2010年11月18日木曜日

「国力強化」のため、国内購買力を強める経済政策への転換を!

「国力強化」のため、

国内購買力を強める経済政策への転換を!


産経新聞WEB2010.11.18 03:13)に面白い記事が掲載されていた。
東京大・大学院教授 伊藤元重さんの投稿?記事で、「日本の未来を考える」欄に、円高より深刻な国力低下というタイトルであった。
常々、私が考える事と似ていたので、その部分のみ、紹介して、私の考えを述べてみたい。

「・・・・ さて、こうした長期的なトレンドで見ると、今の円レートはどのような位置にあるだろうか。円ドルレートで見ると、実は現在の水準は、実質で見てピークであった95年に比べて30%から40%も円安であるのだ。この15年の間に、米国の物価が日本の物価に比べて40%近く高くなったからだ。過去のピークに比べて相当な円安であるので、それほど大騒ぎをすることはないという説もある。
ただ、産業界の実情などを聞いていると、そう楽観もできないようだ。どうも、ピークよりも実質で30%以上円安である今の為替レート水準でも本当に厳しいと感じている経済人が多いのだ。それだけこの15年間の間に、日本の産業の競争力や日本の経済力が落ちてしまったのだ。あるいはより正確な言い方をすれば、それだけ周辺国の競争力が高まったとも言える。円高を嘆くよりも、「この程度の」円高で経済が厳しくなるほど、日本の国力が落ちていることを嘆かなくてはならないのだ。(いとう もとしげ)」
という記事である。

「人は城」、「安物買いの銭失い」等々、日本には様々なことわざがあるが、経団連を中心とする日本の経済界と、それにコバンザメの様に寄生してきた政治家と官僚によって、「技術開発を中心とした国際経済力の強化」をサボタージュして、逆に、安易な、リストラ等、労務費削減に特化して行った派遣労働者法の改悪や賃金引き下げに走った結果と言えるだろう。
その結果、「格差拡大」による国内購買力の激減、そして、「デフレ経済」へ突入したと言ってよいだろう。
国力の主要な側面は、人であり、人の知恵や力が、技術開発を前進させる礎と言ってよいだろう。
安い労務費に群がるように海外進出し、あるいは、国内の労務費を変動費化させるとして行った派遣労働制度への移行等によって、国内の産業構造を破壊した結果、国力低下をもたらしたものと言っておこう。
まさに、「安物買いの銭失い」である。

大きな流れで世界を見れば、中国にせよ、韓国にせよ、国民の生活を、いわゆる「中流社会」に誘導し、国内購買力を維持したうえで、海外戦略を取っていることが成功の原因と思われる。
これらの国も、決して安定しているとは言い難いが、国力を強めるためには、国民の生活を安定させなければ、経済の発展もあり得ないことは、沈みゆくアメリカを見るまでもないであろう。
そういう意味で、経済の基本方向を、大きく転換させることが重要であり、財布に入りきれないように蓄積された大企業の「内部留保金」を、「国力強化」のために使わせるための政策や、「国内購買力の育成・強化」の政策に、転換すべきであろう。
民主党の「政権交代」は、この意味で重要であったが、仙石・前原・菅体制は、この方向を放棄したことから、さらなる経済不況の道、「国力低下」をさらに強めることとなろう。

・・・本日は、これまで・・・

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