から、フランス革命を激しく批判したのがエドマンド・バークだ。 彼は「世界史に革命は数あれど、フランス革命ほどメチャメチャなものはかつてない」と断言し、その急進的改革を以下のように批判した。 <経験に学ぶなど、パリではおよそはやらないようだが、あえて言わせてもらおう。私は数多くの優れた政治家を知る機会があったし、彼らの仕事に協力もしてきた。ここから学んだのだが、いかに立派なリーダーであれ、完璧な計画をひとりでつくることはできない。見識の点ではずっと劣る人々の意見を取り入れることが、しばしば計画を改善するうえで役にたつのである。 ゆっくりと、しかし着実に進んでいけば、一つひとつの段階において物事がうまくいっているかどうかを確認できる。それにより、変化のプロセス全体が安全になるのだ。システムの内部に矛盾や破綻が生じることはない。またどんな計画にも、何らかの弊害がひそんでいるものながら、これらとて表面化した段階できっちり対処できる> (佐藤健志・編訳、新訳フランス革命の省察「保守主義の父」かく語りき PHP研究所) 要するにバークは、PDCAサイクルのような適応学習によって経験に学び、小さな改善を積み重ねることによってこそ、社会をうまく変えることができると主張している。 そして、そこで必要なのが「熟慮」だとバークは強調している。 <利害対立のもとでは、どんな決定も熟慮に基づいてなされなければならない。したがって、物事を変える際にも妥協がつきまとうことになり、変化は穏やかなものにとどまる。こうやって生じるバランスこそ、「急激で荒っぽい抜本的改革」という悪行を防ぐのだ> 「保守主義の父」と呼ばれるバークの主張は、生物進化を学んだものとして、とても納得がいく。 多くの生物は環境によく適応しているので、その状態を大きく変える突然変異は、ほぼ例外なく生存力や繁殖力を下げてしまう。驚くべき適応の数々を生み出した生物進化は、微小な効果しか持たない突然変異を素材にして、生物の性質の小さな改善を積み重ねることによって成し遂げられた。 この原理は社会の進歩にもあてはまるだろう。重要なポイントは、「完璧な計画をひとりで(あるいは中央政府で)つくることはできない」という点にある。社会は生態系と同様に複雑であり、常に変化している。 しかも、生態系と違って社会には価値観の多様性がある。このような複雑な社会を変えるには、多くの人の意見を取り入れながら漸進的に改善を積み重ねるのが最も良い方法だ。
世界共通の価値観を受け入れた日本国憲法
フランス革命が採用した“急進的・暴力的な革命”という社会変革の方法は、ロシア革命などの社会主義革命に継承され、多くの人命を奪い、社会を混乱させた。この暴力革命という社会変革の方法を支持するわけにはいかない。 しかし、「フランス人権宣言」にまとめられた近代民主社会の基本原理が、その後多くの国に広がり、国際社会の発展を支えてきたことも事実だ。フランス革命については、その社会変革の方法と、そこで提唱された基本原理を区別して評価する必要がある。 その基本原理は100年の時を経て明治初期の自由民権運動に引き継がれ、フランス人権宣言の思想を軸とする自由党(党首・板垣退助)やイギリスの立憲政治を軸とする立憲改進党(党首・大隈重信)の結成へとつながった。 その後の明治政府による弾圧と、弾圧への抵抗運動の歴史を経て、1889(明治22)年2月11日に、明治憲法と衆議院議員選挙法及び貴族院令が発布され、日本における立憲民主政治の基礎が敷かれた。 その後の国際社会は、ファシズムという大きな脅威に直面した。言うまでもなく日本はドイツ・イタリアと同盟を結んでその脅威に加担し、第2次世界大戦が開戦した。 戦後敗戦国となった日本は、GHQ占領下で日本国憲法を制定した。それは確かに外圧によって制定されたものだが、主権を天皇から国民に移し、内閣と内閣総理大臣(首相)に行政権を預け、言論・宗教・思想の自由や基本的人権などの、明治憲法に欠けていた近代民主社会の基本原理を補うことによって、世界の民主主義社会と共通する価値観を受け入れたものである。その憲法を変えるなら、この価値観にもとづく社会をさらに発展させる方向を目指したい。
社会主義はなぜ失敗したか
フランス革命は個人に基礎を置く近代民主社会の基本原理を確立する一方で、個人よりも社会や政府の役割を重視する思想を生み出し、社会主義という怪物を育てることにもつながった。 アメリカ独立戦争に従軍し、フランス革命に賛同して爵位を放棄したサン=シモンは、産業こそが社会発展の原動力であると考え、政府による計画的な産業振興を重視した。 経済学者のフリードリヒ・ハイエクは『隷属への道』(邦訳:ハイエク全集I別巻、西山千秋訳、春秋社、1944年)においてサン=シモンを「計画主義者の先駆的存在」と呼び、計画委員会の命令に従わない個人の権利を奪ってもよいとする彼の主張を批判している。 カール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスはのちにサン=シモンの思想を「空想的社会主義」と批判したが、個人よりも社会を重視し、経済成長を政府が計画できるとする考えの点で、彼の思想は社会主義・共産主義のルーツとみなせる。 マルクスとエンゲルスは、経済成長における市場の役割を的確に理解していた。彼らは共産党宣言においてこう述べている。 <大工業は世界市場をつくりだした。これは、アメリカの発見によってすでに準備されていたのである。世界市場は、商業に、航海に、陸上交通に、はかりしれない発展をもたらし、その発展がまた、工業の拡大に作用した。そして、工業、商業、航海、鉄道の拡大に比例して、ブルジョアジーは発展し、その資本をふやし、中世からうけつがれたすべての階級を背後におしやった。これで知られるように、近代ブルジョアジー自身が、長い発展行程の産物、生産と交通との様式におけるかずかずの変革の産物なのである> (http://redmole.m78.com/bunko/kisobunken/sengen1.html より) これほど的確に市場と交易の役割を理解していながら、市場を廃止すれば経済が停滞することをなぜ予見できなかったのか、不思議だ。 ハイエクは『隷属への道』において、政府が社会を計画し、個人の権利を制約する点で、ファシズムと社会主義は同根のイデオロギーだと批判した。彼の見解は、フランス革命を批判したエドマンド・バークの主張を継承し、深めたものだ。 ハイエクは、「どんな単一のセンターも、様々な商品の需要・供給状態に常に影響を与える諸々の変化を、細部に到るまですべて把握」することは不可能であり、市場における価格という情報だけが需要・供給関係を調整できると考えた。 また、「人間の想像力には限界があり、自身の価値尺度に収めうるのは社会の多様なニーズ全体の一部にすぎない」と指摘し、国家による市場の統制は個人の自由を制約すると考えた。 生物進化と社会の進歩の比較という観点から見ても、このハイエクの考えは納得がいく。複雑な生態系の中でどのような変化がより有利かを予測し、変化をデザインするのは不可能だ。さまざまな突然変異が環境の中で試され、自然淘汰という「見えざる手」による微小な改良が積み重ねられることによってはじめて、適応進化は進む。 同様に、複雑な需給関係と多様な価値観の下で、経済の変化をデザインするのは不可能だ。個人の自由な意思決定と競争に委ねてはじめて、需要・供給のバランスをとることが可能である。 もちろん、このような自由な個人による競争を促し、一方でその弊害を最小化する社会制度は必要だ。ハイエクはこのような、市場を適切に機能させるための制度的制約を置くことに反対しているわけではない。 市場自体をコントロールすることは不可能であり、もし政府による統制を行えば必ず非効率が生じることを指摘しているのだ。この指摘はきわめて妥当であり、この理解を誤ったことが、社会主義の失敗の大きな原因だ。
2つの失敗からの教訓
「市場経済をデザインすることはできない」というほぼ自明の理を、マルクスをはじめとする知性のある学者や思想家たちがなぜ理解できなかったのだろうか。 おそらくそれは、17世紀から18世紀にかけての啓蒙主義(世界には基本法則があり、それは理性によって解明できるとする考え方)が産業革命の成功を通じて知識人の間で支配的な思想となったことに関係しているだろう。 マルクスは、原始共産制から資本主義を経て再び共産制に至るという図式を基本法則とみなした。今日の時点で見れば、社会の歴史には生物の歴史と同様に基本法則などなく、そのときどきの環境や社会状況の下で、ある制度や商品が選ばれてひろがっていくという一種のアルゴリズムがあるだけだ。 未来を決めるのはそのときどきの国民(個人)や政府の意思決定だ。そして個人の自由を制約することによって政府が未来をデザインする試みは、社会主義とファシズムという2つの社会的失敗を生み出した。 この失敗から学ぶべき教訓は、個人の自由を最大限に尊重し、その創造性を最大限に生かしてはじめて、私たちは社会を少しずつより良い方向に変えていくことができるということだ。ハイエクが指摘しているように、 「公共の福祉」の名のもとに政府が個人の自由を制限すれば、結局は経済的自由を損ない、社会が停滞するのだ。 しかしながら、自民党の「日本国憲法改正草案」では、第3章「国民の権利及び義務」の第12条に「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない」と加筆されるなど、全体として「公益及び公の秩序」を強調する内容となっており、個人の自由よりも国家の秩序を優先する方向に踏み出していないか、やや気がかりだ。
緊急事態における個人の自由
自民党の憲法草案でもっと気がかりなのは、新たに設けられた第9章「緊急事態」だ。 Q&Aによれば、「国民の生命、身体及び財産という大きな人権を守るために、そのため必要な範囲でより小さな人権がやむなく制限されることもあり得る」としており、緊急事態において個人の自由の一部を制約する意図があることが明らかにされている。制約される対象に、個人が自由に意見や情報を発信する権利が含まれていないか、気がかりだ。 よく考えてみよう。平常時ですら、複雑な社会状況を正確に把握し、的確な判断を下すことは難しいのだ。緊急時の、さらに予測が難しい状況においては、国家の権限を強化したところで、現場の状況がより正確に把握でき、より的確な対策がとれるわけではない。むしろ、個人の自由な判断を信じて、個人の創意性に委ねるほうが、良い結果が期待できるだろう。 もちろん、大規模災害などの緊急時には、緊急車両通行のための移動制限や、安全性と緊急避難を目的とした家屋の取り壊し(財産権の制限)などが必要になる。しかしこのような緊急対応については、災害対策基本法などがすでに整備されている。熊本地震などの経験をもとにさらにこれらの法整備を進めることは必要だ。 緊急事態への備えとして必要なのは、徹底した実務的準備と訓練だ。一方で、このような準備が想定していない緊急事態に対しては、現場を知る人物の創意性と現実的判断に委ねるのが最も良い結果を生むはずだ。
緊急時には「現場判断」を優先すべき
ティム・ハーフォード著『アダプト思考 予測不能社会で成功に導くアプローチ』(ランダムハウスジャパン)には、イラク侵攻後に米軍がどうやって治安回復をある程度成功させたかについての興味深いエピソードが紹介されている。 ここで取り上げられている事例は、国家と個人の関係とは異なるが、緊急時にはトップの判断ではなく現場の判断を優先することが良い結果を生むことを示す良い例である。 イラク戦争は失敗の連続だった。そもそも大量破壊兵器は存在しなかった。フセイン拘束後は、フセインが率いたバース党の党員を階級に関係なくすべて排除する「非バース化」という方針によってイラクの社会秩序を破壊し、混乱を拡大させた。バクダッドに駐留した米軍は、自爆テロなどによる過激派の抵抗にあい、多くの住民は報復をおそれて米軍に協力しなかった。 この状況を変える糸口を作ったのは、マクマスター大佐である。彼は、ベトナム戦争介入時の意思決定に関する研究によって博士号を取得した人物であり、現場の状況を無視した意思決定がいかに大きな失敗を招くかを熟知していた。 彼は上官から指示された戦略が間違っていると感じれば、それを無視した。階層組織が圧力をかけてきたら、ジャーナリストを通じて自分の意見を伝えた。「大局」情報には頼らず、任地の状況を重視し、都市部の前哨地を指揮する下級士官に権限を委譲した。 彼は「上官よりも前線の兵士のほうが、よい助言を見つけ出すのがずっと早く、状況に適応しようとする意欲がずっと強い」ことをよく理解していた。マクマスター大佐のように、現場を見ようとしない上官の命令を無視し、徹底して現場での最適解を追求した何人かの人物によって、イラクにおける治安は好転し、やがてこのような批判的人物から教訓を引きだしたペトレイアス大将が、司令官としてイラク駐留米軍の指揮をとるに至った。 ハーフォードは、マクマスター大佐が採用した徹底して現場に根差した考え方を「アダプト思考」(adapt)と呼んでいるが、これは生物の適応進化に学んで「なすことによって学ぶ」方法、すなわち適応学習(adaptive learning)のことだ。 戦時下のような緊急事態において、トップがすべての状況を把握し、的確な判断を下すことなど不可能だ。現場に判断を委ね、現場から常に学ぶことによって初めて、よりよい解決策が導かれるのだ。
理性的な判断に時間を惜しまない
今後、憲法改正に向けての議論が進むと予想されるが、個人の自由への制約を強化するようなトップダウンの発想は時代遅れだ。おそらく、自民党の憲法草案がそのまま議論に乗せられることはないだろう。 自民党はいまや野党ではなく、与党として政権に責任を負っているので、そこまで非現実的な判断はしないものと思う。少なくとも、国家を個人より上に置いた社会主義やファシズムの失敗から学び、日本国民だけでなく国際社会に対して説得力のある議論をする必要がある。 国民にとっては、フランス革命以後の近代民主主義社会の歩みをふりかえり、これからの社会のあり方について考える良い機会かもしれない。国民投票が行われるとすれば、その結果を決めるのは国民だ。過去に学び、理性的に考え、冷静な議論をしたい。 社会主義とファシズムの失敗を理由に啓蒙主義を批判し、理性の限界を強調する立場があるが、ジョセフ・ヒースが『啓蒙思想2.0』で述べているように、私たちは時間をかけさえすれば理性的に考えて、より良い結論を下すことができる。 そしてスティーブン・ピンカーが『暴力の人類史』で立証したように、理性は暴力を減らし、より民主的な社会を築く原動力なのだ。 ※ 『啓蒙思想2.0』については、「美女の誘惑に『即イエス』の決断は正しいのか」、『暴力の人類史』については、「人類はどうやって暴力を減らしてきたのか」を参照されたい。 [あわせてお読みください]
☆☆☆
小泉流の改革者面に都民コロリ 小池圧勝の舞台裏と今後<上>
2016年8月1日 日刊ゲンダイ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/186870
投票が締め切られた午後8時ちょうどに「当確」/(C)日刊ゲンダイ拡大する
■本性を見抜けず熱狂投票した世論の危うさ
投票が締め切られた午後8時ちょうどの「当確」速報。都知事選は小池百合子元防衛相(64)の圧勝に終わった。選挙戦では自民党都連を「ブラックボックス」と批判。戦う姿勢を前面に出して、改革イメージを振りまいた。街頭演説ではイメージカラーのグリーンを身に着けてくるよう呼びかけ、有権者を巻き込む劇場型選挙が奏功し、他陣営を引き離した。
もっとも、「敵」をつくって戦う姿をアピールする手法は、小泉劇場の焼き直しだ。見飽きた三文芝居が、また繰り返された。争点もはっきりしないまま、ポピュリズムに浮かされた有権者が投票所に足を運び、投票率は前回都知事選を13.59ポイントも上回る59.73%。オンナ小泉の面目躍如である。
選挙終盤、石原慎太郎元都知事が小池を「大年増の厚化粧」とコキ下ろしたことが、小池圧勝の決定打になったという見方もある。この発言が女性の反感を買い、小池に同情票が集まったというのだが、問題は小池の化粧の厚さではなく、その下の素顔の方だ。
「小池氏は超がつくタカ派で、ゴリゴリの改憲論者です。右翼団体の日本会議とも関係が深い。本当の顔は『女トランプ』とも評されるほどの極右政治家なのですが、そうと分かった上で投票した有権者がどれだけいるのでしょう。選挙中はその本性を隠し、劇場型選挙で都民をケムに巻いた。大メディアもイメージ戦略に乗っかり、表層的な報道に終始して、争点隠しに加担した。『女性だから』というようなイメージだけで小池氏を選んでしまったとすれば、有権者はまんまと騙されたことになります」(政治評論家・森田実氏)
小池の選挙戦は、「新しい歴史教科書をつくる会」などの右派団体が全面支援していた。「しきしま会」というヘイト集団が、小池のポスターに証紙を貼る様子もツイッターに投稿された。
そうしたレイシストとの関係も、右翼の素顔もグリーンで覆い尽くし、改革を叫ぶだけの小池の手法は、大衆扇動でしかない。
それに熱狂する都民の判断が、石原慎太郎、猪瀬直樹、舛添要一という歴代都知事を誕生させ、今度は小池という危険なポピュリストを選んだわけだ。その代償を払うのも有権者なのである。
■自民党で困るのは石原バカ息子だけか
自民党本部は元総務相の増田寛也(64)を推薦したのに、小池は自民党員ながら党決定に反旗を翻して出馬したのだから、党に対してケンカを売ったことになる。
選挙期間中、頭に血が上った都連会長の石原伸晃経済再生相は小池について、「今日をもって自民党の人間ではない」とまで罵り、政府高官は「(立候補は)反党的な行為だから当然除名だ」と言い放っている。今後、自民党と小池は完全に敵対するのか。
政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう言う。
「『除名』をめぐっては当面、お互いツノを突き合わせて牽制し合う状態になるのでしょう。除名すれば、小池さんたちに改革勢力を結集させる口実を与えることになる。むしろ安倍官邸サイドは、小池新知事をうまく取り込んだ方がいいと考えているのではないか。五輪もありますし、小池さんの方もむやみに対立する気はない。ただ、今回の当選のバックボーンに『既得権と戦う知事』というイメージがあり、それが都民に支持された。小池さんは自民党とどう距離を取るのか、難しいところです」
増田は党推薦なのに、安倍首相は応援にビデオメッセージを送っただけで、最後まで街頭演説には立たなかった。選挙最終日の土曜(30日)は夕方まで私邸でのんびりして、夜はおおさか維新の会の橋下徹前代表や松井一郎府知事と官邸裏のホテルで会食している。小池当選後を見据えて、増田の応援を避けたのは明らかだ。橋下たちとの会食では憲法改正に向けた意見交換がなされたとされる。東西に改憲派の知事が揃い、むしろ安倍はニンマリなのだろう。
一方の小池も選挙中から「自民党とは戦っていない。官邸もわかっている」と本紙のインタビューで断言している。結局、安倍自民党と小池は「あうんの呼吸」で手を握り、困るのは石原家のバカ息子・伸晃だけになりそうだ。
「都連会長の引責辞任は当然です。父親の慎太郎さんの『厚化粧』発言で女性票が減ったのも、息子の責任。安倍首相は3日の内閣改造で伸晃さんを大臣ポストからも外すといわれています」(自民党関係者)
31日夜、伸晃は都連会長として報道陣に対応するはずだったのに、さっさと逃げた。あらためて、どうしようもない男だ。
■小池と都議会自民党の五輪新利権バトル
自民党本体を批判しない小池も、都連のことは「ブラックボックス」だと攻撃、「都議会を冒頭解散」「利権追及チームの創設」と拳を振り上げた。世論は“都議会のドン”とのさらなる対決を期待している。バトルはエスカレートするのか。
ポイントは来夏にある都議選だ。すでに「小池新党」立ち上げも噂されている。当選直後のインタビューで小池は、「新党の計画は現時点ではない」と否定したが、一方で「改革を目指す方々と党派を超えて」と含みを持たせていた。“この指止まれ”で都議選にシンパを擁立し、都議会自民党と全面対決する可能性がある。
「300万票近い支持を集めた小池さんの都民人気が来夏まで続けば、『自分の選挙区に刺客を立てられてはたまらない』と自民党都議が雪崩を打って小池さんになびくことになりかねません。大阪で自民党が分裂して『維新の会』ができたのと同じことが、東京でも起きるわけです。実際、維新と小池さんとの水面下での連携も囁かれていますしね」(自民党関係者)
もっとも都議会自民党もシタタカだ。“ドン”と呼ばれる都連幹事長の内田茂都議は、落選中も「都議団顧問」として議会や都庁に影響力を及ぼしていたほどの人物。これまでも慎太郎、猪瀬、舛添と歴代都知事を「手のひらにのせて転がしてきた」(都庁幹部)。小池が政策を実現しようにも、都議会で多数を持つ自公の賛成がなければ立ち行かない。ドンは「お手並み拝見」ってなところだろう。
その辺り、小池もよく分かっていて、当選後に都議会との関係について聞かれると、「都議の皆さまとはしっかり連携してやっていきたい」と対決姿勢をトーンダウンさせていた。
前出の鈴木哲夫氏はこう言う。
「自民推薦候補と戦って当選した石原慎太郎氏の1期目も、都議会自民党は野党色で対決しながらスタートした。しかしその後、石原知事の人気が根強いとみると、是々非々に変わり、協調路線を取った。今回も同じような感じで進むのではないでしょうか。バトルになるとすれば、五輪利権をめぐる対決でしょう。小池さんが公約通り五輪利権にメスを入れ、ひっくり返すようなことになれば、都議会自民党とぶつかることになります」
ま、たとえバトルになっても、小池が勝とうがドンが勝とうが、五輪利権をどちらが握るのか、というだけの話だ。
特に小池は“改革者ヅラ”して「自民党をぶっ壊す」と叫び、結局、自民党を生き返らせた小泉純一郎元首相と同類。小池の言う「東京大改革」とは、自民党と都議会のドンの利権をぶっ壊し、それを再配分することではないのか。都民はよーく監視した方がいい。
☆☆☆
Astronomy Picture of the Day
Discover the cosmos! 2016 August 1 Behind Saturn (サターンの後ろで)
Image Credit: NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute
説明:何がサターンの後ろにあるか?最初の答えは、現在私達の太陽系のとても雄大なリングシステムによって惑星の後ろを周回しているカッシーニ宇宙船に置かれたカメラ自身である。
☆☆☆
妻純子の状況:
サチレーション100、ハートレート85±10、体温36.7℃で安定中。
他は変化なし。
・・・・・本日は、これまで・・・・・
0 件のコメント:
コメントを投稿