2011年8月4日木曜日

復興財源は、外貨準備(1兆1378億ドル≒87兆円存在)の取り崩しで十分可能 為替介入より、円高メリットを生かす構造へ転換すべし。財務省、史上最悪の財テク損失50兆円強

木村建一@hosinoojisan



復興財源は、外貨準備1兆1378億ドル≒87兆円存在の取り崩しで十分可能

為替介入より、円高メリットを生かす構造へ転換すべし

財務省、史上最悪の財テク損失50兆円強



 復興財源を巡って、財務省は、増税を押し付けようとしているが、これはとんでもないと言っておこう。

 その理由は、外為特会等で、巧みに日銀から借金して「外貨準備」を積み立てているが、その総額が、実に国家予算と同じ程度(約90兆円)保有するまでになっているのである。こんなに多額の外貨準備など必要がないのは、自明の理ではないか。

 7月末時点で、1兆1378億ドル(87兆円)保有していることから、復興財源約25兆円分転用すれば、増税など不要である。

 アメリカのデフォルト騒ぎがあったが、「円高阻止のため」と称して為替介入すれば、まるまる国民が借金地獄に落とされることとなる。

 この点については、REUTERS誌の『日本の「稼ぐ力」を映す円高、介入よりも恩恵生かす政策求める声も』という記事や、植草氏の「財務官僚による史上空前超巨額財テク損失が発覚」で厳しく指摘されている。

 参考のため、以下に記録しておきたい。



日本の「稼ぐ力」を映す円高、介入よりも恩恵生かす政策求める声も

2011年 08月 3日 18:33 JST REUTERS
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPJAPAN-22517520110803?pageNumber=3&virtualBrandChannel=0&sp=true


 [東京 3日 ロイター] 円高が進行し、通貨当局による為替介入が予想される中、介入頼みの政策対応を疑問視する声が出始めている  現在の円高は、日本の経常収支の黒字を対外投資で相殺しきれない構造が背景にあるが、欧州や米国の財政危機などにより対外投資は増加しにくく、円高圧力は容易に衰えそうにない。政府はむしろ、場当たり的な介入対応ではなく、日本の「稼ぐ力」を示す経常黒字を背景に、円高メリットを生かす政策展開が必要との見方が出ている
 <日本へ回帰する資本>
 財務省の国際収支統計によると、震災後の4、5月は貿易収支が赤字になったが、毎月1兆円を上回る規模で所得収支の黒字が続いた結果、経常収支は4、5月累計で9963億円の黒字となった。資本収支も累計で9828億円の黒字だ。つまり、経常収支黒字がもたらす円高圧力を、日本からの資本流出(海外投資)で相殺できていないばかりか、逆に資本が海外から日本へ回帰し、円高圧力を増幅する状況が続いている。
 「こうした状況を打破し、自由にリスクをとって海外投資を盛り上げるには、欧米債務問題の解決にメドをつけたいところだが、100年に一度の金融危機を財政で処理しようとした欧米では、民間危機が財政危機にシフトしただけで、レバレッジが修正されたわけではない」と東海東京証券のチーフエコノミスト・斎藤満氏は指摘する。
 「こうした大規模なバランスシート問題が1年や2年では解決不可能なことは、日本が経験済みだ」と斎藤氏は述べ、日本から海外へのリスク投資の復活には時間を要するとの見方を示した。
 <円高の背景にある「稼ぐ力」>
 市場には現在の円高圧力がなお継続するとの観測が多い。海外の財政問題や景気動向をにらんだ短期的な思惑に加え、構造的に今の円高は日本の「稼ぐ力」を反映している、との見方もある。
 「ドルは底打ちしていない。なぜなら今、市場で問われているのは『稼ぐ力』だからだ」とマーケット・ストラテジィ・インスティチュート代表の亀井幸一郎氏は言う。「25年以上経常黒字を維持し、251兆円の対外純資産を保有する日本と、莫大な赤字を垂れ流し、世界最大の純債務国の米国との比較では、後者がソブリンリスクに直結していることは明らかだ」と亀井氏は言う。
 「米国は基軸通貨の発行国であるということだけを拠り所に、ドルを増刷してきた。量的緩和第3弾(QE3)が現実味を帯びるが、対外的に稼げていないという点は一向に変わらない」と亀井氏は述べ、ドルの下値リスクが継続すると予想する。
 東海東京証券の斎藤氏は、「米国は既に万策尽きている」としたうえで「今後はQE3を背景とするドル安で、米国内のグローバル・インベスターが国外で儲ける機会を担保し、これを活用していく方向になるだろう」との見方を示し、「ドル/円は70円付近まで下落するとみている」と述べた。
 米国はネットでは対外債務国だが、米国人が海外に保有する資産のみ取り上げれば、2010年末に20.32兆ドルと、2009年の18.49兆ドル(訂正)から約10%増加している。
 「ドル安は米輸出企業の国際競争力を向上させる面もあるが、GDP伸び率が低迷していることからも、米製造業が受けるメリットは金融資本が受けるメリットに比べて小さい」と斎藤氏は指摘する。
 米国の4―6月期GDPは前期比年率1.3%増にとどまり、事前予想を大きく下回った。エネルギーや食料品高による購買力低下と、自動車販売低迷に現れる個人消費の失速が響いた。1―3月期の伸び率は1.9%から0.4%に大幅下方修正された。
 <円高メリット生かす必要>
 「日本は貴重な資金を使って為替の流れに竿をさすより、円高のメリットを国民生活に生かす道を考えた方が生産的だ」と斎藤氏は言う。東日本大震災と原発事故を受け、日本のエネルギー政策の軸足は、これまでの原子力から火力発電などへのシフトすることが見込まれている。日本の貿易はドル建ての割合が輸出よりも輸入の方が多く、ドル安による輸出のロスよりも輸入の利得が大きくなる。
 6月の通関統計ではドル安のデメリットを受ける米国向け輸出は8600億円であったのに対し、ドル安/円高のメリットを受ける鉱物性燃料の輸入は1兆7000億円余りと、米国向け輸出の2倍ある。「この円高は電力コストを抑制し、ひいては電力料金の値上げを抑制するうえで大きな援軍だ」と斎藤氏は言う。
 「足元の急な円高は確かに厳しいが、今後は、復興需要で立ち上がる内需に加え、放射能の影響で国内供給減となる農水畜産物の輸入拡大も見込まれ、円高のメリットを十分に享受できるだろう」と亀井氏は言う。
 ライオン株式会社の取締役・笠松孝安氏は3日、円高は原材料購入でのプラスの影響の方が大きいと述べた。
 <ドル買い介入の資金>
 為替市場では、政府・日銀がドル買い/円売りの市場介入を準備しているとの見方が根強い。しかし、「介入が実施されたとしても、大規模、持続的なものにはならず、ドルの戻りは一時的で、効果は限定的と見ている」(JPモルガン・チェース銀行のチーフFXストラテジスト棚瀬順哉氏)との意見が大勢で、資金の無駄遣いに終わる可能性がある。
 日本が1兆1378億ドル(6月末)の外貨準備を保有するようになったのは、度重なる為替市場介入(主にドル買い/円売り)の結果だが、ドル買いの資金は、外国為替資金証券を発行して調達している。
 同証券の残高はドル買い介入の額に呼応して増加し、3月末で109兆3130億円にのぼる。つまり、外貨準備というドル建て資産の裏には外国為替資金証券という円建ての負債があり、資産が減価すれば債務超過に陥る。
 「ドルやドル建て資産の急落という事態を想定すれば、債務超過に陥るリスクがある。そうなった場合は将来的に国民の負担になるだろう」(証券エコノミスト)。
 (ロイターニュース 森佳子 編集 北松克朗)



財務官僚による史上空前超巨額財テク損失が発覚

2011年08月03日11時12分 BLOGOS
http://news.livedoor.com/article/detail/5757498/
植草一秀の『知られざる真実』
植草一秀 プロフィール
経済評論家・経済学者。スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役社長。

・・・・前半部省略・・・・
 JT、NTT、東京メトロ、日本郵政など、売却できる政府保有株式は大量に存在する。JT株式などは、この際に完全売却を行い、財務省からJTへの天下りを全面禁止するべきだ。
しかし、これよりも優先されるべき財源が存在する。それが外貨準備資産だ。日本政府の外貨準備高は2011年7月末で1兆1378億ドル存在する。このような多額の外貨準備を保有する理由は皆無である。政府はこのような多額の外貨準備を保有するお金をどこから得ているのか。外貨準備資金を保有するための資金は100%、日銀からの借金である。100%借金で、90兆円近くの外貨資産を保有しているのである最大の問題は、この外貨準備で空前の損失を計上していることだ。円ドルレートは2007年6月に1ドル=124円台をつけていた。これが、現在は1ドル=77円台である。
1兆1378億ドルの円換算額を二つの時点で計算すると、2007年6月には141.1兆円だったのが、2011年8月には87.6兆円に変化している。
両者の差は、驚くべきことに53.5兆円である。たったの4年間で50兆円を超す損失が生まれたことになる。残高は増加しており、ドルからの金利収入が日銀への金利支払いを上回っているから、正確な損失は若干縮小するが、それでも数十兆円単位での巨額損失が生まれていることは間違いない財務省は世界最大の財テク損失王である。この期間、金地金の価格は円表示で1グラム=2800円から1グラム=4200円へと急騰した。2007年6月時点で外貨準備資金をすべて金地金に転換していたなら、現在の時価評価額は211.7兆円になる。現在の外貨準備の円換算金額87.6兆円と比べて、なんと124兆円も多いのだ。つまり、外貨準備の運用を米国国債ではなく、金地金に転換しておけば、現状と比較して政府資産は4年間で87.6兆円も多いものになっていたのだ。財政赤字が深刻で、社会保障費を毎年2000億円削減して、日本の経済社会がぼろぼろに疲弊した。2000億円の削減を取り沙汰しているときに、財務省は外貨準備保有で50兆円も損失を生み出してきたのだ。歴代財務省責任者を厳重に処分する必要もある。
財務省は日銀に支払う金利と外貨準備の米国国債の金利収入の差額だけを外国為替資金特別会計で損益処理し、この収支が黒字だということで、外国為替資金特別会計の資金を使って、海外出張での豪遊費用に充当してきた。これも財務省利権のひとつである。百害あって一利なしの外貨準備を売却して、この資金を震災復興事業に充当するべきなのだ。現在の米国における過剰な国債格付け引き下げ騒動は、日本政府による米国国債売却を阻止するための演出である可能性が高い。米国国債の格付けがトリプルAから何段階か引き下げられても、誰も驚きはしない。これまでのトリプルAが奇異な格付けだっただけだ。債務上限引上げ法案が可決されても、格付け問題があるとするのは、日本政府による米国国債売却を封じ込めるための演出だと思われる。日本政府が外貨準備の米国国債を売却することを妨げられるいわれはない。
国民の巨大な負担を押し付ける財務省の史上最悪の財テク損失に歯止めを掛けなければ、日本は財務官僚に滅ぼされてしまう。同時に巨額損失を生み出した歴代財務省為替介入責任者は厳正に処分される必要がある。(完)

 植草氏が、アメリカのデフォルト騒ぎも、日本が、震災復興資金のねん出のためアメリカ国債の売却を防止するための「演出」と言っているが、あながち間違いではなかろう。私もそう感じていたからである。
もとい
 財務官僚の失策のため、なんで国民が増税に応じなければならないのか?
 怒りを感じる次第である。

・・・・・本日は、これまで・・・・

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