2011年4月18日月曜日

想定される『最悪の事態』とはどんな事態なのか ? 居住不可能になる地域 。 メルトダウン(炉心溶融)は始まっている

木村建一 @hosinoojisan

想定される『最悪の事態』とはどんな事態なのか
 
居住不可能になる地域
メルトダウン(炉心溶融は始まっている

クリントン国務長官、
TPP課題が、震災によって挫折したため、”震災特需”を狙って訪日

 政府の曖昧な、「事故軽減化」政策によって、多くの国民が翻弄されているが、政府の対応から、「真実」を見抜くべきであろう
 何故、政府が、「退避地域」の、帰宅可能「時期」を明言できないのか?を検討すれば明らかと言えよう。
 京大助教授の今中氏が、「飯館村の放射能レベル「人住めない」 京大が衝撃データ発表(http://news.livedoor.com/article/detail/5493390/)」したが、これが、その回答と言えよう。
 福島県民の願いは、重々承知しているが、事故による被害は、残念ながら、県民の願いとはほど遠い、「絶望的」な状況になっているのである。
 事実を隠ぺいして、「バカな危機管理対策」として行った、菅政権の政策(県民に事実を知らせなかったことが)、逆に福島県民の不安を増幅させ、混乱を招いているのである
 このような中で、「復興」を考えるためには、まず、「現状を正確に」認識することから、組み立てざるを得まい。
 これを検討するうえで、認識を一致するうえで、非常に参考になる詩的記事があったので、紹介しておこう。
 一つは、現代ビジネス(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2410)の、「想定される『最悪の事態』とはどんな事態なのか 万が一、冷却に失敗したら」という記事の中の
『・・・・・・・・・・・
居住不可能になる地域
 燃料の温度が下がり、放出する放射線量が下がるまで数年の間、冷却に成功したとして、原発の周囲の地域はどうなるのか。ガンダーソン氏の見立ては、残酷だ。
「今後どのくらいの放射線が放出されるかわかりませんが、最悪の場合、チェルノブイリに近くなるほど悪化する可能性もある。福島原発の周囲80km圏内が、居住不可能になるでしょう
 半径80kmといえば、福島県の半分以上が含まれる。
 もはや行政区としての福島県が今後維持できるのかどうかも、難しいという事態になりかねない。
 しかもこれは、格納容器を破断するような「大爆発」を避けることに成功した場合の想定である。田中氏らが指摘するような水蒸気爆発が起これば、被害はもっと広範囲に及ぶ。
 地震発生当時、福島第一で働いていたエンジニア・田所信也氏(=仮名、52歳)は、「中性子線が観測されたという報道にぞっとした」という。
「中性子線があるということは、(重金属の)コバルト60が外部に漏れているということでしょう。2号機か3号機かわからないが、圧力容器の一部が欠損して、内部の核燃料が漏れている可能性が高い。圧力容器の格納機能が落ちているんです。当然、東電はそれをわかっていたと思う」
 田所氏は3月14日の3号機の爆発の瞬間、原発近くにいた。
「原発関連施設にいたのですが、原発のほうからドン! という大きな音がしたので、車に乗ってともかく原発に向かいました。途中、作業員や住民たちが逃げてきたので車に乗せ、関連施設まで送りました。施設内にある機械でサーベイ(放射線計測)すると、何人かはすでに被曝していたので、服を着替えさせた。そのときの線量は20ミリシーベルトでした。
 枝野官房長官が、400ミリシーベルトという数値を公表したときに、これはどうにもならない、と悟りました。一度自宅に荷物を取りに帰りたいのですが、もう車には乗れません。壊れたのではなく、あのときに放射能で汚れてしまったからです」
 すでに原発周辺は、人の住める地域ではなくなりつつあるということではないだろうか—。
 冷却系の復旧遅れ、3号機にあるプルトニウム、高濃度放射線を含んだ水たまりなど、現在の福島第一原発は、チェルノブイリでもスリーマイルでも人類が経験しなかった悪条件がそろっている
「最悪の事態」を避けるため、今日も多くの専門家、作業員らが持てる能力のすべてを傾けて奮闘を続けている。祈るほかない。』 という最後の部分と、
 二つ目は、文芸春秋誌の”日本の論点”(http://www.bitway.ne.jp/bunshun/ronten/)、「東電福島第一原発事故 その3――メルトダウン(炉心溶融)は始まっている 」という記事である。この記事については、全文記録しておきたい。
 
東電福島第一原発事故 その3――メルトダウン(炉心溶融)は始まっている
2011.04.14 更新

*このコーナーでは、『日本の論点』スタッフライターや各分野のエキスパートが耳寄り情報、マル秘情報をもとに、政治・経済・外交・社会などの分野ごとに近未来を予測します。

 政府は12日、東電福島第一原発の1~3号機について、国際原子力機関(IAEA)が定めた原子力施設事故での国際原子力事象評価尺度(INES)を、1986年に発生した史上最悪のチェルノブイリ原発事故と並ぶレベル7(深刻な事故)に引き上げると発表した。
 さらに原子力安全委員会は、福島第一原発からこの1カ月間に放出された放射性物質の量について、63万テラベクレルと推定(内訳は、ヨウ素131が15万、セシウム137が48万いずれもテラベクレル)。この値はチェルノブイリ原発事故の520万ベクレルに比べれば少ないものの、すでにレベル7相当の放射性物質の放出があったことを示している(1テラベクレルは1ベクレルの1兆倍)。


 INESの尺度は0~7の8段階で、レベル0は「安全上で重要でない」事象。1~3は「異常な事象」の程度の順となる。日本の例では、1995年の「もんじゅ」のナトリウム漏出事故がレベル1、91年の美浜原発2号機蒸気発生器損傷事故が同2、97年の東海再処理工場での火災爆発事故が同3にあたる。4~7段階は「事故」カテゴリーとなり、この段階では所外への放射性物質の放出の程度がレベルの目安となる。

 99年の東海村JCO臨界事故がレベル4、79年のスリーマイル島原発事故がレベル5、そしてチェルノブイリ事故が同7となる(レベル6に該当する事故は、いまのところ起きていない)。専門家の間では、レベル7の上に8の設定が必要との意見もあるが、福島第一原発の事故度合はとりあえずチェルノブイリと肩を並べたことになる。

 チェルノブイリ原発事故では、核爆弾の原料となるプルトニウムを多く生成させる目的をもった特異な原子炉の爆発が放射性物質の拡散の引き金を引いた。

 チェルノブイリ原発の4号炉は、運転中の操作ミスと機械的な不具合から出力が急上昇して制御不能となったもので、発生した火災も放置された結果、炉心溶融から爆発が起き、広島型原爆の400発分という大量の放射性物質がいっきょに飛散し、国境を越える放射能汚染を引き起こすことになった。

 今日では常識となっている格納容器がなかったことが被害をいっそう拡大した。INESレベル5のスリーマイル島原発事故も、同発電所2号炉で、やはり機械的な不具合と操作ミスから発生した。炉心が溶融し放射性物質が外部に漏れたが、その後の冷却作業が成功して、炉はようやく安定した。溶けた燃料などは圧力容器と格納容器を貫通し、原子炉の土台のコンクリート部分に62トンの金属の塊をつくって終息した。

 福島原発はどうか。冷却水が循環して、冷温停止中の5、6号機を除き、1~4号機は炉内3カ所、貯蔵用プール4カ所に使用途中と使用済みの燃料集合体を合計2724本かかえている。炉内で生成したさまざまな同位体(アイソトープ)が放射線を放って、安定した物質に変化する際に出す熱(崩壊熱)を冷却しなければならないが、自力でそれができずに外部のポンプ車などの注水に頼っているのが実情だ。地震による炉心の緊急停止(4号機は定期検査中で未稼働)以降、注水作業は、高い放射線環境のもとでおこなわれてきたが、注水はけっして十分ではない。炉内でも貯蔵用プールでも、燃料棒(集合体)はたびたび空気中に露出し損傷していると考えられている。東電では、とくに1号機がひどく全体(集合体292本)の70%が損傷、同じく2号機(同587本)は30%、3号機(同514本)は25%が損傷と推定している。

 現段階では、福島第一原発は再臨界の可能性はないといわれているが、もう一方の問題である崩壊熱の処理は簡単ではない。核分裂反応が止まっても全出力の7%程度、100万kWhの原発なら7万kWhの熱源が残るのである。これを除いていかないと、温度が上昇して炉は空だき状態となっていく。それが極端に進んだのが炉心溶融、メルトダウンだ。温度上昇は燃料棒のさや(ジルカロイ被覆管、融点1850度)を溶かし、燃料ペレットをくっつけ、さらに燃料ペレット(融点2700~2800度)をも溶かしてコリウムという液体の金属混合物を形成する。コリウムは炉の底に溜まり、融点1500度、厚さ16センチの合金鋼製の圧力容器を溶かして外側の格納容器に落下し、そこをも貫通していく。

 福島原発がもし炉心溶融した場合、スリーマイル島の原発事故のように自然に落ち着いてくれるかどうかは、じつは不明だという。おそろしいのは、この過程で大規模な水素爆発や水蒸気爆発が起きたとき、爆発で格納容器が破壊されれば、大量の放射性物質が外部に飛散する。福島第一原発の圧力容器内は、現在そうした高温にはなっていないというが、圧力容器内の温度は冷却作業に応じて変化していることを忘れてはならない。

 ジルカロイ被覆管は温度が上がると、1200度あたりから急速に腐食がすすみ、水素を発生する。燃料の損傷が著しい1号機では、発生した水素が格納容器内に溜まってきている。これが酸素と結合するとふたたび水素爆発を引き起こす可能性がある。以前の水素爆発は建屋内であったが、格納容器内での爆発となると、事態はいっそう深刻となる。そこで緊急にとられた処置が、格納容器に不活性の窒素を入れ、爆発を回避する方法(2号機、3号機も同様の安定化処置が行われる予定)である。

 2号機では格納容器の一部(圧力低減室)の損傷が指摘され、そこから高濃度の放射能汚染水がタービン建屋地下などへ流れているといわれている。また、他の号機も含め、圧力容器に注水しても水量がそれほど増えないことから、圧力容器にはすでにクラック(ひび割れ)が生じているという説もある。とすれば、高濃度の汚染水は圧力容器由来という説は否定できない。2号機を含め各号機とも、外部注水による冷却の継続が高濃度汚染水を増加させている。そこで、外部注水を溜まっている汚染水の循環使用に切り替える方策が追究されてきた。しかし、配管を含め、循環使用のためのポンプシステムが正常に働く保証はじつのところない。そこで、今度は外部ポンプで格納容器に注水し圧力容器を丸ごと水漬け冷却する方法が検討されだした。

 福島第一原発をめぐっては、同位体塩素38がみつかったことから炉内でいまだ核分裂反応が継続しているとか、3号機で使用しているMOX燃料に含まれるプルトニウムが水素爆発ですでに外へ大量放出されたとか、さまざまな情報が乱れ飛んでいるが、より深刻な問題としてクローズアップされてきているのが、メルトダウンの実態である。東電も政府も明言していないが、福島第一原発でメルトダウンが始まっている疑いが濃い。とくに有力なのは燃料の70%が破損している1号機だ。

 元原子力安全委員会の委員長だった佐藤一男氏ら専門家16名は、4月1日、注水による冷却の間にも溶融炉心が圧力容器を溶かし、格納容器に移ってくる危険性を指摘。政府への提言として発表した。いうまでもなく放置すれば放射性物質による深刻な汚染を引き起こしかねないからだ。もしそれが起きたら……チェルノブイリ原発事故の比ではなくなることだけは知っておくべきではないか
宇津見 健=うつみ・けん 『日本の論点』スタッフライター)
 両誌とも、専門家の意見が多く掲載されているため、「事態を認識」する上で、極めて重要な指摘を享受できるであろう。精読をお勧めしておきたい。
 これらは、当方が当初から警告を発していた命題だが、残念なことに、指摘が的中したようである。
 政府・東電は、例えば、東電HPから不都合部分を削除するような問題や、政府が、退避期日を明言しないなど、この期に及んで、姑息な手段を取るべきでないと警告しておこう。

☆☆☆☆☆☆

 アメリカのクリントン国務長官が来日したが、これは、TPP課題が、震災によって挫折したため、”震災特需”を狙った訪日と見るべきであろう。
 そのことが、アメリカ財界関係者の帯同で読み取れる。
 さすが、しぶといと言っておこう。

・・・・本日は、これまで・・・・

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