@hosinoojisan
プルトニウム再利用せず地下処分 米専門家が英誌に意見記事
東電 危うい再建計画 再稼働・値上げが黒字の前提-
焦点:「脱・戦時経済」への試金石、国有東電始動へ(ロイター)
東電の「総合特別事業計画」を政府は認めたが、前途は多難なようである。
前提に、原発再起動が柱になっているが、これは国民が認めないであろう。
本日は、この問題に対する報道を、NHK、日経新聞、ロイターの記事を比較してみた。
私は、結論部分が違うが、ロイターの記事は、ある問題を想起させられると思っている。
経済の前途が明らかでない中で、尖閣の買い取り問題等、大阪の橋下の維新の会等を考慮すると、ロイターの指摘するように「戦時体制」に逆戻りしつつあるのではないかと危惧をしている。
「民営化」を主張する経団連が、実は、電気事業に見られるように、「戦時体制」の維持を計っていたとなると、「国営化」は、まさに、その完成を図ったと見るべきであろう。
電気等エネルギー、通信、輸送、等々が、いずれ、戦前のような体制に逆戻りするのではと危惧する次第である。
以上、雑感。
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2012年 05月 10日 04:18 JST REUTERS
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE84802920120509?sp=true
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経済学者の野口悠紀雄氏は、戦時経済が確立した「1940年体制」が日本経済を蝕んでいると主張してきたが、競争を否定する思想が根強い電力業界こそその象徴だとみなしている。国有化を通じて東電に民間活力を取り戻させるという逆説的な取り組みは、日本経済が市場重視の体質への転換が進むかどうかの試金石になりそうだ。
<老朽火力更新で改革へ布石>
約100ページに及ぶ総合計画の中には今後の電力市場改革の起爆剤になる可能性がある項目が含まれている。原発の再稼働が容易に見込めない中で、東電が安定供給を果たすには火力発電の高効率化に注力する必要がある。ただ、1兆円の公的資本注入を受ける東電には、従来通り電力事業のための高水準の設備投資を続ける資金的な余力はない。
このため、総合計画では東電が老朽火力設備を他社に売却したり、設備更新を他企業と共同で取り組み、パートナー企業にその主導権を握らせるプランが盛り込まれた。東京湾岸だけで、更新投資が必要な古い火力設備は1000万キロワット程度と中国電力(9504.T: 株価, ニュース, レポート)全体の発電規模に迫る。「都市ガス、商社、石油、鉄鋼などがパートナーとして参加することに関心を示してる」(関係者)という。
これらの発電設備が最新鋭の高効率火力に生まれ変わるには7年程度の期間を要するが、いずれ東電以外の資本に主導権が移り、 新電力(特定規模電気事業者)や卸電力取引所に供給することも想定される。枝野幸男経済産業相は、総合計画の認定を表明した後の記者会見で、火力関連の項目について、「関東エリアにおける電力事業の改革が、(日本)全体のシステムに先行する行動として大きなインパクトを持つと期待している」と語った。
<競争と統制の歴史>
明治期に始まった日本の電力産業は、時代の変遷とともに大きく姿を変えてきた。大正(1912―1925年)末期には、東京電灯、関西地盤の宇治川電気、東海と九州北部が地盤だった東邦電力など「5大電力」が激しい顧客争奪戦を繰り広げた。
戦時色が深まった1939年(昭和14年)には電力国家管理体制のもと全国の発電から送電まで手掛ける日本発送電が設立され、1942年(同17年)には配電統制令に基づき全国に9配電会社が発足した。9社の地域ブロックは「現在の電力9社の供給エリアと基本的には変わっていない」(資源エネルギー庁担当者)。戦後から現在に至る電力体制は、戦前に東邦電力を率い、「電力の鬼」といわれた松永安左エ門が再編を主導し、1951年に確立した。
国のエネルギー政策見直し議論に参加する橘川武郎・一橋大学大学院商学研究科教授は、ロイターの取材に対し「電力会社が民間活力を発揮したほうが安価で安定的な電気供給が可能だという選択を日本はしてきた。その代表である東電がいったんとはいえ国有化されるのは歴史的出来事だ」と語った。
橘川教授は、著書の「東京電力 失敗の本質」(東洋経済)で、戦後の電力再編成から約20年間を「安定供給と低料金を両立した黄金時代」と指摘しながら、「1973年の石油ショックを契機に交付金による原子力推進が始まったが、官民一体の取り組みにより緊張関係にあった官と民の関係は一挙に変化してしまい、電力会社のお役所体質化が進んでいった」と強調している。
<競争を否定する思想>
戦後の9社体制への再編、70年代以降の国策民営による原子力の推進と、体制や業容を変化させながら、電力業界は民間セクター最大の設備投資の発注者として「産業界と地域経済に絶大な影響力を行使してきた」(電力改革派の元経産官僚)。地域独占に加え、事業コストに一定の利益率を加えた総原価に基づく電気料金の設定が許されてきた電力会社の経営は従来、赤字とはほぼ無縁で、市場競争を仕掛けるインセンティブもない。2000年の電力小売りの一部自由化の導入で電力会社が営業区域を越えて顧客に電気の供給が可能になっても実例はほとんどなく、競争を忌避する体質が染みついている。
戦時体制を確立した1940年体制を「市場経済を否定する考えが基本にある」と、長年にわたり問題視してきた野口悠紀雄氏(早稲田大学ファイナンス大学院総合研究所顧問)は、昨年10月、ロイターの取材に対し、「私がずっと言ってきたことだが、東電は1940年体制の権化だ。さらにいうと、経団連と経済産業省。この3つはワンセットで40年体制の権化だ」と語り、メスを入れる必要性を強調した。
<中部電力の動向が電力改革のカギ握るか>
これまでは原発推進で一枚岩だった電力業界だが、福島第1原発の事故を契機に結束が弱まる可能性もある。「国策民営の罠 原子力政策に秘められた戦い」(日本経済新聞出版社)を著した竹森俊平・慶応大学経済学部教授は、中部電力(9502.T: 株価, ニュース, レポート)の動向に注目する。竹森教授はロイターの取材で、「浜岡原発の再開はどうみても無理だ。中部電は原発の依存度も低くて、経営の方向性がはっきりする」と話した。
中部電は昨年5月、大規模な東海地震の発生が予測される浜岡原発について、菅直人前首相の停止要請を受け入れた。現在、津波対策の強化工事を行い再稼働を目指している。ただ、同原発が立地する静岡県の川勝平太知事は、ロイターのアンケート調査(2月下旬から3月上旬実施)に対し「当面、再稼働を認めない」と答えており、ハードルは高そうだ。
原子力発電のスタンスは「電力会社によって違う」(業界関係者)とされる。竹森氏は「原子力発電は事業として市場経済に合わない。国が原子力発電の運営をやるのでないと、東電だけではなく電力事業そのものが成り立たない」と指摘する。同氏に限らず「原子力の国有化論」を唱える有識者は多いが、ある政府関係者は「経済産業省も財務省もそこまで責任を取る気はない」とみる。
「脱原子力依存」を掲げた野田政権だが、いずれ行われる総選挙によって新しい政権の枠組みができれば、その方針が継承される保証はない。総合計画で再出発を誓った東電が、混迷するエネルギー政策に一石を投じるような改革を示すことができるのか。下河辺和彦・次期会長と広瀬直己・次期社長が背負う期待と責任は軽くない。
(ロイターニュース 浜田健太郎 取材協力 久保田洋子)
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Discover the cosmos!
2012 May 9
Shuttle Enterprise Over New York
Image Credit: NASA, Bill Ingalls
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妻純子 順調。
体温 36.4℃、サチレーション 92~97、パルス 84~92
・・・・・本日は、これまで・・・・・
プルトニウム再利用せず地下処分 米専門家が英誌に意見記事
東電 危うい再建計画 再稼働・値上げが黒字の前提-
公的資金の返済見通せず(日経)
焦点:「脱・戦時経済」への試金石、国有東電始動へ(ロイター)
東電の「総合特別事業計画」を政府は認めたが、前途は多難なようである。
前提に、原発再起動が柱になっているが、これは国民が認めないであろう。
本日は、この問題に対する報道を、NHK、日経新聞、ロイターの記事を比較してみた。
私は、結論部分が違うが、ロイターの記事は、ある問題を想起させられると思っている。
経済の前途が明らかでない中で、尖閣の買い取り問題等、大阪の橋下の維新の会等を考慮すると、ロイターの指摘するように「戦時体制」に逆戻りしつつあるのではないかと危惧をしている。
「民営化」を主張する経団連が、実は、電気事業に見られるように、「戦時体制」の維持を計っていたとなると、「国営化」は、まさに、その完成を図ったと見るべきであろう。
電気等エネルギー、通信、輸送、等々が、いずれ、戦前のような体制に逆戻りするのではと危惧する次第である。
以上、雑感。
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東電の総合特別事業計画を認定
5月9日 18時45分 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120509/t10015003811000.html
政府は、東京電力が福島第一原子力発電所の事故の賠償や今後の廃炉などを進めていくために申請していた総合特別事業計画を認定しました。
これによって東京電力は1兆円の公的資金の投入で事実上、国有化され、政府が主導する形で経営の見直しが図られることになります。
東京電力と政府が出資する「原子力損害賠償支援機構」は、先月27日、1兆円の公的資金投入など経営改善策を盛り込んだ総合特別事業計画をまとめ、枝野経済産業大臣に申請していました。
これについて枝野大臣は、9日夕方、東京電力の新しい会長に内定している機構の下河辺運営委員長や、東京電力の西澤社長を呼び、「失われた信頼の再構築をお願いしたい」と述べ、計画を認定したことを伝えました。
これに対し、西澤社長は「ゼロからの再出発の覚悟で計画の実現に徹底して取り組む」と述べました。
政府は、東京電力が来月に予定している株主総会を経て1兆円の公的資金を投入し、当面は過半数の議決権を保有して事実上、国有化します。
さらに政府は、原発事故の賠償に充てるおよそ8500億円について追加の資金援助を行います。
東京電力は、家庭向けなどの電気料金について、10.28%の値上げと共に、夏場の午後の一定の時間帯には料金を高くする一方、夜間の料金は安くすることで節電を促す新たな料金プランを設けることにしており、今週中にも政府に値上げを申請する方針です。
これらによって東京電力は債務超過に陥りかねない危機的な状況をひとまず回避するめどがつき、政府が主導する形で経営の見直しが図られることになります。
公的資金投入後の課題は
東京電力は、原発事故の賠償に充てる資金と、今回投入される資本増強のための資金で、合わせておよそ3兆4000億円もの公的資金を受けることになります。
今回の計画は、東京電力が将来にわたってこうした公的資金を返済していくとともに、原発事故の賠償や廃炉を進め、さらに電力の安定供給も続けられるように策定されたものです。
しかし、計画に盛り込まれている家庭向けの料金値上げなどの実現に向けては、多くの困難な課題があります。
経営改善策のうち、家庭向けなどの料金値上げについては、東京電力はことし7月から実施したい考えで、今週中にも政府に申請することにしています。
ただ、実際に認可されるまでには、市民の意見を聞く公聴会などが開かれます。
さらに枝野経済産業大臣もコストなどを厳しく査定する考えを示しており、現段階では申請どおりに値上げが認可されるかどうかは不透明な情勢です。
さらに今回の計画は、来年度以降、新潟県にある柏崎刈羽原発の運転再開を前提として作られています。
原発の運転再開を巡って批判的な意見が多いなか、東京電力の原発の運転再開に立地自治体を含め広く理解が得られるかどうかは、料金値上げよりもはるかにハードルが高いと言わざるをえません。
このため東京電力は、資金的な面からは危機的な状況をひとまず脱したとはいえ、本格的な経営の再建には依然として多くの困難な課題が残されています。
経産相“改革の礎を示す”
枝野経済産業大臣は、記者会見で、東京電力の総合特別事業計画を認定したことについて「この計画には、新生東電の改革を進めるための礎が示されている。新しい経営体制の下で、原発事故の被害者や顧客、社会の声に耳を傾けて、開かれた東京電力として情報発信や社内の意識改革、社風の刷新を実現し、経営合理化を打ち止めにしないよう、新たな視点を取り入れつつ不断に取り組むことを強く期待している」と述べました。
総合特別事業計画の内容
認定を受けた東京電力の総合特別事業計画の内容です。
<資本増強>東京電力は政府から公的資金による1兆円の資本増強を受けます。
原発事故で悪化している財務基盤を抜本的に立て直すためです。
公的資金と引き換えに東京電力は、株式市場に流通しない「種類株」と呼ばれる特殊な株式を発行します。
政府は、議決権付きの種類株を取得し、当面、過半数の議決権を持つことになります。
これに加えて政府は、議決権のない種類株も取得します。
この種類株は、みずからの判断でいつでも議決権をつけることができるもので、政府は、最大で実質的な国有化につながる3分の2を超える議決権を保有することができます。
<電気料金値上げ>家庭向けなどの電気料金については、東京電力が10.28%の値上げを政府に申請することが盛り込まれました。
計画では、今回の値上げの期間は、3年間としています。
東京電力が値上げすれば、日本が第2次石油危機に直面していた昭和55年以来、32年ぶりとなります。
ただ政府は、料金制度の見直しを検討する有識者会議の議論も踏まえ、内容を厳しく精査するとしており、値上げ幅は圧縮される可能性もあります。
<原発>また、この計画は、柏崎刈羽原子力発電所について来年度以降に順次、運転を再開することを前提として作られています。
これは、原発事故のあと、火力発電用の燃料費の増加が東京電力の経営を大きく圧迫しているため、負担を軽減することをねらっています。
しかし、運転再開には地元の同意などが必要で、計画通りに進むかどうかは不透明です。
一方、東京電力が廃炉にするかどうか方針を示していない福島第一原発の5号機と6号機、福島第二原発の4つの原子炉については今回の計画でも具体策は示されていません。
<コスト削減>計画には東京電力が今後10年間で、3兆3650億円を超えるコスト削減に取り組むことも盛り込まれました。
コスト削減額について東京電力は当初、人件費の圧縮などで、2兆6000億円としていました。
しかし、1月に発表した企業向けなどの料金値上げに対する強い反発や、枝野経済産業大臣からの指示も受け、設備投資の見直しなどでコスト削減額を上積みした形です。
<新経営陣>さらにこの計画には東京電力の経営陣の刷新が盛り込まれています。
東京電力には16人の取締役がいますが、全員をいったんことし6月に開かれる予定の株主総会で退任させ、新しい取締役の過半数は、社外取締役などとして外部から招へいするとしています。
すでに新しい会長に原子力損害賠償支援機構の下河辺運営委員長が内定しているのもその一環です。
経営体制についても、外部の専門家らがトップ人事や役員報酬などを検討する委員会設置会社に移行し、経営の透明性を図るとしています。
<会社形態>計画では会社の形態も大幅に見直すとしています。
「社内カンパニー制」を導入して、火力発電や送配電など3つの事業部門と経営本体に分けて採算を明確にするとしています。
さらに、一部の火力発電所の売却や競争入札の拡大による建設コスト引き下げ、天然ガスの共同調達などによる経営合理化も盛り込まれています。
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東電の事業計画 多くの困難が 5月10日 4時57分 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120510/n64626910000.html
東京電力に1兆円の公的資金を投入することなど柱とした総合特別事業計画が政府に認定されましたが、このうち柏崎刈羽原発の運転再開には見通しが立っていないなど、計画の目的としている原発事故の賠償や廃炉などを進めていくための経営改善には多くの困難な課題があります。
東京電力は、1兆円の公的資金投入など経営改善策を盛り込んだ総合特別事業計画について、9日に政府の認定を受け、今後、政府が主導する形で経営の見直しが図られることになります。
計画では、東京電力が再来年3月期に黒字に転換することなどで原発事故の賠償や廃炉を進めるとともに、電力の安定供給が続けられるようにして公的資金の早期の返済を目指すとしています。
しかし、経営改善に向けて盛り込まれた新潟県の柏崎刈羽原発の運転再開については地元の泉田知事が批判しているほか、枝野経済産業大臣も、計画にあたっての仮置きであり現時点で政府として運転再開を認めているものではないとする認識を示すなど、見通しは立っていません。
さらに、家庭向けなどの電気料金値上げについても利用者の反発が予想され、計画どおりに実施できるかは不透明です。
こうしたなか、東京電力の西澤社長も9日夜の記者会見で、計画の期間内に公的資金を返済するのは厳しいという認識を示しており、計画の目的としている経営改善には多くの困難な課題があります。
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東電 危うい再建計画 再稼働・値上げが黒字の前提
公的資金の返済見通せず
- 2012/5/10 2:03 日経新聞
東京電力の経営再建に向けた総合特別事業計画が9日、決まった。政府の原子力損害賠償支援機構が1兆円を出資し、家庭向け料金を10%上げて2014年3月期に経常黒字化をめざす。ただ、その前提は13年4月に柏崎刈羽原発を再稼働することで、現状ではハードルが高い。公的資金を返済する時期も見通せず、再建への道筋は薄氷を踏む危うさをはらむ。
東電は今年3月までに全17基の原発が運転を停止したため、火力発電の燃料費が膨らみ、12年3月期に7080億円の単独最終赤字を見込む。
2年後に黒字を回復する計画の柱は値上げと柏崎刈羽の再稼働だ。計画は13年3月期に企業向け16%、家庭向け10%の値上げを盛り込み、年6500億円の増収効果を見込む。原発は1基再稼働すれば燃料費を年750億円節約できる。柏崎刈羽には7基の原発があり、すべて再稼働すれば年5000億円規模の収支改善になる。
ただ、家庭向け値上げには政府・与党内にも異論がある。認可する枝野幸男経済産業相は9日の会見で「最大限の厳しい査定でさらに値上げ幅を圧縮できないか検証する」とクギをさした。
柏崎刈羽原発の再稼働はさらにハードルが高い。世論の反発が強く、自治体の意向にも左右されるからだ。立地する新潟県の泉田裕彦知事は9日の記者会見で「再稼働ありきだとしたら検証もへったくれもない」と話すなど再稼働に慎重。「13年4月の柏崎刈羽の再稼働は『仮置き』だ」。枝野経産相も9日の記者会見でこう釈明せざるをえなかった。
値上げの「期間」と「幅」も原発の再稼働が実現するかで左右される。計画では、いったん12年度に値上げした後、再稼働でコストが下がれば15年度から値下げする。再稼働が遅れると「値上げ期間」は3年より延び、上げ幅も拡大する。再稼働が実現しなければ、計画の骨格部分が崩れかねない。
機構から受ける公的資金の返済はさらに不透明だ。機構は「議決権あり」と「議決権なし」の2つの種類株で東電に出資し、議決権の50.1%を握って実質国有化する。
「議決権あり」と「議決権なし」の種類株はお互いに転換可能で、機構が議決権比率を動かせる。東電が改革をさぼれば政府の比率を上げて圧力を強める半面、改革を進め社債を再び発行できるようになれば、比率を2分の1未満に下げる。その時期は「10年代半ば以降」で、公的資金の返済が始まるのはさらに後。国有化された銀行の公的資金返済と比べても遅く、東電再建の道がいかに険しいかがわかる。
政府は機構を通じて東電に出資するほか、賠償資金も支援する。支援額は今回で3兆4000億円を超す。計画には「制度面での追加的措置の可否について検討することを政府に要請する」との文言を盛り込み、廃炉や除染の費用でさらなる政府支援を求めた。現行法で機構は廃炉費用を援助できないからだ。
そもそも計画は廃炉や除染の費用を盛り込んでいない。機構のある委員は「いまの法的な枠組みで東電を再建できるとは誰も思っていない」と語る。廃炉や除染が本格化すれば、今回の計画は根底から見直しを迫られる可能性がある。
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東電が新たに導入する料金メニュー
【家庭向け】
【中小企業向け】
- 電気使用量の少ない利用者の料金の値上げ幅を抑える
- 夏季の限定した時間帯(午後1時~午後4時)に従来より高いピーク料金を設定。一方で、夜間時間帯の料金を割安にする
【大企業向け】
- 今夏の各月の最大需要電力が契約電力を下回った場合に、節電幅に応じて料金を割り引く
- 今夏に休業日を平日に変更するなどして契約電力の50%以上を削減した場合に料金を割り引く
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- 前日に東電からの連絡によって、翌日の定められた3時間に電力使用を減らした場合に、削減実績に応じて料金を割り引く
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焦点:「脱・戦時経済」への試金石、国有東電始動へ
2012年 05月 10日 04:18 JST REUTERS
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE84802920120509?sp=true
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[東京 10日 ロイター] 東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)の今後の青写真を示した「総合特別事業計画」が認定され、深刻な原発事故を起こした世界最大の民間電力会社を国有化により再生させるという前例のない難事業が7月にも始まる。
経済学者の野口悠紀雄氏は、戦時経済が確立した「1940年体制」が日本経済を蝕んでいると主張してきたが、競争を否定する思想が根強い電力業界こそその象徴だとみなしている。国有化を通じて東電に民間活力を取り戻させるという逆説的な取り組みは、日本経済が市場重視の体質への転換が進むかどうかの試金石になりそうだ。
<老朽火力更新で改革へ布石>
約100ページに及ぶ総合計画の中には今後の電力市場改革の起爆剤になる可能性がある項目が含まれている。原発の再稼働が容易に見込めない中で、東電が安定供給を果たすには火力発電の高効率化に注力する必要がある。ただ、1兆円の公的資本注入を受ける東電には、従来通り電力事業のための高水準の設備投資を続ける資金的な余力はない。
このため、総合計画では東電が老朽火力設備を他社に売却したり、設備更新を他企業と共同で取り組み、パートナー企業にその主導権を握らせるプランが盛り込まれた。東京湾岸だけで、更新投資が必要な古い火力設備は1000万キロワット程度と中国電力(9504.T: 株価, ニュース, レポート)全体の発電規模に迫る。「都市ガス、商社、石油、鉄鋼などがパートナーとして参加することに関心を示してる」(関係者)という。
これらの発電設備が最新鋭の高効率火力に生まれ変わるには7年程度の期間を要するが、いずれ東電以外の資本に主導権が移り、 新電力(特定規模電気事業者)や卸電力取引所に供給することも想定される。枝野幸男経済産業相は、総合計画の認定を表明した後の記者会見で、火力関連の項目について、「関東エリアにおける電力事業の改革が、(日本)全体のシステムに先行する行動として大きなインパクトを持つと期待している」と語った。
<競争と統制の歴史>
明治期に始まった日本の電力産業は、時代の変遷とともに大きく姿を変えてきた。大正(1912―1925年)末期には、東京電灯、関西地盤の宇治川電気、東海と九州北部が地盤だった東邦電力など「5大電力」が激しい顧客争奪戦を繰り広げた。
戦時色が深まった1939年(昭和14年)には電力国家管理体制のもと全国の発電から送電まで手掛ける日本発送電が設立され、1942年(同17年)には配電統制令に基づき全国に9配電会社が発足した。9社の地域ブロックは「現在の電力9社の供給エリアと基本的には変わっていない」(資源エネルギー庁担当者)。戦後から現在に至る電力体制は、戦前に東邦電力を率い、「電力の鬼」といわれた松永安左エ門が再編を主導し、1951年に確立した。
国のエネルギー政策見直し議論に参加する橘川武郎・一橋大学大学院商学研究科教授は、ロイターの取材に対し「電力会社が民間活力を発揮したほうが安価で安定的な電気供給が可能だという選択を日本はしてきた。その代表である東電がいったんとはいえ国有化されるのは歴史的出来事だ」と語った。
橘川教授は、著書の「東京電力 失敗の本質」(東洋経済)で、戦後の電力再編成から約20年間を「安定供給と低料金を両立した黄金時代」と指摘しながら、「1973年の石油ショックを契機に交付金による原子力推進が始まったが、官民一体の取り組みにより緊張関係にあった官と民の関係は一挙に変化してしまい、電力会社のお役所体質化が進んでいった」と強調している。
<競争を否定する思想>
戦後の9社体制への再編、70年代以降の国策民営による原子力の推進と、体制や業容を変化させながら、電力業界は民間セクター最大の設備投資の発注者として「産業界と地域経済に絶大な影響力を行使してきた」(電力改革派の元経産官僚)。地域独占に加え、事業コストに一定の利益率を加えた総原価に基づく電気料金の設定が許されてきた電力会社の経営は従来、赤字とはほぼ無縁で、市場競争を仕掛けるインセンティブもない。2000年の電力小売りの一部自由化の導入で電力会社が営業区域を越えて顧客に電気の供給が可能になっても実例はほとんどなく、競争を忌避する体質が染みついている。
戦時体制を確立した1940年体制を「市場経済を否定する考えが基本にある」と、長年にわたり問題視してきた野口悠紀雄氏(早稲田大学ファイナンス大学院総合研究所顧問)は、昨年10月、ロイターの取材に対し、「私がずっと言ってきたことだが、東電は1940年体制の権化だ。さらにいうと、経団連と経済産業省。この3つはワンセットで40年体制の権化だ」と語り、メスを入れる必要性を強調した。
<中部電力の動向が電力改革のカギ握るか>
これまでは原発推進で一枚岩だった電力業界だが、福島第1原発の事故を契機に結束が弱まる可能性もある。「国策民営の罠 原子力政策に秘められた戦い」(日本経済新聞出版社)を著した竹森俊平・慶応大学経済学部教授は、中部電力(9502.T: 株価, ニュース, レポート)の動向に注目する。竹森教授はロイターの取材で、「浜岡原発の再開はどうみても無理だ。中部電は原発の依存度も低くて、経営の方向性がはっきりする」と話した。
中部電は昨年5月、大規模な東海地震の発生が予測される浜岡原発について、菅直人前首相の停止要請を受け入れた。現在、津波対策の強化工事を行い再稼働を目指している。ただ、同原発が立地する静岡県の川勝平太知事は、ロイターのアンケート調査(2月下旬から3月上旬実施)に対し「当面、再稼働を認めない」と答えており、ハードルは高そうだ。
原子力発電のスタンスは「電力会社によって違う」(業界関係者)とされる。竹森氏は「原子力発電は事業として市場経済に合わない。国が原子力発電の運営をやるのでないと、東電だけではなく電力事業そのものが成り立たない」と指摘する。同氏に限らず「原子力の国有化論」を唱える有識者は多いが、ある政府関係者は「経済産業省も財務省もそこまで責任を取る気はない」とみる。
「脱原子力依存」を掲げた野田政権だが、いずれ行われる総選挙によって新しい政権の枠組みができれば、その方針が継承される保証はない。総合計画で再出発を誓った東電が、混迷するエネルギー政策に一石を投じるような改革を示すことができるのか。下河辺和彦・次期会長と広瀬直己・次期社長が背負う期待と責任は軽くない。
(ロイターニュース 浜田健太郎 取材協力 久保田洋子)
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F35価格厳守、米に要請へ 政府が高騰懸念
政府は航空自衛隊の次期主力戦闘機に決まった最新鋭ステルス機F35を巡り、米側から提案を受けていた1機当たりの調達価格99億円を守るよう米政府に要請する方針だ。米国防総省の米議会への報告で、1機当たりの価格が高騰する懸念が強まっているためだ。ただ初回に購入する4機は米政府が価格や納期に決定権を持つ契約で、日本側の思惑通りになるかは不透明だ。
- 2012/5/9 21:07 日経新聞
藤村修官房長官が9日の記者会見で明らかにした。日本政府は計42機を購入する計画で、まず2016年度末までに4機取得する。4機は本体分の約89億円に部品価格の10億円を加えて1機あたりの完成品で99億円と見積もっており、12年度予算に計上している。契約時期は6月下旬の見通しだ。
ただ先月30日付の米国防総省による米議会への報告で、日本が購入予定の42機の総額は推計100億ドル(約8000億円)になることが判明。単純計算で1機当たり約190億円となる。パイロット訓練などの必要経費が含まれるが、想定していた調達価格を大きく上回る。藤村長官は会見で「(当初の)提案内容通りの機体の納入を米側に要請していく」と語った。
問題は契約の仕組み。当初の4機は米政府が価格や納期の決定権を握る対外有償軍事援助(FMS)の形態をとっている。完成品を早期に導入できるメリットがある半面、日本側は受け身にならざるを得ない。日本政府の要請が受け入れられないまま契約に至る可能性がある。
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脱原発、電気料金最大2倍=電源構成で影響試算-総合エネ調
(2012/05/09-20:58) JIJICOM
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2012050901069
総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)基本問題委員会は9日、将来の電源構成による経済的な影響を討議した。会合では、資源エネルギー庁が電源構成の選択肢候補ごとに影響を試算した中間結果を提示。2030年の発電量に占める原子力の比率をゼロにする「脱原発」の選択肢を採用した場合には、電気料金が現状に比べ、最大で約2倍に膨らむと試算された。
原子力の比率を15%~20%に引き下げる「原発依存度低減」の選択肢では、電気料金の上昇幅が32.9~72.9%となる。また、原子力の比率を10年度とほぼ同じ25%とする「現状維持」の選択肢でも、少なくとも4割弱の電気料金の上昇が避けられない。
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プルトニウム再利用せず地下処分 米専門家が英誌に意見記事
2012/05/10 02:00 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201205/CN2012050901001598.html
【ワシントン共同】原発の使用済み燃料などに含まれるプルトニウムを燃料に再利用するのはコストがかかり過ぎ、取り出さずに地下に埋設処分するべきだとの意見記事を、米プリンストン大などの4人の専門家が、10日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
記事は、使用済み燃料からプルトニウムを取り出してプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料として再利用しているフランスで、電力業界からコストを理由に反対の動きも出ていると紹介。2000年の試算では、再利用の方が年間7億5千万ドル(約600億円)割高になるという。
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控訴決定 小沢謀略裁判継続
http://gendai.net/articles/view/syakai/136462
2012年5月9日 掲載 日刊ゲンダイ
これでは誰でも罪人にされる恐怖
<まだ続く小沢暗黒裁判の茶番>
東京地裁が先月下旬、無罪判決を出した小沢一郎・元民主党代表の裁判があろうことか、継続になった。検察官役の指定弁護士が9日、控訴を決めたのである。
無罪判決後の会見で、大室俊三指定弁護士は「無罪になった人を被告の立場にとどめることにためらいがある」とか何とか言っていた。それでも高裁での審議を選んだ。共謀を示すような証拠もなく、ましてやゼネコンからの裏金も認められていない。それでもまだ裁判を続けるというのだ。常軌を逸した判断である。
こんなバカバカしい裁判をいつまでやるのか、政治空白をどれだけ長引かせれば気が済むのか。クラクラするような決定だ。
何度も言うが、この裁判は無意味だ。事件そのものがデッチ上げの謀略である。それなのに、大メディアは戦争中の大本営発表のタレ流しのごとく、権力サイドのリークに乗った。魔女狩りのような報道の中で、政権交代の立役者・小沢一郎は、その政治的活動を完全に封じ込められたのである。
この事件、裁判に意味があるとすれば、21世紀の日本でそれが起こったことだ。この事実に戦慄する。それでも裁判継続というのだから、暗黒社会だ。
<最初から有罪ありきの謀略捜査>
小沢は3月19日、地裁での最終の意見陳述でこう語った。
〈東京地検特捜部による本件強制捜査は、政権交代を目前に、野党第1党の代表である私を政治的、社会的に抹殺することが目的であり、それによって政権交代を阻止するためのものだったと考えられる〉〈政治資金規正法の制定以来、今に至るまで、報告書に間違いや不適切な記載があっても実質的犯罪を伴わない限り、検察のいう虚偽記載も含めて、例外なくすべて、報告書を修正することで処理されてきた〉〈私のケースだけを強制捜査、立件したことは恣意的な法の執行だ〉〈前田元検事はこの法廷で『これは特捜部と小沢の全面戦争だ。小沢を挙げられなかったら特捜部の負けだ』と言われたと証言した〉〈推定無罪どころか最初から有罪ありきの捜査、立件だ〉
その上で小沢は、この事件については検察が証拠裁判主義にのっとって、2度不起訴にしたこと。それなのに不当・違法な捜査で得た供述調書と報告書を東京第5検察審査会に提出、「起訴議決」へ強力に誘導したことを指摘した。
被告の言い分をそのまま書くのか、と言われそうだが、小沢が指摘したことはすべて、事実だ。検察はグーの音も出ないはずだ。
<平成版・巌窟王だった小沢裁判>
嫉妬に狂った男が陰謀、謀略でライバルを牢屋にぶち込み、のし上がる。19世紀にデュマが「モンテ・クリスト伯」で描いた世界だが、それが21世紀の日本で繰り返されるとは思わなかった。検察が小沢を牢獄にぶち込もうとした動機は何なのか。元外交官の天木直人氏は“恐れ”だと言った。
「自分たちが狙っている官僚組織の強化を政権交代によって、妨害されるのではないか。小沢一郎氏によって、潰されるのではないか。そうした恐れが違法な捜査、立件につながっていったのでしょう。官僚は権限強化を狙うときに民意を隠れみのにする。『より民主的に』と言いながら、自分たちが民意をコントロールし、権限を強化してしまう。司法官僚は司法制度改革を利用して、まさしく、権限強化を企んでいたところに政権交代になって、彼らは慌てた。これが事件の背景だと思います」
恐ろしい国だ。そして、恐るべき官僚たちの悪知恵だ。やっぱり、日本に民主主義は根付いていなかった。政権交代はそれを根付かせるチャンスだったのに、潰されてしまった。それが事件の真相なのである。
(写真=判決の日の小沢一郎・元民主党代表)
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Astronomy Picture of the Day
Discover the cosmos!
2012 May 9
Shuttle Enterprise Over New York
Image Credit: NASA, Bill Ingalls
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妻純子 順調。
体温 36.4℃、サチレーション 92~97、パルス 84~92
・・・・・本日は、これまで・・・・・
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