2011年8月8日月曜日

円売りドル買いの介入とは、実質、輸出企業への補助金。 国益無視(雇用拡大放棄)、企業益(内部留保拡大)オンリーの経団連・関連輸出企業の救済は、不要だ! 為替介入による損失は、政府・財務官僚の犯罪行為!

木村建一@hosinoojisan



円売りドル買いの介入とは、実質、輸出企業への補助金。

国益無視(雇用拡大放棄)、企業益(内部留保拡大)オンリーの経団連・関連輸出企業の救済は、不要だ!

為替介入による損失は、政府・財務官僚の犯罪行為!



 一昨日、為替介入問題について記述したが、私の主張を補完するようなレポートが、東洋経済誌に記載されていたので、記録しておきたい。

 このレポートが鋭く追及しているように、過去ならばともかく、現在では、輸出産業の国益無視(雇用無視、賃金切り下げ等)の姿勢を考える場合、為替介入などによって、円安を誘導しても、何ら、国益に繋がらないことが理解できるであろう。

 為替介入が、単なる、輸出企業への「補助金」に転化し、禿鷹ファンド(ヘッジファンド)への、利益供与的手段になっており、反面、数兆円(今回、4.5兆円)もの国税が損失を被ることを、見抜かなければならない

 このような点がわかっていながら、「為替介入」を行った、政府。財務官僚の姿勢は、犯罪行為と断じてもあながち間違いではなかろう

 以下に、東洋経済誌のレポートを記録しておく。



政府・財務省の円売りドル買い介入の大いなる罪、相場の総崩れ招く

- 11/08/05 | 17:56 東洋経済

http://www.toyokeizai.net/business/industrial/detail/AC/d476acb8b6e662a9b2b0049fcf298215/
 政府・日銀が昨日8月4日の朝方から円売りドル買い介入を実施、本日5日も市場では午後から介入を再開したとの観測が流れている。しかし、円売りドル買い介入は効果が薄いばかりか国民負担が発生し、大きな禍根を残しかねない。
円高は経済の構造上、自然な流れ
 まず、今般の円高の背景は、野田佳彦財務相の言うような「投機的、無秩序な動き」ではない。欧州周辺国のソブリン危機、米国の債務上限引き上げ問題に加え、景気回復期待の後退があって、世界中の投資家がリスク回避モードになり、円が買い戻されている。欧米は金融危機後のバランスシート調整に時間がかかり、景気への不安が幾度もぶり返す状態にある。民間の負担を減らすために財政出動を行ったが、財政余力には限りがある。市場はそこを不安視している。
 加えて、長期的な流れとして、米ドルは他の通貨に対しても下がる傾向がある米国は経常赤字国で、円ベースで世界最大の252兆円余の対外純債務国、これに対し、日本は経常黒字国で、世界最大の251兆円余の対外純債権国。現在のように、金利差がほとんどない状態になると、ドル安円高傾向になる。米国はインフレ、日本はデフレであることからも、ドル安円高で調整されるのは当然の動き。つまり、ファンダメンタルズを反映したものだ
「ミセス・ワタナベ」は大きな円売りポジションを抱えていた
 需給関係を見る場合、投機筋の動きとしてよく引き合いに出されるのは、シカゴのCFTC(米商品先物取引委員会)が発表するIMMポジション(通貨先物ポジション)。ヘッジファンドの動きとして紹介されるが、いまは日本の個人投資家、いわゆる「ミセス・ワタナベ」の存在感が大きくなっている。
 マネーパートナーズグループのディーラーで『「日本発」世界大恐慌』の著書もある金井晴生氏は、ミセス・ワタナベの動きをつかむために、「くりっく365」では6つの通貨(米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、スイスフラン、カナダドル)の対円売り買いのポジションをチェックしているという。

■くりっく365の売買 [+表をクリックして拡大]

 グラフは金井氏と同じ手法で、各通貨の対円の売り買いのネットのポジションに各通貨の終値をかけてグラフにしたものだ。ここでは、ニュージーランドドルを加えて、7つの通貨で合計している。金井氏によれば、「輸出入に伴うものや保険金の支払い、投資信託や年金の運用などの実需は売り切り、買い切りとなるが、FX取引の場合はいつかは手仕舞いをしなければならないので、需給の動きを見るうえで有効だ」という。
 グラフに見るように、膨大な円の売りポジションが積み上がってきている。介入前の8月3日時点で見ると、各通貨の終値で計算すると、7178億5075万円になる。公設取引所である「くりっく365」はFX取引で10%のシェアがあるので、これを10倍すると、7兆1785億円の売りポジションが個人のFX投資家のポジションだと推定できる。
 ちなみに、シカゴの直近の開示である7月26日のIMMポジションでは、ネットの円買いは6400億円余りなので、この程度は吸収して余りあるミセス・ワタナベの「円売り」なのだ。つまり、震災後の一方的な円高の背景には、「このミセス・ワタナベの逆張りを吹き飛ばして上昇を続けるほどの実需の円買いがあった」と金井氏は指摘する。
 介入が行われた8月4日については、表に見るように、「クリック365」で動きを追うと、円に対する主要外貨の買い越し残が1694億円分減っている。10倍として、介入に対して1兆6940億円の外貨売り・円買いが出たと推定できる損を抱えていたミセス・ワタナベにとっては、政府が買ってくれるので、やれやれ売りである。しかし、まだ、5484億円分の買い越し残があり、10倍と見れば5兆4840億円である。
「再び、80円台をつけるところまで円安にならなければそのままだが、介入を続けて円安に持っていけば、この投機家たちに絶好の逃げの機会を提供する」(金井氏)ことになる。
外為特会に膨らむ損失
 過去の介入の結果、日本の国庫には大きな損失が残っている。対外純資産のうち3分の1は外貨準備だが、その中身は惨憺たるありさまだ。
 JPモルガン・チェース銀行の佐々木融債券為替調査部長は、「過去に110兆円余りの円を借り入れてドル買いの介入を行って、国為替資金特別会計には40兆円近くの含み損が出ている。クーポン収入をためていれば理論上は収支トントンとなるが、これを予算で使ってしまっているので、外貨準備を取り崩すと損が実現する」という。いわゆる”埋蔵金活用”ということで、予算で使ってしまったのである
 今回も、初日の介入額だけでも4兆円という推定がなされているが、これも円高が再び進めば評価損を抱える。自国通貨高は購買力を増す。政府がカネを使って、これを抑制しようとするのは、家計から見ればとんでもない背信行為であるばかりか、財政赤字がさらに膨らみ、いずれは国民負担に付け回される
 円売りドル買いの介入とは、輸出企業への補助金にほかならない。もし、本当に円安方向に転換できて、輸出企業が潤い、雇用を増やしたり従業員の賃金を上げたりできるのならよいが、輸出企業はすでに、円高の前から需要地である中国などへの移転を進め、雇用については非正規労働を多用して賃下げを行っているこうした企業に雇用吸収はもはや期待できない
 また、前述のように、そもそもファンダメンタルズによって円高の流れができており、介入によって円安に転換することは、多額の介入資金をかけても不可能だ。
 介入に効果がないことは、「東洋経済オンライン」の佐々木氏へのインタビュー記事でも紹介している。→こちら
世界的に円キャリーの巻き戻しで相場は総崩れのおそれ
 しかも、今回、介入後に欧米日とも大きく株式相場が暴落した。この点に注目し、マネーパートナーズの金井氏は警告を発する。
「過去には、円売りドル買い介入後に、安心感から再び円キャリー取引が復活して世界の株価をかさ上げするという現象も見られたが、今回は、介入に効果がないとの判断を市場関係者が下したので、いっせいに円キャリートレードの手仕舞いに動き出したと見ている」。
 だとすれば、世界的なリスク回避モードをさらに強固なものにして、商品相場なども含むすべての相場の値崩れのトリガーを引いた可能性がある。トリシェECB(欧州中央銀行)総裁のみならず、世界から指弾を受ける可能性もある。
 テレビや新聞などの大手メディアが円売りドル買いの介入を催促すれば、投機家は円売り外貨買いのポジションを手仕舞う機会をうかがうはずだ。なぜ、介入をほめそやすのだろうか日本経済団体連合会に属する輸出大企業に配慮しているのだろうか
 これは、「原子力発電は安全だ」と、メディアも東京電力をはじめ電力会社に配慮した記事を書き続けたことと、何ら構造が変わらないことを示してはいないだろうか
(大崎 明子 =東洋経済オンライン)

 

昨日紹介した、ゲンダイネットの記事



主食が危ない!  「セシウム米が食卓に上る日」
2011年08月06日(土)フライデー(ゲンダイネット)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/14455
経済の死角


作付けが禁止されたいわき市大久地区の田んぼ。手入れをする農家がいないため、雑草が生えて荒れ放題だ〔PHOTO〕郡山総一郎(以下同)
肉も魚も汚染された、米だけが大丈夫な道理はない」と、農家は嘆く。
いったいどうしたらよいのだ、この現実を---。

 見渡す限り青々とした田園風景の中で、ササニシキやコシヒカリなどブランド米の産地として知られる宮城県栗原市の米農家、佐藤護さん(77)が言う。
「この時期ににわか雨がどっと降ると、一気に穂が出てくる。あと1ヵ月もすれば収穫が始まります」
 少し早い実りの秋を控えているのに、佐藤さんの表情は晴れない。栗原市や同県登米市の稲わらから暫定基準値の2.7倍超のセシウムが検出され、畜産農家だけでなく、米農家までをも混乱の渦に巻き込んでいるからだ。
「この地域では汚染米の心配をしている農家は多い。特に稲わらの収穫が遅れ、春以降も田んぼに放置していた農家は戦々恐々としています」
 登米市で畜産と稲作を営む伊藤貞幸さん(63)も、不安を隠せない。
「うちは60頭の黒毛和牛を飼っていますが、以前なら最上級のA5クラスの肉は1kg当たり2000円で売れたのに、今は1200円。A3クラスは1kg1300円から、200円にまで値が落ちた。今は出荷を自粛していますが、肉だけならまだしも、米が気になる。(原発事故以降に)野外に放置していた稲わらは牛の餌として使ったり、肥料のために田んぼに鋤き込んでいるので、『稲が(セシウムを)吸い上げてしまうのではないか』と不安に感じている農家が多いんです」
 登米市の別の稲作農家は、「肉も魚も汚染されているのに、米だけが大丈夫なはずがない」とあきらめ顔だ。
 セシウムに汚染された疑いのある2900頭超の汚染牛が全国46都道府県に流通して国民を戦かせている。汚染牛はセシウムに冒された稲わらを食べて内部被曝した可能性が極めて高く、そうした稲わらはこれまでに福島県ばかりでなく宮城県、岩手県でも確認されている。
 となれば、恐るべき放射線の「負の循環」は肉牛だけに留まらないのではないか。これから汚染は日本人の主食に及ぶ可能性が高い―そう警告を発するのは、日本環境学会前会長で、大阪市立大学大学院の畑明郎特任教授(環境学)だ。
「原発事故が起きた3月中旬以降に田んぼに置かれていた稲わらが汚染されていたのだから、その田んぼ自体が汚染されている可能性は拭えない。米は野菜や果物などと比べてセシウムの吸収率が高く、その移行係数は0.1です」
 移行係数0.1とは、土壌1kg中に含まれるセシウムの10%が米(玄米)に移行する、決して低くない数値だ。平成22年産の水稲の収穫量(主食用)は3位が秋田県(44万300t)、4位が福島県(43万9100t)、6位が宮城県(39万1300t)、7位が山形県(38万9200t)であり、福島第一原発から半径200kmの円内に掛かるこれらの県が日本人の主食を支えているといっても過言ではない。
 北海道に次ぐ全国2位の米どころで、「魚沼産コシヒカリ」で知られる新潟県(56万9100t)も多くが200km圏内だ。気になる作付け状況を訊ねると、「風評被害の報告もなく進んでいる。水田に関しては福島と同様、国のマニュアルに沿って、作付け前に1回(土壌)、玄米になってから1回の二重チェックを行う」(新潟県農産園芸課)と話すが、この国の検査が万全でないことは汚染牛の例を持ち出すまでもない
玄米食がより危険
 立命館大学名誉教授で放射線防護学が専門の安斎育郎氏が言う。
「これから米の汚染は必ず出てくるでしょう。なぜもっと早く土壌だけでなく、水田の検査をしなかったのか。セシウムは水溶性なので、土壌を調べるのと、水を引いた田を調べるのではまったく違う調査結果が出る可能性があります。また汚染は関東、北陸、東海地方にまで拡大しているので、広い範囲でチェックを行うことが必要です。稲が吸収したセシウムは主に玄米に留まり、籾殻や糠などに高い数値が出ます。これを精米し、白米にするとグンと落ちますが、低線量の内部被曝に弱い児童の給食などに用いられると、白血病やがんなど深刻な疾患のリスクを高めます
 政府は1kg当たりの土壌中の放射線量が5000ベクレルを超える場合には作付けを禁止し、収穫された玄米の放射線量が1kg当たり500ベクレルを超える場合には出荷停止の措置をとるとしているが、徹底できるのかは甚だ疑わしいし、そもそも国の基準値は低線量の内部被曝による健康リスクを度外視した数値なのだ。
「もし来年もダメだったら」
 全面的に作付けを禁じられた福島第一から30km圏内にある農家たちの姿には胸が締め付けられる。福島県いわき市の大久地区も稲作が盛んだったが、今では長閑な田園風景には似つかわしくない「緊急時避難準備区域」という名が付けられている。約80年間も稲作に人生を捧げてきた若松山司さん(94)は、腰を屈めて田んぼの雑草を刈っていた。
「今年はあきらめて、来年頑張るしかねえ。でも、来年できた米が汚染米だったらと思うと・・・。冬は原発からこの地方に向かって北風が吹いてくるから、一日も早く(汚染を)止めてほしいよ」
 周囲には膝上ほどまで育った緑の稲穂が風に揺れる水田と、雑草が生い茂り荒れ果てた田んぼが混在している。
「自分で食う分だけ稲を作っている農家もいるが、放射能で疎開したり、稲作をあきらめたりした農家の田んぼは、ほったらかしだ。小さい子供のいる家も疎開して、もう帰って来ないな」
 江戸時代から10代続くという田んぼが自分の代で終わってしまうのではないかと、若松さんは不安を感じている。
 原発から31.5km離れたいわき市四倉町の農家、青木一夫さん(68)は作付けはできたが、「見通しは暗い」と言う。
「この辺の土壌のセシウムは4000ベクレルぐらい(1kg当たり)。汚染米じゃないとしても風評被害で売れないだろう。30km圏内は見舞金が出るが、ここら辺はもらえないし、売れないと分かっていても米を作らないことには(いざという時)補償がもらえないから作る。やる瀬ない」
 収穫までに八十八回手を掛けるという米は、農家の丹精込めた作業を経て私たちの食卓に上る。ふっくらした新米を味わう季節はすぐそこに迫っているが、その湯気の中に放射線が含まれていたとしても、私たちに気付く術はまったくない。
「フライデー」2011年8月12日号より

 国連事務総長が、菅首相が、9月の国連関連会議、および、アメリカとの会談を強く望んでいることを明らかにした。
 やめる気は、全くなさそうである。
 政治空白を一日も早く取り除くうえでも、あれこれの言質に騙されずに、社民党や日本共産党、そして民主党内改革派の皆さんが、大きな声を上げるべきではなかろうか?
 反原発発言に動揺してはならない。
 本当に実現させるためには、一日も早く菅首相が、退陣することと言っておこう。
 無党派層も、これ以上、看過しないであろう。

台風の余波がようやくなくなり、静かな朝を迎えている。

・・・・・本日は、これまで・・・・・

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