2010年10月6日水曜日

日銀の金利引き下げに疑問、既存の経済理論でなく、発想の転換を!

日銀の金利引き下げに疑問
既存の経済理論でなく、発想の転換を!

日銀が、超低金利政策を打ち出した。
内容は、朝日新聞が、比較的、丁寧に報道しているので、紹介しておきたい。
「日銀、ゼロ金利復活 量的緩和政策を導入へ」(朝日新聞WEB 2010106132分)というタイトルで、以下の記事が掲載されていた。
『日本銀行は5日の金融政策決定会合で追加の金融緩和を決めた。政策金利の誘導目標を従来の「年0.1%前後」から「0~0.1%」へ引き下げ、2006年7月以来4年3カ月ぶりに事実上の「ゼロ金利政策」に復帰した。さらに、新たに5兆円規模で株価や不動産価格に連動する投資信託などを買い取り、従来の資金供給と合わせて計35兆円規模の基金をつくる。政策金利の引き下げ余地がほぼなくなったため、今後はこの基金の増額などで金融緩和を進める「量的緩和政策」に踏み込む見通しだ。
日銀の追加緩和は8月30日の臨時会合で、新型の資金供給手段(新型オペ)の規模を20兆円から30兆円に増額したのに続く。利下げはリーマン・ショック直後の08年12月以来で、ゼロ金利政策は3回目。過去2回は大手銀行の経営破綻(はたん)などが相次いだ直後の99年2月~00年8月と、「量的緩和政策」を導入した際の01年3月~06年7月だった。
今回は「時間軸政策」も導入した。「物価の安定が展望できる情勢になったと判断するまで、実質ゼロ金利政策を継続していく」と表明。消費者物価指数が安定して前年よりプラスになると見通せるまで、ゼロ金利を続ける姿勢を明確に打ち出した。
5兆円規模の資金を用意することで従来の新型オペと合わせ、計約35兆円の基金を創設。市場に出回るお金の量を増やし、長めの期間の金利低下を促す。日銀はこれ以上は金利の引き下げ余地がほぼなくなったため、今後は基金を増減することで金融政策を運営する見込みだ。
前回の量的緩和では、市場に供給する資金量の目安を、銀行が日銀に預けたお金の量を示す「日銀当座預金」の残高にしていたが、今回は基金の規模を目安にする見通し。
新たな5兆円の資金の使い道は、長期国債と短期国債の買い入れが計3.5兆円、企業が運転資金などの調達のために発行するコマーシャルペーパー(CP)や社債などの買い入れが計1兆円。残りの約5千億円は、日経平均株価などに連動する株価指数連動型上場投資信託(ETF)と不動産市況に連動する不動産投資信託(J―REIT)の購入に充てる。
日銀は値下がりで損失を被る恐れがあるETFやJ―REITを購入資産の対象外にしてきたが、今回、「異例の措置」(日銀の白川方明〈まさあき〉総裁)に踏み切った。不動産や株式に投資資金が活発に流れるようにして、資産価格の上昇を促す狙いがある。
白川総裁は会合後の記者会見で、複数の政策を同時に打ち出して「パッケージで効果を最大限に高める」と述べ、「包括的な金融緩和」と表現。「緩和効果発揮のため、金融政策は異例の世界に入っていく」とも述べ、過去に例のない緩和策だと強調した。(大日向寛文、志村亮)』
というものである。

経済理論に疎い私だが、これを見て、様々な疑問がわいてくる。
一般的に、「安い金利で金を借りて、投資する」ということだが、大企業には、300兆円にも及ぶ「内部留保金」があり、大企業の影響下にある中小企業は、受注見込みのない現状では、「設備投資」等不可能であり、このような政策を打ち出しても、まったく効果がないのではと思われるからである。
また、『「物価の安定が展望できる情勢になったと判断するまで、実質ゼロ金利政策を継続していく」と表明。消費者物価指数が安定して前年よりプラスになると見通せるまで、ゼロ金利を続ける姿勢を明確に打ち出した。』とあるが、デフレ解消を意図しているのであろうが、デフレを解消するためには、単純に考えれば、「労務費」を引き上げれば、直ちに解消することを見落としているようである。
資本主義経済の原点である「資本の回転」を無視して、現状経済の中で、企業が、「内部留保」という形で「資本の回転」をサボタージュすれば、経済発展が留まることは明らかである。
一方、金融政策においても、例えば、我が日本を例に挙げて検討すれば、800兆円にも及ぶ預貯金があり、これをどう有効利用するかが課題と思われるが、これも簡単なことで、日銀や経済界の「既存の経済理論」とは反対に、発想を変えて、「高金利政策」に転換すれば、解決できるといっておきたい。
例えば、金利を5%に引き上げれば、40兆円の利息が国民に還元され、少なくとも、国民は、この40兆円は、安心して「消費」行動に向いていくだろう。
 企業が、本当に「企業の生産活動」に立ち戻るならば、現下の不況も直ちに解決することとなろう。
この面から、今回の日銀の0金利政策は、さらなる経済不況を招くことがあっても、景気回復には結び付かず、逆効果となろう。

・・・本日はこれまで・・・

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