@hosinoojisan
2号機で1000ミリシーベルト=格納容器内を調査-福島第1
福島第一原発、停止9施設すべて復旧 29時間ぶり
辺野古移設「沖縄全体の市町村反対」
米国が危ぶむ安倍首相の「真意」
福島原発の停電事故、どうにか復旧したようだ。しかし、今後もまた起こる可能性があり、事故原因を特定・対応を願いたいものである。
ところで、2号機の格納容器近辺のデータが公表されたが、毎時約1000ミリシーベルトと言う事らしい。これでは、復旧工事等は困難であろう。
もはや、チェルノブイリと同じように、コンクリート詰めしか対応策はないのではないかと思われる。
TPP問題に対する関係で、日経ビジネス誌に面白い記事が出ていたので、記録しておきたい。
この記事にもあるように、TPPで、日本は大きな「ババ(最悪のカード)」をつかむこととなろう。
以上、雑感。
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Discover the cosmos! 2013 March 19 GRAIL Maps the Moon's Gravity (月の重力マップ)
Image Credit & Copyright: NASA, JPL-Caltech, MIT, GSFC, SVS
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妻純子の状況:昨日と変化なし。
・・・・・本日は、これまで・・・・・
2号機で1000ミリシーベルト=格納容器内を調査-福島第1
福島第一原発、停止9施設すべて復旧 29時間ぶり
辺野古移設「沖縄全体の市町村反対」
こんなに違うTPPとWTOの交渉 “成功体験”が通じず自民党の戸惑いは必至
米国が危ぶむ安倍首相の「真意」
福島原発の停電事故、どうにか復旧したようだ。しかし、今後もまた起こる可能性があり、事故原因を特定・対応を願いたいものである。
ところで、2号機の格納容器近辺のデータが公表されたが、毎時約1000ミリシーベルトと言う事らしい。これでは、復旧工事等は困難であろう。
もはや、チェルノブイリと同じように、コンクリート詰めしか対応策はないのではないかと思われる。
TPP問題に対する関係で、日経ビジネス誌に面白い記事が出ていたので、記録しておきたい。
この記事にもあるように、TPPで、日本は大きな「ババ(最悪のカード)」をつかむこととなろう。
以上、雑感。
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2号機で1000ミリシーベルト=格納容器内を調査-福島第1
(2013/03/19-23:03) JIJICOM
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2013031901051
東京電力は19日、福島第1原発2号機格納容器内で、毎時約1000ミリシーベルトを計測したと発表した。7時間浴び続けると人間が死亡する放射線量で、格納容器内での人の作業は依然として難しい状況だ。
2号機格納容器の貫通口からカメラや線量計などを挿入し、内部状況の調査を試みた。装置を圧力容器近くまで進め、障害物の有無などを調べる予定だったが、うまくいかなかった。
この際、格納容器1階部分で毎時約1000ミリシーベルトを計測。温度は約34度だったという。東電は今後、再調査も検討するとしている。
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福島第一原発、停止9施設すべて復旧 29時間ぶり
2013年3月20日0時48分 朝日新聞 http://www.asahi.com/national/update/0319/TKY201303190203.html
【動画】1号機・4号機プールの冷却再開 福島第一原発=井手尾雅彦撮影
一部で停電が続いた東京電力福島第一原発。奥から1号機、2号機、3号機、4号機=19日午後4時48分、福島県大熊町、朝日新聞社ヘリから、西畑志朗撮影
東京電力福島第一原発。停電した3(左)、4号機=19日午後4時42分、福島県大熊町、朝日新聞社ヘリから、西畑志朗撮影
【小坪遊】東京電力福島第一原発で停電が起き、使用済み燃料プールなどの冷却が止まった問題で、東電は19日から20日未明にかけて、1、3、4号機の燃料プールと共用プールの冷却設備が復旧したと発表した。これで、停電で停止した9施設がすべて復旧した。 19日昼から夕にかけて1、4号機が相次いで復旧した後、3号機が、当初見込みの19日午後8時から3時間近く遅れた午後10時40分ごろ復旧。6377体と最も多くの燃料を保管している共用プールも、20日午前0時10分ごろ、停電発生から約29時間ぶりに復旧した。復旧時の水温は31・8度だった。 今回の停電は、東日本大震災での事故以降では最大規模。だが原因は特定できていない。東電によると、停電の発端とみられる不具合が起きた3、4号機につながる仮設の配電盤は、目で見て分かる異常は確認できなかったという。
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使用済み燃料棒、隣の棒と接触 柏崎刈羽1号機プール
2013年3月19日22時36分 朝日新聞 http://www.asahi.com/special/news/articles/TKY201303190436.html
東京電力は19日、柏崎刈羽原発1号機(新潟県)の使用済み燃料プールに保管していた燃料集合体1体で燃料棒が曲がって隣の燃料棒に接触していた、と発表した。原子力規制委員会は同日、深層防護の劣化が認められると判断し、国際原子力事象評価尺度(INES)のレベル1と暫定評価した。
5号機で昨冬に同様の接触が見つかり、燃料損傷事故につながる恐れがあるため、全7基で調べていた。 燃料集合体は燃料棒60本が束ねられ、中央に冷却水を通す金属管がある。東電によると、1号機燃料プールの6体で金属管が曲がっており、うち1体は金属管に押されて燃料棒が曲がり、隣の燃料棒と接触していた。
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大飯原発の7月停止求めず 規制委、新基準すぐ適用せず
2013年3月19日11時54分 朝日新聞 http://www.asahi.com/special/news/articles/TKY201303190051.html
【小池竜太】国内で唯一稼働中の関西電力大飯原発3、4号機(福井県)について、原子力規制委員会は19日、現在策定中の原発の新安全基準が施行される7月には、審査のために停止を求めないとする方針を決めた。定期検査に入るために9月に停止した後、国が新安全基準に適合しているかを審査する。関電は電力需給が逼迫(ひっぱく)する今夏も運転できる見通しが出てきた。 原発を再稼働するには、7月に施行される新安全基準に適合しているか規制委の審査を受ける必要がある。規制委が1月末に示した骨子案によると、新基準では電力会社の過酷事故対策を義務化し、地震や津波対策も強化を求める。 既存の原発も新基準に適合させる「バックフィット」が再稼働の条件。規制委がこの日の定例委員会で示した方針では、「(新基準)施行と同時に混乱なく運用できるものでなければならない」とし、7月の新基準導入時点で稼働中の原発は定期検査終了後に審査するとした。
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東電、火力・送配電・小売りの3カンパニー制に
(2013年3月19日23時31分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130319-OYT1T01205.htm?from=main5
東京電力は19日、4月1日から導入する「社内カンパニー制」の概要を発表した。 燃料調達と火力発電を担当する「フュエル&パワー」、送配電を担う「パワーグリッド」、小売り部門の「カスタマーサービス」の3カンパニーごとに会計を分け、外部企業との連携も個別に進める。 原子力発電は、賠償や除染を含めて本社機能を担う「コーポレート部門」に組み込む。 常務執行役が三つのカンパニーの「プレジデント」として指揮を執り、それぞれ執行役員を2~3人ずつ副責任者にする。計8人の副責任者には、女性を含む5人の40歳代を登用した。
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辺野古移設「沖縄全体の市町村反対」
3月19日 12時23分 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130319/k10013302091000.html
K10033020911_1303191224_1303191234.mp4 沖縄の経済振興策などを政府と地元が話し合う「沖縄政策協議会」が、安倍政権発足後初めて開かれ、沖縄県の仲井真知事は、アメリカ軍普天間基地を日米合意に沿って名護市辺野古に移設する計画に、沖縄全体の市町村が反対しているという考えを示しました。 沖縄政策協議会は、沖縄の経済振興策や在日アメリカ軍基地の負担軽減策について政府と地元が話し合うもので、19日午前、安倍政権発足後初めて開かれ、安倍総理大臣とすべての閣僚、それに沖縄県の仲井真知事が出席しました。この中で安倍総理大臣は、サンフランシスコ平和条約が発効し、日本が主権を回復したことを記念して、来月28日に政府主催の式典を開くことを説明しました。
そのうえで、安倍総理大臣は「式典の実施にあたっては、沖縄・奄美・小笠原が戦後の一定期間、わが国の施政権の外に置かれたという苦難の歴史を忘れてはならない」と述べ、沖縄県民の感情に配慮して式典を開催する考えを示しました。
これに対し、仲井真知事は「4月28日は主権回復の日と言うが、当時、沖縄はアメリカ軍の施政権下に放り込まれて苦労してきた。今の沖縄の基地問題もそこからきており、われわれは考えが違う」と述べ、不快感を示しました。
また、仲井真知事は、アメリカ軍普天間基地を日米合意に沿って名護市辺野古に移設する計画について、「沖縄全体の市町村が反対している。辺野古への移設は時間がかかるので、すでに滑走路があるところに移したほうがいい」と述べました。
さらに会合では、協議会の下に別々に設置されていた、経済振興策と基地の負担軽減策を協議する部会を廃止し、双方を統合した小委員会を設けることを決めました。官房長官「粛々と進めさせていただきたい」
菅官房長官は、閣議のあとの記者会見で、「『可能なかぎり沖縄に寄り添う思いのなかで対応をさせてほしい』というのが、安倍政権の基本姿勢だ。普天間基地を固定化してはならないというのが大前提であり、辺野古への移設については、日米間で合意しており、粛々と進めさせていただきたいというのが政府の姿勢だ」と述べました。
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こんなに違うTPPとWTOの交渉
“成功体験”が通じず自民党と農業団体の戸惑いは必至
2013年3月19日(火) 日経ビジネス http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130314/245053/?utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter&rt=nocnt 日に安倍晋三首相が正式にTPP(環太平洋経済連携協定)交渉への参加を表明し、国内調整の焦点は関税撤廃の例外確保や農業対策予算の上積みといった条件闘争に移った。 これをにらみ、自民党の農業関係議員や全国農業協同組合中央会(JA全中)など農業関係団体が動きを強めている。焦点は条件闘争に
「TPPはあなたの生活のさまざまな分野に影響する問題です」 今月12日付の主要大手紙の朝刊などにはJA全中によるTPP交渉参加反対の意見広告が一斉に掲載された。 同日午後にはJAグループが消費者団体と連携し都内で大規模な反対集会を開催。霞が関などをデモ行進し、気勢を上げた。それでも安倍首相はTPP交渉参加に踏み切った。振り上げたこぶしを降ろさないJA全中は15日、万歳章会長が緊急記者会見を開き、「前のめりな姿勢で参加表明に踏み切ったことは到底納得できず、強い憤りをもって抗議する」と語気を強めた。参院選での自民支援の方針変更をちらつかせ、今後の交渉への影響力確保を狙う姿勢をにじませた。 一方、自民党はこうしたJAグループなどの「参加反対」姿勢とは一線を画し、軟着陸への環境整備を急いだ。今夏の参院選を控え、農業団体などの支持離れは避けたいものの、安倍首相の足を引っ張り、政府と党の対立を見せるのは得策でないとの判断があったためだ。 自民内の調整を担うTPP対策委員会(西川公也委員長)は13日、長時間に及ぶ協議の末にコメ、麦、乳製品など農林水産物の重要品目を関税撤廃の対象から外すことなどを求める安倍首相への提言をまとめ上げた。 自民のあるベテラン議員は「これこそが、長く政権を担った政党としての知恵やノウハウというものだ」と自賛。「今後は交渉に首を突っ込んで政府の暴走を抑えるとともに、地方のJAを黙らせるための対策費の上積みなどの実利を得る戦いだ」と腕まくりをする。 こうした自民の対応について、政府内では「党内の意見集約ができなかった民主党とはさすがに違う」(経済産業省幹部)と評価する声が挙がる。 だが、その一方でTPP交渉に関係する外務省幹部らの間では交渉の先行きを巡り、ある懸念が強まっている。 それは、自民や農業関係団体が蓄積してきた世界貿易機関(WTO)農業交渉のノウハウがTPP交渉ではあまり活かせない公算が大きく、交渉が進むにつれ、国内からの不満が爆発しかねないことだ。 前身の関税貿易一般協定(GATT)ウルグアイ・ラウンド交渉時代を含め、WTO交渉では次のようなスタイルが確立されていた。 すなわち、 (1)節目には閣僚会合が開催され、政治家同士が詰めの議論をする (2)関係国間の提案や交渉の途中経過は事実上オープン (3)特に日本は国会議員団や農業関係団体幹部らが現地に赴き、情報収集のみならず、事実上交渉に関与する ――などである。「非公開」が原則のTPP交渉
これに対し、米国や豪州など11カ国で進行中のTPP交渉はどうかといえば、交渉は事務レベルで実施。各国の提案内容や、協議の途中経過をまとめた「テキスト」は原則非公開で、プレスリリースや記者会見の内容以上はほとんど表に出してはいけないとされている。 つまり、日本は交渉に参加してテキストの内容などを把握しても、WTO交渉時のように、国内向けに詳細に説明するのは難しいということになる。 「情報管理が厳しく、国会議員やJA全中関係者などがTPP交渉の開催地に押しかけようとしても、ほとんど交渉に関与できないのではないか」と、外務省幹部は予想する。 TPP交渉がこのような形で実施されている背景には、WTOの交渉が既にみたようなスタイルを続けた結果、議論の収拾がつかなくなり、交渉が暗礁に乗り上げた反省があるのだという。 交渉の速度を上げるための方策といえるが、その分、交渉にろくにタッチできない政治家などの関係者、国民の不満は高まりそうだ。米国政府も説明責任との兼ね合いで対応に苦慮しているという。 「WTO交渉と同じ感覚で議員外交などに張り切っている先生方が多いが、出番は少なく、情報も入りにくいという実態にそのうち気づくはず。そうした中で国内調整と、関係国とのギリギリの協議を迫られる。先が思いやられる」。政府関係者はこう漏らす。 交渉の性格の違いだけではない。1993年のウルグアイ・ラウンドでコメの部分開放が決まった際、政府は総額6兆100億円の農業対策を打ち出し、農業関係団体や農家の反論をなんとか鎮めた。 だが、今回のTPP交渉に際しては、厳しい財政事情のため、そうした成功体験の再現は望み薄だ。 「現在の農林水産省予算より1兆円の上積みが精一杯ではないか」。財務省幹部はこう語る。 自民やJA全中はコメ、砂糖、麦、乳製品、牛豚肉の5分野を「聖域」扱いするよう求めている。だが、高い自由化を迫られる以上、この5分野すべてを無傷でしのぐことは不可能とみられている。 限られた情報と予算制約の壁。そうした中で農業関係団体や農家、そして世論を納得させつつ、「強い農業」に向けた有効な対策を打てるのか。TPP交渉参加で、政府、与党、農業関係団体はWTO交渉時以上に厳しい利害調整を強いられることになりそうだ。
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米国が危ぶむ安倍首相の「真意」
(2013年3月2日付 英エコノミスト誌) 「この3年間で著しく損なわれた日米の絆と信頼を取り戻した」――。2月22日、米国の首都ワシントンでバラク・オバマ大統領との初の首脳会談を終えた安倍晋三首相は、誇らしげにこう宣言した。日本では政治家やメディアがこぞって安倍首相を褒めたたえ、経済・外交大国として「日本は戻ってきた」とする首相の大胆な主張に沸いた。 ■真意をくみ取れない米政府 握手する安倍首相=左=とオバマ米大統領(2月22日、ホワイトハウス)=ロイター しかし米国での見方はかなり異なる。ニューヨーク市にあるコロンビア大学のジェラルド・カーティス教授は、安倍政権が「この首脳会談を歴史上重要なものに見せるため」に今回の訪米を演出した、と指摘する。安倍首相が日米の同盟関係を救ったというのは断じて真実ではない。12月の総選挙で安倍氏率いる自民党が民主党から政権を奪うずっと前から、日米関係は十分に安定していた。 オバマ政権にとって信頼しきれない対象があるとすれば、それは安倍首相その人かもしれない。尖閣諸島を巡る日本と中国の対立があわや暴走しようかというこの時期に、しかも米国も巻き添えを食うかもしれない事態なのに、米国政府は安倍首相の真意をくみ取れずにいる。これまで安倍首相は右派の議員仲間と歴史認識の見直しに向けた動きを推し進めてきた。それが今、歴史認識に関してはトーンを抑えている。 ■首相の実利主義は見せかけか 日本の地位回復を狙う安倍政権は、これまで急速な展開を戦略の柱としてきた。日本経済は長期にわたって停滞に苦しんでいる。デフレからの脱却を目指して日銀に大胆な政策を迫る一方、政府支出の拡大を約束する安倍氏の姿は、「決断力のある指導者」という印象を強めている。株式相場は急騰した。最近の世論調査によると、安倍首相の支持率は70%を超えている。ここ数年間にぶざまな姿をさらした歴代首相、そして2006~2007年の第1次政権で見せた安倍氏自身の悲惨な姿に対する評価と比べると、驚くほどに高い数字である。 今回の日米首脳会談で安倍首相の評価はさらに高まったようだ。法政大学の森聡教授はその理由を、安倍氏がイデオロギーではなく実利に従って動く人間だとの印象を与えたからではないか、と分析する。安倍氏は経済を自らのアジェンダの中核に据えてきた(経済はおよそ同氏の専門分野ではない)。支持率が上がることで自民党内の調和も保たれている。それでも心配なのは、安倍氏の実利主義が上辺のものにすぎない可能性があるからだ。 ■理解しにくい歴史認識 首相就任以来、安倍氏が書いてきたメッセージは、同氏の世間知らずぶりを露呈している。彼は、1945年の敗戦以前の帝政日本は悪事を働いたことがほとんどないと考えているらしい(この見解は隣国の怒りを買っている)。さらに不思議なのは、戦後の日本に善い行いがほとんどなかったかのように書いていることだ。また、「日本という国」を「戦後の歴史による支配」から解放したいとつづっている。 安倍氏の意味するところが何なのか完全にはわからない。だが、主な不満は日本国憲法の平和条項に向けられているようだ。安倍氏から見れば、この条項は敗戦国の日本に米国が無理やり押しつけたものであり、国を骨抜きにした元凶だ。そして日本の骨抜き状態は1960年代に日本の社会主義者がもたらした影響によってさらに悪化したというわけである。 だが実際には、戦後における日本の平和主義は国民から高い支持を受けている。一方で、米国が日本の安全を保障したことによって、戦後の日本は未曽有の経済成長と繁栄を経験することができた。安倍氏の祖父にあたる岸信介氏(安倍氏と同様に首相を2度務めた*)は、戦後の秩序を構築する上で中心的な存在であった。安倍氏が率いる自民党とその支持母体である産業界は、戦後体制の恩恵を誰よりも享受した。 ■米国の関心はTPPと普天間基地 通常なら米国も受け入れるであろう安倍氏の思想が今回は歓迎されなかった。タカ派の安倍首相が中国を刺激しかねないとの懸念からだろう。オバマ政権は、日本国憲法の解釈を見直したいという安倍氏の願望を公然とは支持しないことを明確にした。安倍氏の目指す解釈の見直しは、日本が集団的自衛権(例えば米国が攻撃を受けた場合に援助に駆けつけるための法的資格)を行使できるようにすることが目的だ。日中がいがみ合う尖閣諸島(中国名は釣魚島)を日本が治めることについて、オバマ大統領もジョン・ケリー新国務長官も、ヒラリー・クリントン前国務長官ほどには支援を強く約束しなかった。ケリー氏は、尖閣諸島が日米安保条約の適用範囲であることを改めて確認しただけだった。 むしろ、米国政府は今回の首脳会談で別の2つの案件に対する日本のコミットメントを引き出そうとした。 1つは、米国主導の環太平洋経済連携協定(TPP)についてだ。安倍首相は慎重に言葉を選びながらも交渉参加を約束した。ただし、最大税率が777.7%であるコメの関税撤廃については何の約束もしなかった。自民党は聖域なきTPP交渉には参加しないと言い続けている。 もう1つは沖縄の米軍基地移設問題に関するコミットメントである。安倍首相はオバマ大統領に対し、米海兵隊が使用している普天間基地の移設に向けて「具体的な行動をとる」と伝えた。2009年に政権の座に就いた民主党は、この基地移設問題で日米関係を混乱させた。 安倍氏がしたこれら2つの約束は、どちらも大胆な内容だ。沖縄県民は12月の総選挙では圧倒的に自民党を支持したが、「基地を沖縄本島の人口過疎地に移設する」という方針には断固として反対する。彼らの望みは米軍がこぞって沖縄から出て行くことだ。 一方、自民党所属の国会議員の5分の3がTPP参加に反対している。7月の参議院選挙を控え、支持母体である保守的な農業関係者の反発を恐れているのだ。 米国やその他の国で、TPP参加を切望する通商の専門家が日本の参加による交渉の遅れを心配するのは理解できる。日本が参加しなければ、TPP交渉は今年中にまとまるめどがついている。日本が加わった場合、少なく見積もっても2年は交渉が延びるかもしれない。 ■参院選後の政策に懸念 国民と党員からの支持を維持するために、安倍氏は有権者に対して今後も経済を最優先に扱うと伝える必要がある。米国からの帰国後、安倍氏は驚くような政策を展開した。2月28日には、アジア開発銀行総裁を務める黒田東彦を次期日銀総裁に指名した。黒田氏、及び副総裁に指名された岩田規久男氏は、新たな「2%のインフレ目標」の達成に向けて安倍氏が提唱する「無制限の金融緩和」の支持者だ。 この2人を任命することは、日銀に対して敵対的買収を仕掛けるのと同様の意味を持つ。日銀は、自らが着手した非伝統的な金融政策の利点に対して複雑な思いを抱えている保守的な砦なのである。 安倍氏は、野党が過半数を占める参議院においても13兆1000億円規模の補正予算への支持を取り付けた。予算案が1票差で可決された時、首相への歓声が上がった。今回の予算を成立させたことで、安倍首相は有能だとアピールすることができた。自民党にとっては、7月の参議院選挙に向けて幸先の良い一歩となった。 参議院選挙で自民党が勝利し、安倍首相が両院を掌握すれば、日本の政治が直面する行き詰まりを打開できるかもしれない。そうなれば、構造改革を進めることも可能になるだろう。だがそれで勢いづいた安倍氏が全面的な憲法改正に臨んだり、戦時中の残虐行為に関する認識を修正(ましてや転換)したりすれば、日中関係は悪化の一途をたどる。米国が何より懸念するのはまさにその点である。 (c) 2013 The Economist Newspaper Limited. Mar 2nd, 2013 All rights reserved.
- 2013/3/15 7:00 日経新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1302Y_T10C13A3000000/
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