2011年7月10日日曜日

汚染水漏洩を防止する 地下遮蔽壁はいつできるか ?(ダイヤモンド誌)

木村建一@hosinoojisan



汚染水漏洩を防止する

地下遮蔽壁はいつできるか ?ダイヤモンド誌)



 昨日予告しておいた現代ビジネス誌の、「メルトアウト「核燃料」地下水直撃の恐怖! メルトスルーを超える最悪の事態 東電はこの可能性を隠していないか」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/11152)と、少し角度を変えた記事をダイヤモンド誌が、報道していたので、本日は、これを記録しておきたい。

 政府は、専門家諸氏の指摘を、依然として黙殺しているが、この問題、水産漁業国日本の将来を「崩壊」させかねない問題であるだけに、早急な対策が必要だろう。

 すでに、肉牛のセシウム汚染も明らかになっており、農業部門の対策も必要であろう。

 菅あほ内閣は、これらの問題を形がい化させ、ストレステストで欺こうとしているが、ストレステストを、真に安全を希求するテストにさせるとともに、日本列島の放射能汚染を解消するため、真剣な議論が必要であろう。

 アメリカべったりの前原氏が、「脱原発」を主張し始めているが、視点を変えると、アメリカが、日本の原発行政を転換させようとしていると見ることも出来よう。

 否、お手上げ、対応のしようがないと、「放棄した」と見るべきであろう。

 日本の経団連の諸君や官僚諸君は、このような深刻な事態を真剣に考えて、「原発再稼働」を主張しているのであろうか? このことをどう理解しているのであろうか?

 朝日新聞や読売新聞等マスメディア各社は、「CM料」のため、「誤報」を伝えているが、マスメディアとしての「責務」に立ち戻るべきではあるまいか?

 以下に、ダイヤモンド誌のレポートを記録しておく。



DOL特別レポート
【第183回】 2011年7月8日
坪井賢一 [ダイヤモンド社論説委員]
http://diamond.jp/articles/-/13028

汚染水漏洩を防止する地下遮蔽壁はいつできるか ――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(12)



nextpage  東京電力は6月17日に、「当面の取り組みのロードマップ」、つまり工程表を改訂している(下図参照)。赤字が追加項目だ(★注①)。
拡大画像表示
「Ⅰ冷却」と「Ⅱ抑制」をご覧いただきたい。ステップ2の「冷却」は、「循環注水冷却」を3ヵ月から6ヵ月で「冷温停止状態」となっている。これが目標だ。
 冷温停止とは、本来は原子炉圧力容器の中が100度以下の冷温にいたり、核分裂反応が停止するという意味だろうが、福島の場合は違う。
 すでに3つの原子炉の中で核燃料棒は溶融し(メルトダウン)、圧力容器の下に溶岩のように溜まり、一部は格納容器下部まで落ちているといわれる(メルトスルー)。実際にどうなっているかは、数年後か十数年後にふたを開けるまではだれにもわからないだろう
 いずれにせよ、現状では圧力容器の下部の温度が外側で100度を超えているわけだから、ぐつぐつと沸騰している状態だ。水(当初は海水)をメルトダウンした核燃料に延々とぶっかけて冷やしているわけである。
 水は当然のことながら放射性物質に汚染され、それが建屋の地下に溜まっている。この汚染水は1号機から4号機の建屋地下に9万7760m3、プロセス主建屋と高温焼却炉建屋に2万630m3、計11万8390m3が溜まり、あふれそうになっている(7月5日想定)。
 そこで「循環注水冷却」システムを当座の漏水対策(★注②)として6月27日に稼動したが、トラブルが続出し、ようやく7月2日に運転を開始している。この目的は、汚染水が施設からあふれることによる「海洋への放出リスクと地下水への漏洩リスクを低減させる」(東電資料)ことだ。
 すでに報じられているとおり、循環注水冷却システムによる汚染水の流れは、
(1) 汚染水の油分離装置(東芝)
(2) セシウム吸着装置(米キュリオン)
(3) 薬液注入・加圧浮上分離・凝集沈殿除染装置(仏アレバ)
(4) 淡水装置(日立等)

 となっている。放射性物質をある程度除去し、ゴミや塩分も除去して淡水化された汚染水は再び冷却に回り、これを循環させて汚染水の増加を防ぐ、というものだ。整理すれば単純だが、全長4000mに及ぶ長大な単一システムである。
 改訂工程表では、6ヵ月で「冷温停止状態」とあるが、この結末はわからない。溶融した核燃料を冷やしているわけで、「停止」もなにも、そもそも運転しているわけではない。
 しかし、先が見えなくても延々と続けなければならない。その間に、溶融した核燃料や、発電所内に2000本以上ある使用済み核燃料棒を搬出する方法を考えることになる。
 また、汚染水を除染して再利用し、冷却用の水の問題を解決したとしても、放射性物質が消滅するわけではない。汚染水から除去された放射性物質は、汚泥(スラッジ)とセシウム吸着管に移るだけだ。この超高濃度放射性廃棄物をどうにかしなければならない
 6ヵ月間で出てくる廃棄物は、セシウム吸着管が400本、スラッジが2000m3という膨大なものだ。汚泥は1立方cmに1億ベクレルの放射性物質を含むと発表されている。この処分方法はこれから考えるのだそうだ。
 そもそも、通常の放射性廃棄物の最終処分方法すら決まっていないのである。おそらく、福島第1原子力発電所内で永久に保管することになるだろう。
工程表をもう一度ご覧いただきたい。「Ⅱ抑制」のステップ2の赤字追加項目として、「廃スラッジ等の保管、管理」とあるのがこの問題だ。
 さらに、地下水への漏洩対策として、ステップ2に「地下遮へい壁の検討」が追記されている。これがいわゆる「地下ダム」である。
 汚染水はおろか、溶融した核燃料そのものが格納容器を破り、建屋の床も貫通して地面まで落ち、さらに地下へ浸透する事態も考えられる。土中を突き進めばやがて地下水脈に当たるかもしれない。すると膨大な放射性物質が地下水を通じて環境へばらまかれることになる。チェルノブイリ原発事故の規模を超えてしまうかもしれない
 この事態を回避するためには、発電所の周囲に地下遮蔽壁をめぐらせるしかない。これがチェルノブイリの教訓でもある。
 連載第3回でチェルノブイリ事故(1986年4月26日)以降のソ連政府による事故処理を紹介したが、その一部をもう一度書いておこう。
 ソ連の事故対策本部は放射性物質の大量放出を10日間で収束させたわけだが、その後の密封作業の経過は次のとおりである★注③)。
●4号機の周囲では、遠隔操作によって土の表層を剥ぎ取り、廃棄物処分場へ運んだ。クレーンの運転席は鉛で遮蔽
●剥ぎ取った跡地はコンクリートで固めた
●周囲のビルの屋根と壁を除染
●原子炉敷地を除染、コンクリートで舗装し、防護壁の金属骨組みを構築し、コンクリートで覆った
●防護壁とともに、原子炉を埋没密閉する構造体(石棺)を建設
●防護壁は深さ30-35メートル、幅60センチの堀のようなもので、発電所の全周をめぐらせ、地下水が浸透しない深さまで打ち込んだ

 完成は1986年11月だと思われる。現在、25年経過し、コンクリートの劣化による放射性物質の漏洩が懸念されており、建屋カバーの新設が準備されている。
 上記の太字「防護壁」が福島の「地下遮蔽壁」と同じものである。チェルノブイリの「石棺」が有名だが、発電所の全周を地下ダムで防護し、放射性物質の地下水漏洩を防いでいるのである。
 ソ連政府は膨大な物資と労働力を投じ、ほぼ7ヵ月で建設を終えている。しかし、25年経過しても危機は去っていない。ガレキや除染したあとの放射性廃棄物は、発電所内に大きな施設を設けて管理しているといわれているが、実態はよくわからない。
 福島では「地下遮蔽壁」建設の「検討」がステップ2(今後3ヵ月から6ヵ月)であり、実際の建設は「中期的課題」となっている。チェルノブイリのように、汚染水の処理と地下遮蔽壁、そして建屋カバーの建設は同時に進めるべきだと思うが
 また、ステップ2では「(避難地域の)放射線量を十分に低減」とあるが、これはどうするのだろう。広大な土壌を除染しないかぎり、少なくとも3年後でも現在の放射線濃度は変わらないはずである。除染を開始するのだろうか。その手法はどういうものか。
 工程表に入れたならば、半年で「十分に低減」する方法を公表すべきである。
※「福島原発震災――チェルノブイリの教訓」シリーズの過去記事はこちら
(1)チェルノブイリの教訓を生かせ
(2)子どもの甲状腺被曝検査の継続を
(3)ソ連政府はどのように収束させたのか
(4)汚染食品のデータをどう読むか
(5)「クリーンエネルギー原子力推進」をだれが言い出したのか
(6)学校の放射線許容量はなぜ迷走しているのか
(7)菅首相の「浜岡原発停止要請」は唐突ではない
(8)足柄のお茶はなぜ汚染されたか 関東平野の放射能汚染状況
(9)旧ソ連政府は現在の日本政府より住民の安全サイドに立っていた
(10)実態がわかってきた関東平野の放射能汚染
(11)除染を急げば大幅に放射線量は減少する
注① 改訂工程表は東京電力のホームページで公開されている。
注② 循環冷却注水システムは、来年の春から夏までに、1号機-3号機別にシステムを構築し、より小さな規模を目指すと東電が考えていることを「日本経済新聞」と「毎日新聞」が7月6日付で報じている。
注③ 1986年8月のソ連政府の報告をもとに、リチャード・F・モールドがまとめている(モールド『目で見るチェルノブイリの真実』小林定喜訳、西村書店、1992)

 私は、貴重なレポートと思っている。
 日本国民全体で、真剣に検討すべきであり、一旦事故あれば、回復困難なことを鑑みて、結論として、原発行政からの離脱(テェイクオフ)すべきと主張しておきたい。

☆☆☆☆☆☆
 娘たちが横浜に移って4日、私の体調も回復しつつある。
 明日には、娘たちも、離日することになる。
 それにしても、孫娘たちの成長ぶりには驚いた次第である。
 二人とも、バイリンガルで、英語、日本語を理解しており、2歳と5歳の年齢だが、日本語も、日本の子供以上に話せる。
 先行きが楽しみだ。
・・・・本日は、これまで・・・・

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