自民党が、「安保改定」方針を決定
この内容では、アメリカが、抵抗するであろう。
自民党が、「安保改定」の方向を打ち出したようである。
詳細は、不明だが、産経新聞の内容では、アメリカとの関係が問題となろう。
現実に、谷垣禎一氏が、訪米を画策したが、「日程」を理由に、実質「拒否」されたことを見ても明らかであろう。
日本の政治家、特に、自民党や民主党議員は、アメリカの強い意志を「誤認」しているようである。
アメリカ国民の胸の奥には、現在でも、「リメンバー パールハーバー(真珠湾攻撃を忘れるな)」という認識が強く、日本の一挙一動に強い関心がもたれている。
アメリカの基本的スタンスは、「日本の軍事的独立は認めないが、隷属国として、集団的自衛権の発動で、アメリカの指揮権下での『戦闘』を認める」というもので有る。
軍事おたくの自民党・石破氏が起草したのであろうが、全くの認識不足と指摘しておきたい。
「国連中心主義の小沢・鳩山政権」さえ、転覆工作で、「仙石・前原・菅政権」に変更させた力を持つアメリカが、自民党のいう、「双務条約」により、アメリカ基地の「撤廃」など認めるはずがない。
この点で、誤解を受けないよう、産経新聞と、ウイキペディアの内容を紹介しておこう。
産経新聞WEB(2010.12.31 01:23)
自民が安保改定を検討 双務的な日米同盟へ 在日米軍基地の提供義務は削除の方向
『自民党は、相互防衛義務を負わない代償に基地提供義務を負う現行の日米安全保障条約の片務性を解消するため、政権復帰後に安保条約改定を米国に提起する方針を固めた。複数の党関係者が30日までに明らかにした。「双務的な日米同盟」を目指し、集団的自衛権の行使を前提に日米双方が太平洋地域で共同防衛義務を負う一方、在日米軍基地の提供義務を条約から削除する方向で検討する。
自民党は夏の参院選マニフェスト(政権公約)で「集団的自衛権に正面から取り組む」として、集団的自衛権行使を可能とし、安保条約の実効性を強化するための「安全保障基本法の制定」を明記した。石破茂政調会長は平成18年12月、党国防部会防衛政策検討小委員会委員長として基本法の私案を策定。この中で集団的自衛権行使の条件を「わが国と密接な関係にある他国に対する急迫不正の武力攻撃が発生した場合」と規定した。
だが、集団的自衛権を行使できれば、安保条約の共同防衛範囲を、日本の個別的自衛権だけで対応できる「日本国の施政の下における、いずれか一方に対する武力攻撃」(第5条)に限定する必要はなくなる。
このため、自民党は条約対象地域を拡大し、日米双方が同等の防衛義務を負う条約への改定を目指すことにした。
改定安保条約の素案では、条約対象地域を「太平洋地域」と規定。日米双方の領土に加え、「管轄下にある諸島」や域内の部隊、艦船、航空機に対する攻撃も共同防衛の対象とした。
また、米軍への施設・区域の提供義務を定めた現行第6条を削除し、在日米軍基地は政策的判断により別途定める駐留協定に根拠を求める。さらに条約実施上の課題を協議するため、担当閣僚による理事会を常設するとしている。今後は対象を「太平洋地域」に限定するかどうかなどについて議論を進める。
ただ、安保改定の提起は衆院選マニフェストには盛り込まない方針。自民党政調幹部は「相手国のある外交・安全保障政策を選挙で先に提示するのは適切ではない」と説明している。』
米軍が日本に駐留し続ける事の意義 (ウイキペディア)
『・・・・ただし、世界的には、米軍自身が戦略的に必要と考える地域で現地の国民が駐屯に反対した場合には、駐留と引き換えの経済協力を提案し、あるいはパナマ侵攻・グレナダ侵攻や市の舞台などに見られるように、反対勢力には経済制裁や対外工作機関(CIA中央情報局など)による非公然活動(スキャンダル暴露や暗殺など)、場合によっては軍事介入などのさまざまな妨害をちらつかせ、「アメとムチ」を使って駐留を維持するとされるという説もある。』
私自身は、「安保条約」は一旦「破棄」して、アメリカとの友好を前進させるため、「平和条約」に改編すべきと思っているが、これには、アメリカが強い抵抗を行うと認識しており、国民の大多数の共通認識を醸成しない限り、困難だと考えている。
今回の自民党案には、「基地提供義務」の廃棄という点では、一致できるが、石破氏の政治スタンスが、「民族主義的傾向」が強いうえ、憲法違反の軍事行動を容認するなど、看過するわけにはいかない。
「政権交代」を求めた国民の総意は、憲法順守と自立日本の希求であり、民主党小沢前幹事長のいう、「PKF参加」や、自民党の「双務条約化による集団的自衛権の行使」ではない。
アメリカの金玉(下劣で失礼)を握って、政権を維持しようという輩には、未来がないと言っておこう。
困難な情勢だが、来年は、「確実」に、政治の変化が、国民本位に進んでいくだろう。
・・・・本日は、これまで・・・・