「努力したものが報われる」という「妄言」の自民党石原幹事長
現実を見る目のない政治家では、日本の将来はない。
最近、政治家の言動で、疑問を感じる発言が多いい。
本日のNHKの討論会で、自民党石原幹事長が、極めて聞こえのよいことを言っていた。
「努力したものが報われる」?という発言である。
これは、どのような政治体制(自由主義あるいは社会主義)にあっても「当然なこと」であるが、日本の現状を見るとき、「妄言にすぎない」ことを理解できないのであろうか?
現実を見るがよい。
高校、大学を卒業しても、半数の若者が、就職そのものに「ありつけない」のである。
このような若者が、「どこ」で「努力」するのであろうか?
親の「七光り」で、大学を卒業し、親の「名声」や「コネ」のもとに、「努力なし」に、社会へ出て、政治家になった、石原氏には、理解できないであろう。
努力しようにも、努力する場所が与えられないのである。
「努力する場所」を、「奪っている」のは、誰であろうか?
石原氏が所属する自民党そのものではないのか?
これまで、日本国民に多大な借金を押し付けた自民党政治そのものであり、これを支えてきた経団連等、財界の後押しによるものと言ってよいだろう。
この、財界そのものが、「技術革新」等をサボって、「努力することなし」に、リストラ、あるいは、リエンジニアリングと称して、「就業の場」を消失させた結果ではないのか?
その結果、日本経済はどうなったのか考えてみるがよい。
OECD加盟国の中で、日本のほとんどの指標が、最低ランクに位置付けられていることは、石原氏も知っているであろう。
半面、これらの企業は、内部留保として、国家予算の数年分を蓄積しているが、まさに、「企業栄えて、国滅ぶ」状況を作り上げてきたと言ってよいだろう。
しかも、こういう状況にもかかわらず、自ら「努力を放棄」して、「消費税」に依存して「生き残り」を策動する企業には、未来がないのではないか?
「消費税大国」ともいえる、10~20%の消費税を取っている海外諸国は、果たして、経済不況を「脱しているのか」等ことを考えれば、そうではなく、同じように、世界不況下の中に存在していると言えよう。
「消費税増率」は、箱モノ行政への回帰、財政悪化の「根源」と言えよう。
「悪貨は良貨を駆逐する」という、グレシャムの提言があるが、「正常な税制」や「雇用関係」を破壊して、「悪貨」ともいえる「消費税の増額」や「雇用流動化」しても、事態は、悪化するだけであろう。
日本の税制も様々に変遷してきたが、戦後のシャープ税制に立ち戻れとは言わないが、少なくとも、「応税能力」主義に立ち返るべきであろう。
併せて、「応税能力」のある企業が、「税金」の代わりに、「雇用」を増やせば、「企業の代わりに」労働者が「税金」を払うことになることから、「国家財政」を安定化させることとなろう。
アメリカやイギリス、EU諸国の相対的政治力の低下により、BRICsと言われる諸国が台頭し、20世紀中頃の事態の再燃が危惧される状況になっているが、このような中で、日本が安定的に存在を図るとすれば、いわゆる「国力」を保持する以外に方法はないと思われる。
「人は城」と言われるように、「国民」の生活水準を上げ、「国民」のモチベーションを挙げない限り、国も企業も、存続はあり得ないと言えよう。
このような視点から、検討すれば、冒頭の石原氏の主張が「妄言」にすぎないことが理解できよう。
自民党も、民主党も、「消費税増税」にこだわっているが、安易な方法を選択するのではなく、基本に立ち直るべきであるという事は、本日の毎日新聞の世論調査で、「消費税を上げるべきでない」という人が、50%を超えているという結果を見てもわかるであろう。
朝日新聞や毎日新聞等、マスメディアの関係者が、「真の改革」の方向付けの先頭に立っていただきたいと思うし、民主党菅政権や自民党等政治家の皆さん方も、「消費税増税」でなく、「応能主義」に基づいた「税制改革」の姿勢を貫いてほしいものである。
併せて、公明党の諸君や日本共産党、社民党、国民新党の皆さんも、このような観点から奮闘してほしいものである
・・・本日は、これまで・・・
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