2015年12月25日金曜日

高浜原発再稼働認める、福井地裁 ※普天間基地移設巡り 沖縄県がきょうにも国を提訴へ ※野党統一候補 協議の場を 参院選県区長野 「市民の会」が提案 ※旧日本軍関係者が語る南京大虐殺

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高浜原発再稼働認める、福井地裁 関電、25日燃料装填開始

普天間基地移設巡り 沖縄県がきょうにも国を提訴へ

野党統一候補 協議の場を 参院選県区長野 「市民の会」が提案

旧日本軍関係者が語る南京大虐殺 恥ずかしい安倍政権の反発

消費増税の凍結と科学研究予算の倍増=若田部昌澄氏



福井地裁が、高浜原発の再稼働を認める判決を出した。

全く不当な判決と言っておきたい。

MOX燃料を主体としたプルサーマル原発のため、一旦事故あれば、福島第一と同じような被害を蒙ることとなる。

おそらく、政府や東電による圧力に屈したものと思われるが、司法が、行政に屈するような裁判官は、問題だと指摘しておきたい。

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REUTERSに、「消費増税の凍結と科学研究予算の倍増=若田部昌澄氏」と言う記事と、「視点:対中を越えて、アジアが求む日本の構想力=寺島実郎氏」と言う、説得力ある記事が掲載されていたので、長文だが、全文記録しておく。

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南京大虐殺問題で、軍部当事者の記録を赤旗新聞が報道している。

安倍政権が否定しようとしているが、歴史はこれを隠ぺいさせないであろう。

私の戦争に対する記憶は、呉軍港や江田島が空爆されていた記憶しかなく、探照灯や、錫箔の乱舞を見て、綺麗だなと言う記憶と、防空壕前で人が死んでいた記憶しかない。

しかし、八幡製鉄所で働いていて、帰還兵の「自慢話」を聞いて、中国・朝鮮の人たちが大変な目にあっていたと言う事は強く記憶に残っている

女性たちが特に残忍な目にあっていたことは、事実と言える

記述するのをはばかるが、「俺は何十人やった(レイプした)」とか、「股間に棒を差し込んでやった」、等々、大変酷いものであった。

常識ある帰還兵は、自らを恥じて、「口に出さない人」が多かったと思われる。

これらから、南京事件は、まだ激しかったのではないかと思っている。

戦争を知らない、自民党の政調会長共が、如何に否定しようとも、歴史の事実は変わらない。

こんな歴史を知らない政治家は、辞めてもらうしか方法はなかろう。

以上、雑感。



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高浜原発再稼働認める、福井地裁 関電、25日燃料装填開始

2015年12月24日 14時17分 共同通信 http://this.kiji.is/52626104129814535?c=39546741839462401 画像
福井地裁の決定に対し抗議の垂れ幕を掲げる弁護士ら=24日午後
画像
 関西電力大飯原発の(手前から)3号機、4号機=福井県おおい町 福井地裁(林潤裁判長)は24日、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働を差し止めた4月の仮処分決定を取り消した
審査合格を認めた原子力規制委員会の判断に不合理な点はなく「周辺住民の人格権が侵害される具体的な危険性はない」と認定。仮処分の効力は消え、2基は再稼働できる。住民側は年内にも名古屋高裁金沢支部に抗告する。
 関電は25日から3号機の原子炉にプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料24体を含む157体の燃料集合体の装填を始め、来年1月下旬の再稼働を目指す。 プルサーマル発電を東京電力福島第1原発事故後、全国で初めて開始する

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規制委 審査検討過程の文書作らず 柏崎原発 透明性確保に課題

2015年12月25日【金曜】 新潟日報
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20151224225252.html#
東京電力柏崎刈羽原発の集中審査に関する内部文書を「現在保有していない」と回答した原子力規制委員会の文書  東京電力柏崎刈羽原発の集中審査に関する内部文書を「現在保有していない」と回答した原子力規制委員会の文書  原子力規制委員会が今年8月に東京電力柏崎刈羽原発6、7号機を集中的に審査する対象に決めた際、内部で検討した文書を作成していなかったことが23日、新潟日報社が行った情報公開請求で分かった。集中審査の対象になれば、他原発より早く再稼働の前提となる「合格」を得られる可能性が高まる。その重要な選定過程が第三者によって検証できない状態になっている。
 規制委の内規や公文書管理法では意思決定過程を検証できるよう文書を作成し、保管することを義務づけている
規制委の活動原則でも「意思決定のプロセスを含め、規制にかかわる情報の開示を徹底する」ことを掲げている。しかし、原発審査という根幹部分で透明性が確保されていない実態が浮かび上がった
 新潟日報社は柏崎刈羽原発が集中審査対象に選ばれた経緯を探るために、規制委に対し、公開されている審査の資料などを除いた関係文書を開示するよう情報公開請求した。これに対し、規制委は「該当する文書は取得も作成もしておらず、現在保有していない」と回答した。
 規制委は当初、沸騰水型軽水炉の設備面の審査を、柏崎刈羽のほか、東北電力女川(宮城県)、中部電力浜岡(静岡県)、中国電力島根(島根県)の各原発と横並びで実施。だが、7月1日の定例会合で更田豊志委員長代理から提案があり、一つの原発に絞る集中審査に移行する方針に変わった。
 8月の審査会合では更田氏が柏崎刈羽原発を対象にすると各事業者に伝えた。更田氏は選定理由について、他原発より新しいタイプの原子炉であることを挙げたが、なぜ原子炉のタイプで選んだのかの説明はなかった
 内部文書が存在しないことについて規制委事務局の原子力規制庁法務室は「経緯を含めて公開している委員会会合での議論が全てだ。内部で業務上のやりとりはあったとは思うが、公文書管理法上、文書を残すようなものではない」と話している。
 これに対し、内閣府公文書管理委員会の委員を務める弁護士の三宅弘・日弁連副会長は「原子力政策の記録はほかの分野より一層きっちり残さなければいけない。規制委は、意思形成過程まで文書を残すよう定める公文書管理法の趣旨を理解していない」と批判している。
■公文書管理法と行政文書管理規則
 公文書管理法は年金記録不備問題などを受け、2011年に施行された。公文書の作成基準や保存期間などの統一的なルールを定めており、これに基づき各府省は内規である文書管理規則を設ける。同法や規制委の行政文書管理規則では、意思決定に至る過程や事業の実績などを、合理的に検証することができるような文書を作成するよう求めている。ただし、事案が軽微なものに限り、文書作成の対象外にしている。

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核燃料運搬船「開栄丸」の使用終了へ 無駄との指摘受け

2015年12月24日19時55分 朝日新聞
高速増殖原型炉もんじゅなどの使用済み核燃料を運ぶ運搬船「開栄丸」がほとんど使われていない実態が批判されていたことを受けて、文部科学省は24日、開栄丸の使用を終了し、建造や維持を委託している民間企業との契約を解消する方針を明らかにした。
 文科省所管の日本原子力研究開発機構が、「原燃輸送」という会社と委託契約を結んでいる。開栄丸は2006年に建造されたが、これまでの輸送実績は4回だけ。にもかかわらず年12億円の維持費がかかっていた。11月にあった政府の行政事業レビューでは「契約の打ち切りを含めて早急に改めるべきだ」と無駄を指摘され、維持費の削減策が検討されてきた。
 文科省によると、契約期間の31年度まで使用を続けると、分割払いの建造費の残りを含めて今後169億円の負担が生じるが、使用を停止すると最大37億円に減る。この負担も減らすため、契約の解消のあり方については原燃輸送側と交渉を続けるという。24日に閣議決定された来年度予算案では、使用終了を前提に必要最低限の維持費として6億円が計上された。
馳浩文部科学相は会見で「行政事業レビューの指摘を踏まえ適切に見直した」と述べた。(須藤大輔)

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ロ印首脳、戦略関係を強化 兵器、原子力で一致

2015年12月25日 01時43分 東京新聞 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015122401002042.html  【モスクワ共同】ロシアのプーチン大統領は24日、モスクワでインドのモディ首相と会談、兵器取引や原子力などを柱とする戦略的関係の強化や、先端兵器の共同開発・生産を進める方針で一致した。ロシアはウクライナ情勢をめぐる欧米との対立を背景に、中国、インドとの関係を軸に国際関係や対外経済の多角化を進める姿勢をさらに鮮明に打ち出した。  プーチン氏はまた、今後20年間にインドで12基のロシア製原子炉を建設することで合意したと発表した。  プーチン氏は会談冒頭、兵器の最大の輸出先であるインドを「特別な戦略的パートナー」と位置付け、モディ氏の訪ロを高く評価した。 2015122401002046[1]  24日、モスクワのクレムリンで会談するロシアのプーチン大統領(右)とインドのモディ首相(AP=共同

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焦点:東芝子会社がインド原発受注へ、中ロ躍進で先行き懸念も

ロイター Business | 2015年 12月 24日 20:06 JST ロイター http://jp.reuters.com/article/toshiba-westinghouse-india-idJPKBN0U70T220151224   焦点:東芝子会社がインド原発受注へ、中ロ躍進で先行き懸念も
© REUTERS 焦点:東芝子会社がインド原発受注へ、中ロ躍進で先行き懸念も
[東京 24日 ロイター] - 東芝(6502.T)傘下の原子力事業子会社、米ウエスチングハウス・エレクトリック(WH)がインドで原子炉6基を受注する可能性が高まっている。不正会計問題に揺れる東芝にとっては久々に明るい話題となるが、市場環境が変化する中で、原発事業の霧が晴れたわけではない。 <インド受注ほぼ確実か> 東芝は11月、2014年度━2029年度の15年間で、原発の新規建設64基の受注を目指す計画を公表した。このうちインドでは6━12基の受注を目指していたが、インド政府高官はロイターに対して、ウエスチングハウスに6基を発注する可能性を示唆した。 インドをめぐっては、ウエスチングハウスのダニエル・ロデリック社長もロイターとのインタビューで受注に自信を示していた。双方の前向きなコメントが揃ったことで、契約はほぼ確実になったとみてよさそうだ。 東芝によると、1基あたりの受注額は、設計から建設まですべて請け負うEPC契約の場合、約20億ドル(約2400億円)にのぼる。6基ともEPC契約とは限らないため、受注総額は単純に6倍となるわけではないが、仮に受注できれば巨額な契約になることは間違いない。 原子炉メーカーのインド進出をめぐっては、原発事故が起こった際にメーカーにも賠償責任を負わせる原子力損害賠償法の存在がネックとなっていたが、先のインド政府高官によると、インドは数週間以内に原子力損害の補完的な補償に関する条約(CSC)を批准する見通しで、最後のハードルも越えたようだ。 CSCは署名国に対し、原子力事故の賠償責任を事業者のみに集中させ、補償基金へのアクセスを認める。 <立ちはだかる中ロの原発事業> インドの受注可能性が高まったことで、東芝にとっては目先は追い風となるが、長い目で見ると原発事業にはやはり不確実性が残る。ロシアと中国の台頭で、業界地図が塗り替わる可能性があるためだ。 アジアでエネルギー関連のコンサルティングなどを手掛けるテピア総合研究所の窪田秀雄主席研究員は「いま世界の原子力市場で、一番実績をあげているのはロシアで、これからロシアの競争相手になるとみられているのが中国だ。ロシアと中国が市場を席巻するのではないか」と指摘。その上で、向こう15年間で64基の目標について「非常に難しい」との見方を示した。 中国は他国の技術を取り込みながら低価格を武器に原発の輸出を強化しており、ロシアも価格で優位に立っているという。先進国が原発の建設に慎重になる中で、成長が見込める新興国でのビジネスは「価格」が大きな武器となる。両国がウエスチングハウスの前に立ちはだかってもおかしくない。 中国国内でのビジネスにも不安要素がある。ロデリック社長は自信のある受注先として中国30基、インド6━12基、英国3基、ブラジル6基などを挙げるが、米ゼネラル・エレクトリック(GE)(GE.N)と組んで原子力ビジネスを手掛ける日立製作所(6501.T)は中国は政治的に不透明であることを理由に、同国での受注を計画に織り込んでいない。 中国はウエスチングハウスの加圧水型原子炉「AP1000」をベースに独自規格の原子炉を開発した。窪田氏は「よほどの途上国でない限り、自分のところでつくりたいのではないか。技術だけもらって、最初の数基は完全に輸入するが、それ以降については国内産業の育成も考えていると思う」と話す。 市場環境の変化だけでなく、同社の資金繰りも気がかりだ。東芝は仏エネルギー大手エンジー(旧GDFスエズ)(ENGIE.PA)との合弁会社を通じて計画している英原発プロジェクトの資金調達をめぐり、生損保など日本の機関投資家に出資などを打診していることがロイターの取材で明らかになっている。日立製作所のある幹部は「いま原発ビジネスはファイナンスとセットではないと、なかなか難しい」と打ち明ける。 財務状況が悪化するなか格付けも下がっており、東芝の資金調達環境は厳しさを増している。業界では、英原発プロジェクトも自社で負担すべき資金の肩代わり先を探る動きに出たとの見方も出ており、不透明感をぬぐえない。 (山崎牧子、志田義寧 協力:浜田健太郎)

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普天間基地移設巡り 沖縄県がきょうにも国を提訴へ

12月25日 4時54分 NHK

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151225/k10010352361000.html

アメリカ軍普天間基地の移設計画を巡り、沖縄県の翁長知事は、名護市辺野古で進められている移設工事を早急に止めるため、25日にも国を相手に裁判を起こす方針です。移設計画を巡り、国と沖縄県が互いに相手を訴える異例の事態となります。 アメリカ軍普天間基地の移設計画を巡っては、沖縄県の翁長知事が名護市辺野古沖の埋め立て承認を取り消したのに対して、国土交通省は沖縄防衛局の申し立てを認めて取り消しを一時停止し、移設工事が進められています。
翁長知事は国土交通省の決定を不服とし、工事を早急に止めるには、国を相手に裁判を起こす必要があるとして、県議会の議決を得るとともに弁護士らと検討を進めてきました。その結果、準備が整ったとして、国土交通省の決定の取り消しを求める訴えを、25日にも那覇地方裁判所に起こす方針を固めました。また、裁判が行われる間、工事を中断させる申し立てもあわせて行うことにしています。
普天間基地の移設計画を巡っては、埋め立て承認の取り消しを放置すれば著しく公益を害するなどとして、国が知事に代わって埋め立て承認の取り消しを撤回する「代執行」を求め、裁判を起こしていて、国と沖縄県が互いに相手を訴える異例の事態になります。

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沖縄県の申し出を却下 辺野古移設問題で係争委

(2015/12/25 00:59カテゴリー:政治) 福島民報 http://www.minpo.jp/globalnews/detail/2015122401002029  米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設問題で、第三者機関の国地方係争処理委員会の小早川光郎委員長は25日未明、沖縄県の翁長雄志知事からの審査申し出を却下すると明らかにした。東京・霞が関の総務省内で開いた第3回会合後の記者会見で説明した。  翁長知事は、石井啓一国土交通相が行政不服審査制度に基づき、名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消しの効力を停止したのは違法だとして、11月に審査を申し出た。係争処理委は同月の初会合後、国交相の決定の適否に関し、双方から文書で主張を聞いていた。

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野党統一候補 協議の場を 参院選県区長野 「市民の会」が提案
12月24日(木) 信濃毎日新聞
http://www.shinmai.co.jp/news/20151224/KT151223ATI090004000.php
参院選の野党統一候補擁立の必要性などを訴える松本氏(左から3人目)ら市民の会の呼び掛け人=23日、長野市  来年夏の参院選県区(改選定数1)で、安全保障関連法に反対する野党統一候補の擁立を目指す市民団体「2016信州市民の会」は23日、長野市内で記者会見し、会の設立趣旨などを説明した。年内をめどに、民主、共産、維新、社民各党の県内組織に対し、野党と同会などが共同で統一候補選定を協議する場の設置を提案するとした。
 市民の会は県内の文化人や経済人ら11人で22日に発足した。会見には、戦没画学生慰霊美術館「無言館」(上田市)館主の窪島誠一郎氏、映画コラムニスト合木こずえ氏、八十二銀行(長野市)元頭取の茅野実氏、信州大法科大学院特任教授の又坂常人氏、安曇野ちひろ美術館(北安曇郡松川村)常任顧問の松本猛氏、善光寺白蓮坊住職の若麻績敏隆氏の6人が出席した。
 出席者は「本来なら政治と芸術が近づくのはタブーだが、平和だからこそ自己表現の自由がある」(窪島氏)、「秘密保護法に始まり、戦争につながることが政府の手で行われている」(茅野氏)などと発言した。
 同会世話人の松本氏は「全国の1人区で安保法に反対する人が多数を占めなければ、日本が大きく変わってしまう」と主張。もう1人の世話人の又坂氏は「参院選で与党が多数を占める結果になれば、憲法改正の話が出てきかねない」とし、候補擁立は「野党と市民が共同で進めることが重要」と述べた
 同会は、民主、社民両党県連が18日に設置することで合意した、市民グループも交えて連携を話し合う「共同のテーブル」への参加も視野に置いている。野党との協議の場が実現した場合、安保法反対を訴える他の市民団体の参加も募るとした。

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旧日本軍関係者が語る南京大虐殺 恥ずかしい安倍政権の反発

2015年12月13日(日)  しんぶん赤旗
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-12-13/2015121307_01_0.html
 ユネスコが「世界記憶遺産」として中国申請の資料を登録した(10月10日)ことで、話題となった日本軍による南京大虐殺事件(南京事件)。1937年12月13日の南京入城を前後し、南京攻略戦と占領時に日本軍がおこなった戦時国際法・国際人道法に反する、中国の軍民への不法残虐行為です。日本軍関係者の資料を中心に南京大虐殺を見てみます。(若林明)

地図  安倍晋三首相は記憶遺産への登録に、「遺憾」を表明しました。菅義偉官房長官は、登録を不満としてユネスコへの拠出金停止や減額を検討するといい、馳浩文部科学相が記憶遺産制度の「改善」を求めました。  日本政府が10月のユネスコ会合に同行させた高橋史朗明星大学教授は「『南京大虐殺』の歴史捏造(ねつぞう)を正す国民会議」の呼びかけ人の一人です。同会の「声明文及び要請文」(10月23日)は、記憶遺産登録について「歪(ゆが)められ捏造された歴史『事実』を登録承認したことに、強い憤りと危機感を抱く」と、「南京事件否定論」を述べています。  しかし、南京大虐殺は、「捏造」どころか、学問上も、国際的にもみとめられた歴史上の事実です。
中国戦線の岡村大将/“市民に暴行は事実”
 旧日本軍の岡村寧次(やすじ)は、1932年に上海派遣軍参謀副長に着任以後、支那派遣軍総司令官として終戦を迎えるまで、中国戦線を指揮した中心的な軍人です。岡村は、戦後、防衛庁(当時)の戦史室に依頼されて「戦場体験記録」をまとめています。(『岡村寧次大将資料 上巻―戦場回想編―』として刊行)  岡村は南京事件の直後に、南京攻略戦に参加した第6師団や第9師団を含む第11軍を率いて、漢口攻略戦を指揮します。司令官着任直後(38年9月)に、「南京攻略戦では大暴行が行われたとの噂(うわさ)を聞き、それら前科のある部隊を率いて武漢攻略に任ずる」上での必要性から、「南京事件」について将校らに聞き取りを行いました。  その結果について「一、南京攻略時、数万の市民に対する掠奪強姦等の大暴行があったことは事実である。一、第一線部隊は給養困難を名として俘虜(ふりょ)(捕虜)を殺してしまう弊がある。一、上海には相当多数の俘虜を収容しているがその待遇は不良である。一、最近捕虜となったある敵将校は、われらは日本軍に捕えられれば殺され、退却すれば督戦者に殺されるから、ただ頑強に抵抗するだけであるといったという」とまとめています。  岡村は南京での日本軍の性的暴行や捕虜虐殺を確認したのです。岡村は「戦場体験記録」に「南京事件の轍を覆(ふ)まないための配慮」「軍、風紀所見」を記しています。  日本陸軍の中枢にいた人物が、当時から「南京大虐殺」を事実として認めていたことは明らかです。
旧陸軍将校の親睦団体/“非はわれわれの側に”
 旧陸軍将校と元自衛隊幹部の親睦団体「偕行(かいこう)社」は、機関誌『偕行』に「証言による『南京戦史』」を連載します。(1984年4月号~85年3月号)  「多くの敗残兵を捕えたが、“ヤッテシマエ”と襲いかかるケースが多かった。城内掃蕩(そうとう)中でも、獅子山付近で百四・五十名の敗残兵を見つけたが、襲いかかって殺した」(島田勝巳第二機関銃中隊長の遺稿)、「大勢のなかには刺殺、斬首などの真似をした 馬鹿者も居りました」「入城後数日、下関(シャーカン)で毎日、捕虜が処分されているという噂を聞き、又実際にその光景を見ました。…一人ずつ歩かせて桟橋の端に来た時、突き落として小銃で射殺していました」(石松正敏第二野戦高射砲兵司令部副官の述懐)など戦場にいた兵士から証言が寄せられています。  『偕行』(83年11月号)は、「いわゆる『南京事件』に関する情報提供のお願い」という読者に投稿を呼びかける記事を掲載しました。よびかけの目的は、「虚妄の批難に対し、具体的な反証する手だてがないのが現状であり、『南京大虐殺』などという茫漠(ぼうばく)たる表現をもって一括され、20万、30万という膨大な数が日本軍の暴虐のあかしとしてまかり通っている」ことへの反論だとしています。  ところが、集められた証言は、先に引用したように、「大虐殺」を認めるものが少なくなかったのです  連載の最終回(1985年3月号)で『偕行』編集部の執筆責任者の加登川幸太郎氏は「(死者数の)膨大な数字を前にして暗然たらざるを得ない…この大量の不法処理には弁解の言葉はない」と虐殺の事実を認めざるを得ませんでした。 加登川氏は「中国人民に深く詫びるしかない。まことに相すまぬ、むごいことであった」「特に被害者である中国の人びとが、日本軍の非行を何と告発、非難されようが、非はわれわれの側にある。これは何とも致し方がない」と述べています。  なぜ大虐殺が起こったのか。日本軍の中国侵略を研究する伊香俊哉都留文科大学教授は「南京占領戦は基本的に旅団長や師団長から、捕虜をとらないという方針が出ていました。大量の中国軍を降伏させてもどう扱うかきちんとしていなかった。それが虐殺につながった。さらに中国軍、中国人に対する日本側の蔑視がありました。中国人捕虜なら殺しても問題にならないという感覚があった」と指摘します。  南京大虐殺の犠牲者数で、現在の学問研究で有力な説は「十数万以上、それも二〇万人近いかあるいはそれ以上の中国軍民が犠牲になった」(笠原十九司『南京事件』)です。ただしこれは、現在の資料の発見状況からの推定です。日本軍は連合国の追及を恐れて、敗戦前後に、多くの資料を焼却しました。陣中日誌などの資料が公開されているのは、全部隊の3分の1程度だといわれています。  情報統制によって国民には知らされていなかった南京事件は外務省の官僚や、「陸軍大学の学生」まで多くの軍関係者は知っていました。さらに、海外のジャーナリストや外交官によって世界に発信されました。戦後、連合国は南京事件を重視します。日本の戦争責任を裁いた極東軍事裁判(東京裁判)で南京戦の司令官の松井石根(いわね)大将は死刑になりました。  笠原十九司都留文科大学名誉教授は「南京事件は負の遺産として、日本だけでなく人類的に見て教訓にすべきです。なぜ、あんな残虐な事件が起こったのかを記憶としてとどめておくべきでしょう。記憶遺産登録に反発するのは、否定論に立っているということを国際的にしめすことになり、恥ずかしいことです」と指摘します。

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視点:消費増税の凍結と科学研究予算の倍増=若田部昌澄氏

2015年 12月 21日 15:09 JST REUTERS
http://jp.reuters.com/article/view-masazumiwakatabe-idJPKBN0U30AN20151221?sp=true
若田部昌澄 若田部昌澄早稲田大学教授  12月21日、早稲田大学の若田部昌澄教授は、2016年の日本に必要な決断を3つ挙げるとすれば、消費増税の凍結と科学研究予算の倍増、そして政府の名目国内総生産(GDP)600兆円目標と合致する金融政策運営だと指摘。提供写真(2015年 ロイター) [東京 21日] - 2016年の日本に必要な決断を3つ挙げるとすれば、消費増税の凍結と科学研究予算の倍増、そして政府の名目国内総生産(GDP)600兆円目標と合致する金融政策運営だと、早稲田大学の若田部昌澄教授は指摘する。 同氏の見解は以下の通り。 消費増税の凍結と財政再建戦略見直しが必要> 2017年4月に、消費税の再増税(8%から10%への税率引き上げ)が予定されている。これを回避するためには、16年10月までには決断が必要となる。 14年4月の増税後、経済の回復はまだまだ弱く、17年の再増税は日本経済に大きな打撃を与えるだろう。増税にこだわるあまり経済再生を腰折れさせるようでは元も子もない。増税の暁には首相が唱える20年までに名目国内総生産(GDP)600兆円を目指すという宣言は画餅に帰すだろう。 増税は国際公約ではなく、実際に15年10月の増税は回避された。その後、長期金利はさらに低下し、国債の信用リスクを示すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドも低位安定している。一部のエコノミストが予測したような、消費税先送りによる株価の下落も起きなかった。 なお、一部の財政学者は経済停滞の理由を人手不足などの供給制約に求めているが、現状で失業率は下がり続けていながら名目賃金の急上昇は実現していない。需給ギャップが存在することからも日本経済の問題が需要不足であるのは明らかだ。 増税の凍結に合わせて、財政再建戦略を見直し、本当に信頼するに足る戦略を策定することが必要である 第1に、何よりも必要なのは、増税のみによる財政再建は不可能であることを率直に認め、経済成長を優先する財政再建戦略に切り替えることだろう。名目GDP600兆円を目指すという首相の掲げた目標はその中心になり得る。 第2に、補正予算から本予算にかけて、緊縮的ではない予算措置が必要だ。無駄は許容してはいけないが、緊縮では財政再建はできない。 第3に、消費税を社会保障目的税とすることをやめるべきだ。逆進性の強い消費税は、そもそも社会保障の財源としてなじまない。社会保障費が消費税増税の人質となっている現状をやめるべきだ。そのためには社会保障と税の一体改革に関して野田民主党政権当時の12年6月に交わされた民主、自民、公明の「3党合意」の破棄が必要だろう。 <ノーベル賞連続受賞でも安心は禁物、科学研究予算の倍増検討を 15年もノーベル賞受賞者を輩出して、日本の科学界の水準の高さが示された。しかし、これで安心してはいけない。いってみればノーベル賞は過去の栄光をバックミラーでみているようなもので、今後については暗雲が立ち込めているからだ 研究に必要なのはお金と自由な思索にふける時間。お金については国の研究予算が減少している。また、04年の国立大学の独立行政法人化で、研究者にとって貴重な思索にふける時間も減っている この問題については、豊田長康氏(鈴鹿医療科学大学学長)の研究報告書が詳しい(「運営費交付金削減による国立大学への影響・評価に関する研究 ~国際学術論文データベースによる論文数分析を中心として~」)。 これは渾身の力作というべきで、「日本の研究力(学術論文)の国際競争力は質・量ともに低下した」こと、「学術分野の違いにより論文数の動態は異なるが、国際競争力の高かった分野ほど論文数が大きく減少した」こと、そしてその要因として、 1)「高等教育機関への公的研究資金が先進国中最も少なく、かつ増加していないこと」、 2)「高等教育機関のFTE(注:フルタイムの研究時間数で測った)研究従事者数が先進国中最も少なく、かつ増加していない」こと、 3)「博士課程修了者数が先進国中最も少なく、増加していない」こと、 4)「論文数に反映され難い政府研究機関への公的研究資金の注入比率が高く、大学研究費の施設・設備費比率が高い」ことなどが指摘されている。 豊田氏は、日本のピーク時を取り戻すには、「各大学の基盤的研究資金、FTE研究者数(研究者の頭数×研究時間)、および幅広く配分される研究資金(狭義)」を現状から25%増加韓国に追いつくには50%増、主要7カ国(G7)諸国や台湾に追いつくには倍増する必要があると指摘している。 もっとも、科学研究費で幅広く配分される「基盤研究(C)、挑戦的萌芽研究、若手研究(B)」の研究資金は、15年度予算で323億円。倍増しても646億円である。折しも、政府の総合科学技術・イノベーション会議専門調査会は15年12月10日、「第5期科学技術基本計画」の最終答申案において、政府の研究開発予算を国内総生産(GDP)の1%程度を5年間続ける26兆円の構想を示した。成長戦略を言うならば、政府は本気で科学技術振興にテコ入れすることが望ましい <名目GDP600兆円達成と整合的な金融政策運営> 政府の目標と日銀の物価上昇率目標は整合的に運営される必要がある。現時点で、日銀は2%の物価上昇率を目指しているものの、その到達時期は16年の後半にずれ込んでいる。 第1に、日銀は目標値が生鮮食品とエネルギーを除く総合指数(日銀版コアコアCPI)なのか、食料(酒類を除く)とエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI)なのか、それとも生鮮食品を除く総合指数(コアCPI)なのかを再度明確にすべきである。現状で、原油価格が最安値を更新しており、コアCPIでの2%達成はかなり難しい。他方、コアコアCPIは現状で上昇傾向を示している。 第2に、予想インフレ率をどこまで重視するかを明確にすべきだ。予想インフレ率は上昇傾向を示しておらず、今後は物価上昇のスピードが鈍化する可能性がある。以上が示唆するのは日銀による追加緩和であるが、そのための論理の整備が必要である。 第3に、政府が掲げる名目GDP600兆円達成について日銀はどう関与するのかを明確にすべきだ。短期的には財政政策の役割が大きく、名目GDPには実質成長率が関わるため、日銀だけの責任にはならないとはいえ、名目値に影響を及ぼすのは中長期的には金融政策である。金融政策論では名目GDP水準目標の望ましさも取りざたされている。政府と日銀の間での目標共有について、改めて確認することが望ましい。 なお、12月18日の金融政策決定会合で、日銀は「補完措置」を導入した。これは日銀の言うとおり、あくまで現行の金融緩和を継続するための「補完措置」であって、14年10月31日のような追加緩和ではなく、一部の報道でいう「バズーカ3」などというのは全く当たらない。 ただし、「補完措置」は追加緩和ではないが、今後の追加緩和を否定するものでもない。16年中のどこかで追加緩和が必要になると私は考えるが、今回はまだ追加緩和と呼ぶべきではない。日銀も必要とあれば躊躇(ちゅうちょ)なく緩和をすると言っており、その可能性はある。 *若田部昌澄氏は、早稲田大学政治経済学術院教授。1987年早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。早稲田大学大学院経済学研究科、トロント大学経済学大学院に学ぶ。ケンブリッジ大学、ジョージ・メイソン大学、コロンビア大学客員研究員を歴任。専攻は経済学、経済学史。「経済学者たちの闘い」「改革の経済学」「危機の経済政策」「ネオアベノミクスの論点」など著書多数。 *本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの特集「2016年の視点」に掲載されたものです。 *本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。

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中国、国連PKO予算2位に上昇 日本3位、分担金10%割る

2015年12月24日 13時31分 東京新聞 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015122401000945.html  【ニューヨーク共同】国連総会本会議は23日、2016~18年の国連の通常予算と国連平和維持活動(PKO)予算の各国分担率を定める決議案を採択した。PKO予算で中国の国別順位が経済成長を背景に6位から2位に急上昇し、日本は2位から3位に転落した。  国連安全保障理事会改革で常任理事国入りを目指す日本は存在感の低下が懸念される。1位は米国。  通常予算でも日本は1983年以降で初めて分担率が10%を割り込み、ピークだった2000年の20・57%の半分以下となった。国別トップが米国で22%、2位が日本で9・68%、中国は3位で7・92%。 国連通常予算とPKO予算の分担率国別順位  国連通常予算とPKO予算の分担率国別順位

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視点:対中を越えて、アジアが求む日本の構想力=寺島実郎氏

Special | 2015年 12月 22日 18:49 JST REUTERS http://jp.reuters.com/article/view-jitsuro-terashima-idJPKBN0U50FJ20151222?sp=true 寺島実郎 寺島実郎一般財団法人日本総合研究所(JRI)理事長  12月22日、一般財団法人日本総合研究所(JRI)理事長の寺島実郎氏は、アジアの中での日本を考えたとき、進むべき針路は中国と張り合うことより、一段上の成熟した民主国家として、技術力や産業力、ソフトパワーで格上の国だと実証していくことだと指摘。提供写真(2015年 ロイター) [東京 22日] - 中国の影響力が増すアジアで日本はいかなる役割を担うべきか。日本総合研究所の寺島実郎理事長は、成熟した民主主義国家として、実体経済の「質」を高め、技術力・産業力そしてソフトパワーで21世紀におけるアジアでの日本の展望を構想すべきと指摘する。 同氏の見解は、以下の通り。 <アジアのリーダーに必要な「浩然の気」> 日本の現状を見て、このところ改めて注目しているのが1914年から18年の「運命の5年間」だ。第1次世界大戦を挟んで、当時の日本は世界潮流から遅れて植民地主義に踏み込んでいった。それまで屈折して蓄積されてきた中国に対する劣等感を優越感に反転させた瞬間だった。 その後、第2次世界大戦での敗戦を米国に対する物量の敗戦と総括した日本人は、ひたすら経済復興と成長に力点を置いて、平和と繁栄の思想に専心した。そして、産業力を背景に、世界第2位の経済大国まで成長したことに大きな自負心を持った。 しかし、その自負心が傷つけられる事態が起きた。2010年に中国に国内総生産(GDP)で抜かれ、14年には2倍を超えた。さらに1人当たりGDPでも香港に抜かれ、アジアで第4位になった。もはやアジアで最も豊かな国ではないという状況に、「事情」を知っている人ほど心穏やかではない。そこへ中国の拡張的動きが重なって、中国に対する平常心を失っている このような心理に加えて米中関係を見誤ると、米国と組んで中国の脅威を抑えていくしかないという結論に行き着くのだろう。 しかし、この発想は、世界の感覚とは完全にずれている 日米で協力して中国に向き合おうというゲームを組み立てているつもりだろうが、米国の本質は異なる。 アジアでの影響力の最大化を考える米国は、日本を大事な同盟国とする一方で、中国を戦略的パートナーと言わないまでも、重要な対話の相手として認識している。 尖閣諸島(中国名・釣魚島)の問題をめぐっては、施政権が日本にあり、日本防衛義務を定めた日米安保条約第5条の適用対象であると米国は明言しているが、同盟責任を果たすと伝えているのであって、中国封じ込めのゲームに付き合うと言っているわけではない 日本の過剰依存と過剰期待が、アジアの外交ゲームをおかしくしている。 ウェットな日本は、中国封じ込めの「自由と繁栄の弧」のイデオロギー外交に米国を引き込めると考えているが、アジアでの影響力の最大化を目指す米国は中国も日本も大事だと言っているだけである。この微妙な認識のズレが日本外交に「複雑骨折」を引き起こしている。 日本はもっと賢くならなければいけない。中国と同じレベルでの力比べが21世紀の日本のテーマだと思っている人たちからすれば、集団的自衛権となるのだろうが、本来は21世紀のアジアでの日本の役割をどう認識するかによって、政策論も展開されるべきだ 私が東南アジアの人たちと議論していて感じるのは、日本がアジアで期待されている役割は中国と角を突き合わせることではない。マネーゲームや株式市場の規模で中国と張り合うことより、一段上の成熟した民主国家として、技術力や産業力、あるいはソフトパワーで格上の国だと実証していくことが日本の進むべき針路なのだと覚悟する必要がある。 日本の外交史を検証して見えてくることは、中国に対して平常心を失うと、迷走するということだ。前述した通り、劣等感が優越感に転じると、戦争への道を歩んだ。100年経った今、優越感を抱いていた中国にGDPで追い越されて、平常心を再び失い、一種の興奮状態に陥っている そうではなく、孟子の言葉でいう、「浩然の気」のごとく、広い心を持ち、アジアをどのように牽(けん)引していくのかを考え、アジアのリーダーにふさわしい風格を備える必要がある。 <新自由主義とリフレ経済学の「複雑骨折」> 経済政策についても同様に覚悟をもって臨むべきだ。7―9月期は改定値でかろうじてプラス成長となり、不況入り(2四半期連続のマイナス成長)は免れたが、期待外れの成長にとどまっていることは明らかだ。実体経済とマネーゲームとの乖(かい)離が起きていることをはっきりと認識しなければならない。 安倍政権の経済政策は、突き詰めれば、株高幻想に寄りかかっている。株高の恩恵を享受している人たちはもちろんいる。一部の大企業には追い風ともなっている。しかし、金融緩和と円安誘導によって、失っているものは相当大きい。輸入インフレはその一例だが、日本のようにエネルギーや食料を海外に依存している国にとって、為替を円安に持ってくことは非常にリスクのあることだ 日本企業はアベノミクス以前、十数年にわたって円高圧力に耐えながら、ひたすら生産拠点の海外シフトなどグローバル化を推し進めてきた。この3年間、円安基調で推移したからといって、いきなり生産基盤を国内に戻せないだろう。 また、円安で企業収益が水膨れしても、国内で働く人たちへの分配は一向に増える様子はない。むしろ、勤労者世帯の可処分所得は、消費税増税と社会保障負担増によって、実質的には減っている そこへインフレだ。消費者物価は目下、エネルギー価格下落によって抑えられているように見えるが、過去3年間の累計では3.5%から4%上昇している。低所得者ほど生活が厳しくなっているのは明白だ。 こうした状況を見ると、日本が陥っているのは、まさに新自由主義とリフレ経済学の「複雑骨折」だと感じる。政府は企業に賃上げを求めているが、その一方で法人税減税を進めており、分配重視なのか国際競争力重視なのか、どこを目指しているのか分からない。「新3本の矢」は社会的な困窮者への対策を強く打ち出しているが、これはアベノミクスがうまく行っていないと自ら認めているようなものだ では、どうすればよいのか。日本の経済構造を直視してあえて1つ挙げれば、サービス産業の高度化へ大きく踏み出すことではないだろうか 1960年代までは生産性の低い農業セクターから生産性の高い製造業セクターへ就業が移動することでより豊かになれたが、もはや工業生産力を高め、通商国家として付加価値を創出するパターンだけでは豊かになれない就業構造になっている。長年の命題であるサービス産業の高度化に真剣に取り組まなければならない。特に観光は、パラダイムシフトの起点として、大いに期待できる。欧米あるいはシンガポール並みにポテンシャルを引き出せれば、経済活性化をもたらす中核産業となろう。 女性活躍や地方創生が大事なテーマであるのは誰も異論はない。だが、一番重要なのは実体経済のところで、日本人をより豊かにする産業論を組み立てることだ これほど問題が山積しているにもかかわらず、秋の臨時国会が開かれなかったことは大変残念に思う。 代議制のあり方について考え直す必要があると思われる。 *本稿は、寺島実郎氏へのインタビューをもとに、同氏の個人的見解に基づいて書かれています。 *寺島実郎氏は一般財団法人日本総合研究所理事長、多摩大学学長。経済産業省・資源エネルギー庁総合資源エネルギー調査会基本政策分科会の委員として、国のエネルギー政策議論にも参加している。 *本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの特集「2016年の視点」に掲載されたものです。

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妻純子の状況:

サチレーション100、ハートレート90±10、体温36.8℃で安定中。

傷対策で、プロモックスのジェネリックを投与。

・・・・・本日は、これまで・・・・・

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