2011年4月10日日曜日

近藤誠・慶大医学部講師が緊急寄稿 「100ミリシーベルト以下の被曝量なら安心」はウソっぱち! 朝日新聞や毎日新聞等マスメディアは、中間総括を!

木村建一 @hosinoojisan

近藤誠・慶大医学部講師が緊急寄稿
100ミリシーベルト以下の被曝量なら安心」はウソっぱち

 朝日新聞や毎日新聞等マスメディアは、中間総括を!

  早いもので、大震災が発生して1ヶ月を経過した。
 津波災害による死亡者は、12000人を超え、1ヵ月を経過しているにも拘らず、依然として10000人を超える不明者がいることは、残念なことである。
 津波による東電福島第一原発事故が、捜査活動の障害になっているが、この面でも、東電に重大責任があると言っておきたい。
 産経新聞が、中間総括的記事を掲載している。
 少し、我田引水のような主張が散見されるが、それを除けばよく纏めていると言えるだろう。
 朝日新聞や毎日新聞等、マスメディア各社も、それぞれ特色ある立場で、中間総括的記事の掲載が必要ではなかろうか。
 朝日新聞の本紙では、かなり突っ込んだ記事が見受けられるが、WEB城にも反映して欲しいものである。
 原発事故については、依然として危機的状況が続いている
 高濃度汚染水の除去なしには、事態の改善が望めない。
 燃料棒の破壊が依然と進んでいることから、冷却水の挿入を必要としていることから、更なる高濃度汚染水の発生することから、高濃度汚染水対策がうまくいくかどうか疑問である。
 政府機関内外の学者等の英知を集めて、事態を収束の方向へ導いてほしいものである。

 ゲンダイネットに、「安全デマ」「安全デマ風評」をばらまく東電御用学者やそれに癒着する保安院や原子力安全委員会の見解に、説得ある批判内容が掲載されていたので、全文記録しておきたい。
 
近藤誠・慶大医学部講師が緊急寄稿「100ミリシーベルト以下の被曝量なら安心」はウソっぱち

日刊ゲンダイ【政治・経済】2011年4月7日 掲載

http://gendai.net/articles/view/syakai/129864
専門家なら「低線量被曝でも発がんの可能性あり」と明言すべき

 福島第1原発事故に関し、マスコミに登場する放射線専門家は安全を強調するが、本当なのか?日刊ゲンダイ本紙で「やっぱり、がんと闘うな!」を連載中の慶応大学医学部講師(放射線治療科)の近藤誠氏は、「ウソやごまかしが多すぎる」と断じる。

● 数百万人が低線量被曝すれば、数万人ががん死するかもしれない
 私はどんな患者さんにも、がん告知をします。患者さんは事実を知ったうえで、その後の行動を選択する自由があるからです。

 人心を安定させるため、政治家は時に事実を隠すことがあるのでしょうが、それは医師や科学者の“仕事”ではありません。

 そんな私が“これはひどい”と思うのは「1年間の被曝(ひばく)量100ミリシーベルト(mSv)以下なら安全」という放射線専門家たちの発言です。
 これはまったくのウソっぱちです。

 たとえ原子力推進派であっても専門家ならせめて「100mSv以上の被曝と発がんは明確な相関関係にあるが、100mSv以下の低線量被曝のデータは少なく、いまのところ発がんリスクはゼロでなく、正確に分からない」と言うべきです。

 放射線による健康被害は、被曝後数週間以内に症状が表れる「急性障害」と、数カ月あるいは数十年先に表れる「晩発性障害」があります。
 低線量被曝による健康被害は、「晩発性障害」を引き起こしやすく、短期の追跡調査では表れにくい。しかも、線量計で被曝線量を測定する人はまずいないので、データはほとんどありません。
 だからといって安全というのはウソです。
 
 そもそも100mSv以下の低線量被曝による発がんリスクには、2つの有力な仮説があります。

 すなわち、(1)被曝線量が100mSv以下だと発がんリスクはほとんどないが、それを超えると急上昇する「しきい値仮説」、(2)100mSv以下でも被曝線量と発がんリスクが増大する「直線仮説」です。
(1)は放射線の毒性を軽く見せたい原発やがんCT検診の推進派が、(2)はその反対派や中間派がそれぞれ支持してきました。

 ところが、いまは国際的に権威のある、米国科学アカデミーの委員会(BEIR)や国際放射線防護委員会(ICRP)らが支持するなど、「直線仮説」が有力です

 米国は1950年から広島や長崎の被爆者9万人(近距離被爆者5万人、遠距離被爆者4万人)と非被爆者3万人を対象に寿命調査をしていますが、1980年代に入り、低線量被曝であってもがんになる確率が高くなることが分かったからです。

 しかも05年に英国の有力医学雑誌に掲載された15カ国の原発労働者40万人を追跡調査したリポートでは、50mSv以下の被曝線量であっても発がんリスクが高まると報告されたのです。

 それでも「しきい値仮説」を支持する人は、「人間には放射線被曝による傷を治す能力がある」「低被曝は細胞を刺激し、かえって健康になる」などと主張しますが、それを信じる専門家は少数です。

 放射線の専門家は当然、こうした事実を知っています。「低線量被曝でも発がんの危険性はある」と明言すべきなのです。

 なかには低線量被曝の危険を認めながらも、「100人の死者のうち被曝によるがん死が1人増える程度」と、被害を軽く見せようと発言する放射線の専門家がいます。しかし、低線量の被曝者が数百万人に上ると、数万人ががん死するかもしれないのです

 いまこそ、放射線の専門家は低線量被曝のリスクを明らかにし、しっかりした対策を講じるべきではないでしょうか?

 心ある学者の皆さん方や、経済界の中からも、東電や政府の対応に対して、批判が強まりつつあります。
 反面、東電の資金や、政府の「内閣調査費?」を受けた学者を、マスメディア各社が登用して、「安心デマ」を振りまいていますが、いずれ近い将来、このような悪辣な行為は、国民によって、断罪されることになるでしょう。
 心ある民主党議員や自民党(自民党も加害者としての責任があるが)、公明党、みんなの党、日本共産党、社民党、国民新党等、全ての党派の議員で、今回の東電事故を他山の石として、原発行政の縮小の方向を明らかにしてほしいものです。
 第三のエネルギー構造の変革を望みたいものです。

・・・・本日は、これまで・・・・

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