2010年12月31日金曜日

自民党が、「安保改定」方針を決定。 この内容では、アメリカが、抵抗するであろう。


自民党が、「安保改定」方針を決定

 この内容では、アメリカが、抵抗するであろう。
 
自民党が、「安保改定」の方向を打ち出したようである。
詳細は、不明だが、産経新聞の内容では、アメリカとの関係が問題となろう。
現実に、谷垣禎一氏が、訪米を画策したが、「日程」を理由に、実質「拒否」されたことを見ても明らかであろう。
 
日本の政治家、特に、自民党や民主党議員は、アメリカの強い意志を「誤認」しているようである。
 
アメリカ国民の胸の奥には、現在でも、「リメンバー パールハーバー(真珠湾攻撃を忘れるな)」という認識が強く、日本の一挙一動に強い関心がもたれている。
 
アメリカの基本的スタンスは、「日本の軍事的独立は認めないが、隷属国として、集団的自衛権の発動で、アメリカの指揮権下での『戦闘』を認める」というもので有る。
 軍事おたくの自民党・石破氏が起草したのであろうが、全くの認識不足と指摘しておきたい。
 「国連中心主義の小沢・鳩山政権」さえ、転覆工作で、「仙石・前原・菅政権」に変更させた力を持つアメリカが、自民党のいう、「双務条約」により、アメリカ基地の「撤廃」など認めるはずがない
 この点で、誤解を受けないよう、産経新聞と、ウイキペディアの内容を紹介しておこう。

 産経新聞WEB(2010.12.31 01:23)
 自民が安保改定を検討 双務的な日米同盟へ 在日米軍基地の提供義務は削除の方向
  『自民党は、相互防衛義務を負わない代償に基地提供義務を負う現行の日米安全保障条約の片務性を解消するため、政権復帰後に安保条約改定を米国に提起する方針を固めた。複数の党関係者が30日までに明らかにした。「双務的な日米同盟」を目指し、集団的自衛権の行使を前提日米双方が太平洋地域で共同防衛義務を負う一方、在日米軍基地の提供義務を条約から削除する方向で検討する。

 自民党は夏の参院選マニフェスト(政権公約)で「集団的自衛権に正面から取り組む」として、集団的自衛権行使を可能とし、安保条約の実効性を強化するための「安全保障基本法の制定」を明記した。石破茂政調会長は平成18年12月、党国防部会防衛政策検討小委員会委員長として基本法の私案を策定。この中で集団的自衛権行使の条件を「わが国と密接な関係にある他国に対する急迫不正の武力攻撃が発生した場合」と規定した。

 だが、集団的自衛権を行使できれば、安保条約の共同防衛範囲を、日本の個別的自衛権だけで対応できる「日本国の施政の下における、いずれか一方に対する武力攻撃」(第5条)に限定する必要はなくなる。
  このため、自民党は条約対象地域を拡大し、日米双方が同等の防衛義務を負う条約への改定を目指すことにした。

 改定安保条約の素案では、条約対象地域を「太平洋地域」と規定。日米双方の領土に加え、「管轄下にある諸島」や域内の部隊、艦船、航空機に対する攻撃も共同防衛の対象とした。

 また、米軍への施設・区域の提供義務を定めた現行第6条を削除し、在日米軍基地は政策的判断により別途定める駐留協定に根拠を求める。さらに条約実施上の課題を協議するため、担当閣僚による理事会を常設するとしている。今後は対象を「太平洋地域」に限定するかどうかなどについて議論を進める。

 ただ、安保改定の提起は衆院選マニフェストには盛り込まない方針。自民党政調幹部は「相手国のある外交・安全保障政策を選挙で先に提示するのは適切ではない」と説明している。』

米軍が日本に駐留し続ける事の意義 (ウイキペディア)
『・・・・ただし、世界的には、米軍自身が戦略的に必要と考える地域で現地の国民が駐屯に反対した場合には、駐留と引き換えの経済協力を提案し、あるいはパナマ侵攻・グレナダ侵攻や市の舞台などに見られるように、反対勢力には経済制裁や対外工作機関CIA中央情報局など)による非公然活動スキャンダル暴露や暗殺など)、場合によっては軍事介入などのさまざまな妨害をちらつかせ、「アメとムチ」を使って駐留を維持するとされるという説もある。』

 私自身は、「安保条約」は一旦「破棄」して、アメリカとの友好を前進させるため、「平和条約」に改編すべきと思っているが、これには、アメリカが強い抵抗を行うと認識しており、国民の大多数の共通認識を醸成しない限り、困難だと考えている。
 
今回の自民党案には、「基地提供義務」の廃棄という点では、一致できるが、石破氏の政治スタンスが、「民族主義的傾向」が強いうえ、憲法違反の軍事行動を容認するなど、看過するわけにはいかない
 
「政権交代」を求めた国民の総意は、憲法順守と自立日本の希求であり、民主党小沢前幹事長のいう、PKF参加」や、自民党の「双務条約化による集団的自衛権の行使」ではない
 アメリカの金玉(下劣で失礼)を握って、政権を維持しようという輩には、未来がないと言っておこう。
 
困難な情勢だが、来年は、「確実」に、政治の変化が、国民本位に進んでいくだろう

・・・・本日は、これまで・・・・
@hosinoojisan


2010年12月30日木曜日

再び、日本をダメにしたのは誰か?

再び、日本をダメにしたのは誰か?

@hosinoojisan

 
 
 本日のNHK特集(そこが知りたい、変わる世界と日本))は、多くの国民が、視聴していた模様だが、番組中の視聴者アンケートは、現状では、「日本の未来が、最悪と言うほど暗い」結果を示していた。
 私も聞いていたが、残念ながら、「夢の世界に入り」、総合的な結果だけ、知るという無様な状況であった。
 約5000人を超える視聴者の皆さん方の意見表明であり、ほとんど私の認識と一致したものであった。
 そういう意味では、私も、日本人として、標準的日本人と言えよう。

 ところで、産経新聞WEB2010.12.30 02:20)に、あの、ノー天気な黄門さんが、無責任な発言をしていたが、一部紹介しておこう。
 『・・・・・・・。私が国会に出た昭和44年は高度経済成長期で、池田内閣の所得倍増論のように年間1兆円ずつ黙っていても税収が増えた。政治家の仕事は予算を何に使うかを議論することだった。ところが、今年の予算は歳出が92兆4116億円で、歳入は40兆9270億円。この数字を見ても分かるように、政治の議論はいかに国民の皆さんに我慢をお願いするかということに変化している。そうである以上、政治にたずさわる者が、政治とカネをめぐる問題なんかで国民から疑惑を受けるようなことは一切、あってはならない。
 菅内閣は国民の期待にちょっと応えきれていないところもあるが、かといって内閣打倒とか再び政権を交代しろという国民の声は少ない。その国民の皆さんの気持ちを考えると、われわれは、政治とカネの問題にけじめをきちっとつけるべきときにきている。
 そのうえで、年金制度や消費税ではこうします、と明確に政策を打ち出して協議を進め、実行に移す。これが来年、一番大事なことだろう。・・・・・
 何故、この発言を引用したのかという点については、いわゆる「右肩上がりの経済発展」という認識を明らかにしたかったためである。

 現、経団連(日経連と経団連合併)は、80年代後半(プラザ合意以降)、「右肩上がりの発展は期待できない」と、論陣を張り、雇用労働者の「賃金の引き下げ」を強行したが、この結果、国内購買力を破綻させ、世界経済不況とも合わさって、その結果が、日本の経済の深刻な状況を作ることとなる。

 反面、映団連は、日本政府に、財界優遇策を求め、自民党政府は、これをバックアップ、併せて、アメリカからの強硬な「内需拡大」策押し付けられ、約400兆円にも及ぶ、「箱もの」を中心とする公共事業を増大させ、現在の財政赤字の体質を作るとともに、現在、900兆円を超える「借金財政」の根源を作り上げた。

 国民には、「右肩上がりの賃金上昇」を抑えながら、財界や政府(背後にアメリカ政府)の、「右肩上がり」の利益追求や、予算規模拡大を図った結果が、現在の深刻な、「財政破たん」の根源を作ったと言えよう。

 このように見れば、日本をダメにしたのは、経団連を中心とする経済界と、自民党政権、そして、アメリカ政府であったと言えよう。
 
私が、アメリカを、エイリアンとたとえるのは、アメリカのインディペンデンスデーという映画の主題と全く同じ状況を呈しているからである。
 エイリアンが、自らの資源(アメリカ)を食い潰し、地球(日本)の資源を食い潰すため、地球を攻撃して来たため、アメリカ大統領が、エイリアンと戦い、打ち破って、「独立(インデペンデンス)」を勝ち取るという内容だったが、日本とアメリカの経済関係を見ると、全く同じ構造に見えるからである。

 もとい、話を元に戻そう。

 日本国民が、『政権交代』を求めたのは、このような政治体制の「打開」にあったのだが、これを恐れたアメリカ政府が、CIAのエージェントと化した官僚や政治家によって、この体制を勧めようとした「鳩山首相や小沢幹事長」を、「政治と金」というスキャンダルで崩壊させたと言ってよいだろう。
 参考までに、記述しておきたいが、アフリカや中南米では、CIAによって、30数名の政府責任者が暗殺されたことを記しておこう。
 「暗殺」という手段でなく、「スキャンダル」で、鳩山政権を崩壊させたのである。

 このような一連の状況の上に、成り立っているのが、「仙石・前原・菅政権」であり、この政権が、アメリカの利益追求の代弁者である姿を見抜くべきと言っておこう。

 しかし、国民は、未分化状況ではあるが、これを見抜き、菅政権(民主党政権ではない)を、下野させようとしているのが、現在の政局である。

 この姿を如実に示したのが、本日のNHK番組であったと言える。

 民主党の心ある政治家や、日本共産党、社民党、国民新党の皆さんをはじめ、公明党お皆さんも、この点を見抜いて、「菅政権打倒」の行動を起こしてもらいたいものである。

 もちろん、朝日新聞や毎日新聞等、マスメディア各社も同じように、真実を報道してほしいものである。

 ・・・本日は、これまで・・・

2010年12月29日水曜日

小沢前幹事長の政倫審出席で、仙石氏更迭必至

小沢前幹事長の政倫審出席で、仙石氏更迭必至

仙石氏のただ一つの評価できる「置き土産」・・・・事務次官の役割復帰

 小沢幹事長のウルトラ「C」戦法で、反小沢Grが、逆に、窮地に追い込まれたようである。
 このウルトラ「C」については、私も、かねがね、問題提起していたが、仙石・前原・菅体制は、内閣官房報償費の効果に慢心して、分をわきまえず、強硬策を展開したため、逆に、窮地に追い込まれる事となったようである。
 工業大学出の菅首相が、「作用あれば、反作用あり」という、物理法則を良く理解していなかったためだろう。
 これで、流れは変わってしまったようである。
 
 ところで、この結果、仙石官房長官や、馬淵国交相の更迭問題が、確実になったが、このような政治的読みはできなかったのであろうか?
 ここに、仙石・前原・菅政権の稚拙さが、表れていると言えよう。
 あそこまで、追い詰めなければ、双方痛み分けで、このような結果になっていなかった筈、そういう点では、小沢Grの方が、数段「上手」だったと言えよう。

 もともと、民主党、菅政権が、苦境に立ち至った最大の要因は、参議院選挙中の「消費税引き上げ」を突然打ち出したことであり、仙石氏の「政治主導放棄」の宣言にあったと言えよう。
 この結果、参議院選挙では完敗し、政策上も、ずるずると自民党政治に後戻りし、「政権交代」に期待した国民が、雪崩の如く民主党から離反して、支持率後退したのであり、決して、小沢氏の「政治と金」の問題ではない。
 この点さえ、「政治と金」という、マスメディアの「鱗」で、目を覆い隠され、本質を見抜けなかった仙石・前原・菅体制には、政権担当能力がなかったと言えよう。

 菅政権の存在は、もう、時間の問題と転化したようである。

 もうこうなれば、衆議院解散して、仙石・前原・菅体制の存否を、国民にゆだねる以外方法はないであろう。

 ところで、菅政権の崩壊の元凶であった仙石氏が、本日、正しい選択をしたようだ。

 官僚を正しく政権に寄与させるため、政務三役会議に事務次官の出席を認めたことである。
 もし、この上に、内閣法制局長官を「政府委員」として、認めるならば、仙石・前原・菅体制の唯一の「実績」という事が出来るであろう。

 「飛ぶ鳥跡を濁さず」と言われているように、きれいに対処して欲しいものである。

・・・本日は、これまで・・・

思いきった予算を付け研究者コミュニティー崩壊を防げ

思いきった予算を付け研究者コミュニティー崩壊を防げ

 
 日本の将来にとって、日経ビジネスに重要な指摘があったので、全文を紹介しておきたい。



宇宙開発の新潮流
20101228日(火) 日経ビジネス 掲載

今すぐ「あかつき2」の製造開始を

思いきった予算を付け研究者コミュニティー崩壊を防げ

·         松浦 晋也 【プロフィール】 
原文は、下記リンクを

 127日の金星探査機「あかつき」金星周回軌道投入失敗の原因が、燃料加圧系の逆止弁の閉塞であることがほぼ確定した。

 あかつきは6年後に金星近くに戻るので、再度周回軌道投入を試みるとしている。
 しかし、6年引っ張るともっとも貴重なものである、過去10年をかけて育成してきた研究者のコミュニティーが崩壊する。

 人材の継続育成ができなければ、太陽系探査を続けることはできない。今必要なのは、6年後の再投入よりも同型機「あかつき2」の迅速な製造と打ち上げであり、そのための十分な予算手当てである。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)1227日、金星探査機「あかつき」の金星周回軌道投入失敗が、燃料を加圧する高圧ヘリウム配管に入っている逆流防止のための逆止弁が、正常に動作しなかったためと発表した。

 あかつきは、6年後に金星近傍に戻る軌道に入っている。JAXAは、6年後にあかつきを再度金星周回軌道に入れる可能性を検討している。世間的にも地球帰還まで7年をかけた、小惑星探査機「はやぶさ」の例もあって、6年後のリベンジへの期待感は小さくない。

 しかし、あかつきとはやぶさでは状況が異なる。はやぶさでは、粘って運用を続ければ、小惑星からの地球帰還という世界初の偉業達成が待っていた。しかし、あかつきは粘っても、宇宙放射線による観測用機器の劣化が進む一方である。6年後にうまく金星周回軌道に投入できたとしても、成果はこの12月に金星周回軌道に投入できていた場合に比べて少なくなる。

 なによりも、6年も引っ張った場合、過去10年をかけて育成してきたあかつき関連の研究者コミュニティーが崩壊する。観測結果に基づく論文が書けなくては、研究者はキャリアを形成できないからだ。人材は散逸し、新しい世代の育成もできず、6年後に軌道投入に失敗した場合、次なる探査機の開発は至難の業となる。日本の太陽系探査にとってもっとも重要なのは人材だ。人なくして探査を継続することはできない。

 今必要なのは、迅速に同型機「あかつき2」(仮称)を開発し、打ち上げることだ。あかつき2は、遅れを最小限にして、人材育成のサイクルを回すために必要だ。人にかけるお金は惜しむべきではない。

たった一つの逆止弁の動作不良

 521日に打ち上げられたあかつきは、127日に金星に最接近し、搭載した軌道変更用エンジンを噴射して減速し、金星周回軌道に入ろうとした。しかし、噴射開始後152秒で、探査機の姿勢が大きく崩れたためにエンジンを停止。12分間の噴射を行う予定が、減速量が足りず、金星周回軌道に入れなかった。

 ロケットエンジンは燃料と推進剤を混合して燃焼させ、燃焼ガスを噴射することで推力を得る。あかつきの軌道変更用エンジンは、燃料と酸化剤を高圧ヘリウムの圧力でエンジンに押し込む仕組みだった。JAXAの事故調査によれば、高圧ヘリウムタンクから燃料に向かうヘリウムの配管に入っていた逆止弁がうまく開かず、燃料に正常な圧力が掛からなかったことが判明した。その結果、1)エンジンに供給される燃料の量が減って、2)酸化剤とのバランスが崩れ、3)異常燃焼が発生して探査機姿勢を崩す力が掛かったと推定している。

 問題の逆止弁について、JAXAは「推進系を担当した三菱重工業が調達したもので、メーカー名はJAXAから言えない」としている。しかし、日本は衛星搭載用バルブの大部分を米国からの輸入に頼っているので、ほぼ間違いなく米国からの輸入だろう。今後の地上試験計画に同等品の分解調査という項目がないことから、分解を禁止するブラックボックスとして輸入許可をとったものと推定される。

 そこには、バルブのような基本的な部品を国産化できない日本宇宙産業の足腰の弱さという構造的問題点が横たわっているが、ここではより大きな、人材育成サイクルの維持を問題にしたい。
人材育成は6年間も待てない

 あかつきは、金星が太陽を10周する間に、自身は11周する軌道に入っており、2016年に再度金星に接近する。JAXAは、6年後に再度金星周回軌道への投入を実施すべく、探査機状態の調査を進めるとしている。しかし、6年間の待機にあかつきが耐えられるかは、現状では不明だ。

 金星は地球と比べて太陽に近い。そのためあかつきは、より強い太陽からの宇宙放射線に晒される。金星気象の観測を目的としているあかつきはカメラを5台搭載しているが、カメラの撮像素子は放射線によるダメージが出やすい。その他、太陽電池、搭載バッテリーなど、6年間の待機に耐えられるかは今後の検討を待たねばならない。しかも、エンジンやバルブの状態は不明であり、2016年に確実に金星周回軌道に投入できる保証はない。

 あかつきの検討は1990年代後半から始まり、2000年頃から本格化した。惑星探査は探査機と、探査機を利用する科学者コミュニティーの両方が揃わなくては成果を上げることはできない。
 検討の本格化と同時に、JAXA宇宙科学研究所と日本惑星科学会を軸に、あかつきを利用する科学者コミュニティーの育成も図られ、この12月からの観測に向けて動いていた。科学者コミュニティーは同時に、探査機の仕様決定や搭載観測機器開発に深く関与している。日本の太陽系探査実施のための人材供給源でもある。

 6年間も空白ができると、研究者は確実に論文の書ける別テーマに移動し、ここまで組み上げてきたあかつき観測に向けたコミュニティーは崩壊する。あかつき観測結果で、博士論文を書こうとしていた学生もまた、次のテーマへと散っていく。結果、次世代の太陽系探査を担う人材育成が途切れてしまう。

 太陽系探査にとって、一番重要なのは人だ。人材なくして継続的太陽系探査の実施はできない。予算を惜しんで人材を枯渇させるようなことがあってはならない。
 
 そのためには、あかつきの同型機「あかつき2」をすぐにでも立ち上げて、製造し、打ち上げるべきである。今ならば、メーカーに図面も治具も残っていて、関係した技術者にとっても「どこを苦労した」「どうすればいい」といった開発と製造のノウハウの記憶が鮮明である。購入した予備部品も残っている。
 
 あかつきの開発には7年かかったが、2年もあれば、あかつき2は作れる。一度作った探査機の再製作だから、製造・打ち上げにあかつきほどの予算も必要ない。なにより、あかつき2を推進することで、人材育成のサイクルを回すことができる。

空き缶は思いきり殴れ、予算は思いきり付けろ

 そもそも、世界の惑星探査は、複数の同型機を同時に開発・打ち上げるところから始まり、技術の向上に従って単機打ち上げへと移ってきた。ところが日本の太陽系探査は、最初のハレー彗星探査こそ試験機「さきがけ」、本番の探査機「すいせい」という2機体制を組めたものの、その後はすべて単機で行っている。単機打ち上げ中、かろうじて成功したのは小惑星探査機「はやぶさ」のみ。火星探査機「のぞみ」は失敗、今あかつきが失敗の瀬戸際にいる。

 単機開発となる理由は、十分な予算を付けていないからだ。そのせいでぎりぎりまで粘って運用を続け、成功にせよ失敗にせよ終了後、運用に関係したコミュニティーは疲弊しきって次の計画を立ち上げられなくなる傾向がある。その背後には「国際宇宙ステーション運用や地球観測衛星の開発もある中で、宇宙科学に使える予算は宇宙関連予算全体の中でこの程度だろう」という、宇宙科学を後回しにするJAXA経営の姿勢が存在する。その悪循環を、今、「はやぶさ2」が破ろうとしているところだ。はやぶさ22006年に検討を開始し、来年度予算案に、やっと開発予算が記載された。

 おそらく、あかつき2を作るとなると「既存の宇宙科学の予算枠の中で、何を後回しにするか」という議論が出るだろう。宇宙科学予算枠にすべてを押し込もうとする動きだ。
 それは問題の解決にならない。真の問題は、日本の宇宙開発の中で太陽系探査をどう位置付けて実施するかだ。もっと言えば、国が行う宇宙開発はどうあるべきかという問題に行き着く。

 世界の宇宙開発には、国の開発から民営化という大きなトレンドが存在する。かつて、国家の技術開発の一大目標であった、通信・放送衛星は今や完全に民間のものとなっている。今、地球観測衛星がどんどん民間が実施する事業となりつつあり、米国では今後10年を経ずして、有人宇宙活動が民間マターになろうとしている。

 しかし、宇宙科学は民間の経済活動に馴染まない。どうしても国が実施すべき事業である。この世界的状況の中で、日本の宇宙科学を国の政策の中でどう扱うかを考えれば、他の宇宙科学計画を削ってあかつき2の予算を捻出するというありがちな方策が、愚策であることが分かる。

 太陽系探査への予算の付け方は、空き缶を殴って潰す子供の遊びに似ている。力一杯殴れば空き缶は潰れるので、こぶしは痛くない。しかし、恐れて力を込めずに殴れば、空き缶は潰れず、こぶしも傷める。「次、次」と、どんどん計画を進めていけば技術力も付き、人材も育つ。しかし、「まあこの程度で」的な出し惜しみをすれば、人材は疲弊し、後継者は育たず、失敗のダメージは長く尾を引くことになる。

 これまで、日本の太陽系探査は後者だった。あかつきの金星周回軌道投入失敗は悲劇だったが、はやぶさの帰還及びはやぶさ2計画スタートと考え合わせると、ここは過去の“空き缶をおそるおそる殴る”誤った態度を改めるチャンスでもある。
(完)

 ・・・この項、終わり・・・

2010年12月28日火曜日

最近気になること・・・内閣官房報償費

最近気になること・・・内閣官房報償費

 本日、民主党役員会が行われたが、小沢問題、やはり、決着がつかなかった。
 が、少し変化の兆しがあったのが、妙に、気になる。
 小沢Grの重鎮と言われている輿石氏の態度である。

 輿石氏と言えば、「農地法違反」の土地利用問題が問題になっているが、仙石官房長官が法相を兼務しておるのが何か気になるところである。
 しかも、役員会の前に、岡田幹事長と事前に話し合っているのも、妙な感じがする。
 
 強硬に、反対するかと見られていたが、これ又妙に、静かだったのである。
 
 ところで、小沢氏が、衆議院選挙の際、90名強の新人に「活動費」を配ったことが報じられたが、菅政権も、同じように、「内閣官房報償費」を、小沢Gr切り崩しに使っているのでは?との疑念が強まってきた。
 その理由は、代表選挙で、小沢氏とあまり差がなかった菅総理が、最近妙に強気の発言をしているからである。
 まず、マスメディアを見ると、朝日新聞や毎日新聞等マスメディア各社が、「小沢孤立」の論調を強めているが、先般報じられたように、今般も、政治部長会合や、TV等のコメンテーターに、「報償費」という爆弾が投下されているのではないか?との疑念が募るからである。
 次に、民主党小沢派と言われる「新人」を中心とした議員に対して、「活動費」名目で、切り崩し資金を投入しているのではないか?という疑念である。

 沖縄県知事選挙や名護市議会議員選挙の際、日本共産党の塩川哲也氏が、「菅内閣は、内閣官房報償費を…沖縄県知事選挙や名護市議会選挙に使わないと明言できるか」との質問主意書に対して、「内閣官房報償費の性格上、お答えを差し控えたい」と回答し、否定しなかったことからも、疑念が強まる
 
 その際、これまでの実績を明らかにしているが、4月~11月まで、実に、9億円(4月に二回、2億円、あとは毎月1億円)も使っているのである。

 仙石・前原・菅Grが、必死になって、小沢Grと対決しているが、変な自信は、多数派工作に、この爆弾を使った?のであろうことは、否定できないと言えよう。

となれば、「政治と金」問題で、小沢氏を批判できなくなるであろう。
本当に、クリーンな政治を主張するなら、報償費の内容をもう少し、明細を明らかにすべきであろう。

いずれにしても、年明け後の政局の波乱が、興味をそそる。

・・・・本日は、これまで・・・・

2010年12月27日月曜日

民主党から、「小沢排除」したら何が残るの? 連戦連敗の仙石・前原・菅体制(西東京市議選)

民主党から、「小沢排除」したら何が残るの?
連戦連敗の仙石・前原・菅体制(西東京市議選)

 あの邉恒が、また、暗躍し始めたようである。
 「二年間限定の大連立」を前提に、動いているようだが、その前提が、「小沢外し」ということのようである。

 ちょっと待ってほしい。

 読売の邉恒と言えば、CIAのエージェントとしての疑惑があり、日本と同じように、崩落しつつあるアメリカや財界の、利益擁護を最優先してきた人物と見られている。
 このような人物が志向する「大連立」が、何を意味するのか明白であろう。
 
 菅政権(仙石・前原・菅体制)も、同じ路線上にあり、「政策」も「理念」も真逆の「立ち上がれ日本」との『野合』を画策していることからも、国民が期待し、「政権交代」を願った民主党とは、異質の「民主党」へと「変質」したことを示していると言える。

 この点を、「覆い隠すため」、「政治と金」問題の象徴と言われている小沢氏を引き合いに出して、「小沢外し」を前面に立て、糊塗しているが、国民は、正確に菅政権を見抜いており、菅政権発足後のすべての選挙で、「連戦・連敗」という結果で、仙石・前原・菅体制の目を覚まさせようとしているが、政治的「稚拙」な仙石・前原・菅体制は、これを理解できないようである。

 本日投開票が行われた「西東京市議選」(菅首相のおひざ元)でも、現有議席を大きく後退させたことが、このことを示していると言える。

 私自身は、先般も記述した通り、小沢氏が、政倫審に出席すれば、このような問題まで発展しなかったと思料するが、小沢氏が、出席拒否という事は、「疑惑」が、「疑惑でない」という事を自ら認めたものと思っている。
 しかし、「国民目線の政治」あるいは、「官僚政治の打破」という民主党の基本命題の実現という点では、小沢氏の存在を無視できないと考えている。

 現実に、仙石・前原・菅体制が、財務官僚の手玉に取られて、アメリカと、財界の利益擁護、官僚主導の消費税率拡大路線の予算編成をしたことでも明らかであろう。

 民主党という「庇」を借りて、「母屋」を乗っ取り、自民党政治に回帰するという手段が、「小沢外し」という事であろう。

 このように見れば、「小沢外し」した民主党には、もはや、国民が求める民主党では無くなって、民主党の顔をした「自民党」にすぎないと言えよう。

 このような点を、朝日新聞や毎日新聞等マスメディア各社が、意図的に報道しないため、国民に混乱を与えていると言えよう。

 マスメディアの政治部記者の資質が問われるというものである。

 ・・・本日は、これまで・・・

2010年12月26日日曜日

日本をダメにしたのは誰か?

日本をダメにしたのは誰か?

 日本をダメにしたのは誰か?を検討するとき、常識的には、日本の上部構造(※)と言われる、主要には、政治、財界、官僚、等によって、体系化された「支配関係」の結果が、その国の状況を規制していることから、この関係がどうかを見れば明らかになると言える。
※ マイペディア・・・社会の経済構造(下部構造)の上に形成される政治的・法律的・宗教的観念や制度の体系,つまり学問,文化や,国家,政党など。社会は下部構造に照応した固有な上部構造をもち,前者の変化とともに後者も変化するが,後者は前者に規定されつつ相対的独立性をもって発展し,前者に反作用を及ぼす
従って、政治家、財界関係者、官僚の姿勢を検討すれば、自ずから、日本をダメにした「者」が明らかになろうというものだ。

戦後、政・財・官は、日本国民とともに、「欧米に追い付き追い越せ」を合言葉に、頑張り通して、「JAPAN AS NO.1」と言われるまで、経済発展を成功させ、政治的にも、大きな力を持つまでに成長した。
しかし、この勢いに恐れをなした欧米諸国は、World War II を想起し、日本の発展を阻止するため、86年、プラザ合意によって、為替制度を、固定相場制から変動相場制に切り替えることを、日本に押し付けて、この勢いを削ぐ施策を強行した。
この、プラザ合意を境に、日本経済は、バブル崩壊にみられるように「失速」、「20年の空白」と言われる経済低迷期を迎えることになる。
財界は、これに対応するため、なりふり構わず、為替相場に見合う「コスト」実現のため、安易に、国内購買力を破壊する、労務コストの切り下げに狂奔し、「労務屋的手法」で、労働組合の弱体化を画策、労働組合の取り込み(連合)によって、企業収益の確保を実現した。
ところが、国内購買力を破壊したため、国内消費が落ち込み、「輸出国」日本として、更に、輸出強化策を行ってきたが、後進諸国の追い上げによって、厳しい状況に追い込まれることとなった。
現在、GDPも、中国に追い越される状況になっているが、これは、プラザ合意に対する対応が、「労務屋」的手法に偏り、「労務コストの切り下げ」に傾斜したため、「付加価値の高い製品より安く生産」するというコンセプトを放棄した結果と言えるであろう。
併せて、労務屋的手法から、良質な労働者が労働組合の強化に転化することを恐れ、教育行政に介入、「多様性のある人材」よりも、「企業に従順な人材」作りを強行させたため、日本国家として必要な「剛健・気力」ある人材が、成長せず、「柔弱・ひ弱」な人材(草食的男子)を生むこととなり、日本の国力を著しく低下させることとなった・

日本の政治家の多くが、この世代の政治家であり、二世・三世と言われる政治家によって、さらに加速させることとなったのは、天下周知の事実であろう。

このような状況を打破しようとした国民の力が、「政権交代」を実現させたのである。

従って、もう、日本国民は、自民党を再度政治の舞台に引き上げることはないと思われる。
さりとて、歴史の教訓は、すんなりと前に進めないことも教えているので、揺り戻しもあると思われるが、確実に、前へ進むことも、歴史は明らかにしている。

ところが、菅政権(仙石・前原・菅)は、この歴史的教訓に学ばず、政権公約を放棄して、財界主体の政治に引き戻そうとしているのである。

「政治と金」問題で、問題があるが、皮肉にも、これに対応して、歴史を前に進めようとしているのが、小沢Grであることが、国民に分かり難く、財界は、朝日新聞や毎日新聞等マスメディアを使って、「財界主導政治」に引き戻そうとしているのである。

菅政権は、歴史の教訓を放棄して、「政権維持」のため、安易に「国民目線の政治」を放棄して、「財界主導政治」に舵を切った。

この路線では、ますます日本経済は、崩壊の道に進むであろう。

経団連の諸君に言っておきたい。
韓国のサムスン等は、「損して、得を取る」作戦で徹底している。
空港や市街地等の広告は、日本のように、マスメディアを使って、「バカな人間作り」よりも、よっぽど効果が大きい。
「廉価な」商品は、昨今の日本でも要求が強いが、後進国では非常に魅力的である。
利益率を減じても、「高価な」商品を、「廉価」で提供すれば、サムスンに十分対応できると言えよう。
要するに、日本の経営者が、「労務屋的発想」を放棄して、「購買力をどう強めるか」という発想に転換して、必要なコスト(宣伝・購買力強化対策費用)は、十分使うという姿勢に変わらない限り、発展はないと言える。

官僚が「悪者」扱いされているが、私は、「みんなの党」にみられるように、一概に「悪者」扱いすることには、疑問を持つ。
しかし、日本国民の多くが、飢餓の状況にあるとき、われ関せずとばかり、高給を追求する姿勢は、問題である。
官僚は、歴史的教訓やノウハウを保持した、日本のデーターバンクそのものであり、このような観点から、官僚の諸君を優遇すべきであるが、一部の高級官僚の「傲慢さ」は、排除すべきであろう。

菅政権は、政権維持のため、このような一部高級官僚の利権を認め、官僚の協力を得ようとしているが、これば、逆に、政権の命を短期化させたと言えよう。

このように見れば、日本をダメにしたのは、誰か?という問題は、明らかになると言えよう。

このような政治家や、経済界に「誤った」理屈を「強弁した」のが、竹中平蔵氏や小泉元首相と言えよう。
この関係では、佐高信氏の発言が、ゲンダイネットに紹介されているが、私も同感である。
ゲンダイネット(20101225日)の内容を一部紹介しておこう。
「・・・・・民主党の対立はバカバカしいの一語だが、評論家の佐高信氏は「小沢氏より前に証人喚問をすべき人物がいるだろう」と言う。
竹中平蔵元総務相ですよ。小沢喚問ですっかり忘れ去られているのが日本振興銀の破綻です。ペイオフ第1号になったが、検査忌避で逮捕された木村剛氏を金融庁の顧問にしたのが竹中氏です。これがあったので、振興銀は早期に銀行認可を得られたのに、竹中氏は責任を問われても知らんぷり。コメントひとつ出そうとしない。そうしたら今年11月、朝日新聞にかんぽの宿の不動産鑑定評価が日本郵政公社の要望で不当に下がった疑惑が報じられた。当時の日本郵政の社長・西川善文氏も、かんぽの宿を安く手に入れたオリックスの宮内義彦会長も竹中人脈に連なるのです」
 振興銀行が認可された背景、そのときの竹中氏の役割、木村氏との関係など、国会がただすべき疑惑は山のようにあるわけだ。佐高信氏は「竹中平蔵こそ証人喚問を」という著書まで書いているが、これを菅も読んだらどうだ。喚問すべきは“身内”で功労者の小沢ではないはずだ。」
というものである。

.日本をダメにしたものは誰かという事は、この一事を見ても明らかである。
経団連のバカな会長が、「出しゃばりすぎて」いるが、自らを反省すべきと言っておこう。

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本日は、12月25日は、私の誕生日、リタイアーして、9年、69歳の誕生日を迎えることとなった。
本日朝、凛利と笑綸が、メッセンジャーで「おめでとう」と言ってきた。
笑綸も、小走りで、歩けるまでに成長していた。
娘も、二人の孫娘、そして、夫君も元気に生活しているので、安心した。

・・・本日は、これまで・・・

2010年12月25日土曜日

「国民目線の予算」放棄・・・経団連会長評価


「国民目線の予算」放棄・・・経団連会長評価


 民主党政権(仙石・前原・菅体制)が、初めて予算を作成したが、内容は、国民が期待したものとは程遠く、官僚主導の財界が評価するものとなったようである。

 その主要な姿勢が、税制にあり、法人税5%減税、国民には増税を押し付けたことにあることで明らかであろう。

 「企業の発展なしには雇用はない」「企業が国外に逃げるし、富裕層が海外に逃げる」というような竹中平蔵氏等の主張に、菅政権が騙されたものだが、先般も記述したように、民主党のマニフェストを投げ出して、「変節」した姿をさらけ出したと言えよう。

 このままでは、国民が可哀そうである。

 小沢問題で、「政治と金」問題かのように装っているが、残念ながら、民主党の「マニフェスト」の放棄を民主党に迫っているものと言えよう。

 今サタズバで、小沢氏を排除するかどうかというような議論がされているが、これは、コメンテーターの程度の低さが影響していると言えよう。

 国民生活を守るためには、菅政権をやめさせる以外にないと言っておこう。

 ・・・本日は、これまで・・・

2010年12月24日金曜日

クリントン国務相が、前原外務大臣に宿題、韓国軍機を受け入れよ(集団的自衛権の行使を行え)!


クリントン国務相が、前原外務大臣に宿題

韓国軍機を受け入れよ(集団的自衛権の行使を行え)!
との強い要求


 先般、菅首相が、拉致被害者の会との懇談で、「有事の際のら唎被害者救出のため、自衛隊機を使う」と発言し、物議を醸していたが、どうも、菅首相の「個人見解でなく、別件の在韓米人救出のため、アメリカからの強い要請があり、これに便乗した発言」であることが明らかになった。

 21日付のゲンダイネットに以下の記事が掲載されているが、深く分析する必要性がありそうなので、全文を紹介しておきたい。

 前原 クリントンに突きつけられていた難題
【政治・経済】
20101221日 掲載 ゲンダイネット
「韓国軍に日本の基地使わせろ」
米国人の救出が目的?
 韓国軍が20日、延坪島で射撃訓練を強行し、朝鮮半島の緊張が再び高まっている。いまのところ、訓練実施なら「第2、第3の自衛的打撃を加える」と警告してきた北朝鮮は静観。先月のような衝突は起きていないが、半島炎上の危険性は回避されていない。そんなドサクサに紛れて、
米国が日本に無理難題を突き付けていたことが明らかになった
「2週間前の
日米外相会談で、クリントン国務長官が前原外相に、朝鮮半島有事の際は、韓国軍も在日米軍基地を自由に使えるのが望ましいと切り出していたのです。基地の使用制限を取り払えという脅しです。さらに、集団的自衛権の行使を禁じている日本の憲法が、米軍の作戦の足かせにならないよう求めたと聞いています」(米政府事情通)
 軍事ジャーナリストの
田岡俊次氏は「韓国軍には、当然、日米安保条約が適用されないし、国連軍の一部でもないから、日本国内にある基地は使用できない」と断言する。それでも、米国はお構いなしだ。
「米国は
韓国軍の輸送機を使った在韓米国人救出を想定していると考えられます。これだけなら日本の基地も人道支援を理由に受け入れられるでしょうが、帰りの輸送機はカラッポで飛びません。武器弾薬や燃料、食料を持ち帰ることになる。それが日本の法律に引っかかるのなら、いまのうちに調整しておけということです。戦争が激化すれば、在韓基地は使えなくなる。韓国軍の戦闘機を一時避難させる場所としても使いたいのでしょう」(事情通)
 韓国から戦闘機まで飛んでくるようになれば、
日本は確実に戦争に巻き込まれる。ノドンやテポドンがぶっ放されれば、ひとたまりもない。基地がある都市だけではなく、東京や大阪も、破れかぶれの攻撃を受けて火の海になる危険性があるのだ。
「菅政権には韓国にいる日本人を救出するシナリオもありません。自衛隊の派遣を協議すると言ってみたもののあっさり韓国側に否定されてお手上げです。そんな状態で
米国人の救出には協力するのなら、だれのための政府なのか分からなくなります」(軍事ジャーナリスト・世良光弘氏
 有事が起きないよう祈るしかない。

 アメリカは、このほかにも、ISR(情報・監視・偵察)強化のため、P3Cの運用強化や潜水艦の増強を要求しており(潜水艦については、16隻から22隻に増強予算済み)、
前原外相が、これらの回答と、在韓米人救出や基地使用の可否や沖縄基地問題の現状について回答・報告をするため、一月中旬に訪米する模様である。
   P3C・・対潜哨戒機
 私は、常々、経済問題で、アメリカは「エイリアン」と比喩することが多いいが、今回のゲンダイネットの、在韓米人救出一辺倒の暴露は、軍事的にも、日本の安全保障という観点からも、「エイリアン」と言ってもよいのではと思う次第である。

 要するに、アメリカは、アメリカの利害以外に、日本のことなど一顧にしないという姿があきらかになっているのでは?
 
このような状況にも拘らず、アメリカ一辺倒の菅政権、とりわけ、アメリカのエージェント的な前原外相の姿勢は、問題であり、このような姿勢を転換させて、「日本の自立」の政治を目指すべきであろう。

 断っておくが、私は、「反米」を主張するものではない。

 アメリカに、西部劇に出現する「アウトロー」的な姿勢を変えるべきだと主張していることを理解してほしいものである。

 この問題、朝日新聞や毎日新聞等マスメディア各社も情報をつかんでいると思われるが、何故か、報道していないが、疑問を感じる次第である。

 ・・・本日は、これまで・・・