2011年9月14日水曜日

福島第一原子力発電所事故に伴うCs137の大気降下状況の試算 – 世界版SPEEDI(WSPEEDI)を用いたシミュレーション  : 「製造業の信仰」を捨てよ~雇用を増やす複眼思考

木村建一@hosinoojisan


福島第一原子力発電所事故に伴うCs137の大気降下状況の試算
- 世界版SPEEDI(WSPEEDI)を用いたシミュレーション



「製造業の信仰」を捨てよ~雇用を増やす複眼思考



 野田首相の施政方針演説を聞いたが、きれいな言葉を並べていたが、具体性のないものであった。

 押しねべて、野田内閣発足後の動きは、例えば、増税問題や八場ダム問題に見られるように、旧自民党政治と同じ状況になりつつある。

 何のために「政権交代」を国民の選択を受けたのか、現政権を支える政治家は、良く考えて欲しいものである。

 経済関係で、新しい経済問題での記述があったので、気になった記事とともに記録しておきたい。

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「製造業の信仰」を捨てよ~雇用を増やす複眼思考――熊野英生・第一生命経済研究所 経済調査部 首席エコノミスト
【第38回】 2011年9月14日  ダイヤモンド

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト],森田京平 [バークレイズ・キャピタル証券 ディレクター/チーフエコノミスト],島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト],高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]
 景気分析には約束事がある。景気は「まず、鉱工業生産をみよ!」である。この常識は一面正しいが、あまりに教条的に信じると、雇用の実体を見過ごしてしまう。
 国民にとって豊かさを取り戻すためには、雇用拡大・賃金上昇が最重要の課題である。それなのに、エコノミストの景気分析が生産・輸出・収益のことばかりに関心を注ぎ、雇用の在り様に無頓着になると、有用な政策提言もできなくなる。一昔前の流行語を使うと、「バカの壁」がここにはある。
製造業の生産拡大と雇用拡大が
イコールではないという証拠
 そこで、製造業の生産拡大≠雇用拡大の証拠を挙げてみたい。グラフは、鉱工業生産指数と就業者数の対応関係を示している(図表1参照)。明らかなのは、両者はリンクしていないことだ。
 製造業の就業者数はトレンドとして右肩下がりであり、過去20年間にわたってトレンドに変わりがない。今になって「産業空洞化」が不安視されるが、もっと昔から生産水準の回復とは半ば独立に就業者数が減っているのである。
 おそらく製造業は、周期的に訪れる生産調整の度に、大規模なリストラを行なって、その後生産回復する局面であっても、雇用を増やしてこなかった。この状況は、「工場が海外移転するから製造業の雇用者が減る」というステレオタイプと事情が異なっている。

 なぜ、製造業が就業者を増やさないのかというと、資本投入を通じて生産性上昇を行なっている事情がある。特に輸出産業は、雇用を増やしながら労働生産性を上昇させるのではなく、設備投資を行なって資本の生産性を高めようとする。
 円高が進むと、競争力を維持しようとして、雇用を削減しながら設備投資を増やす対応を採ると説明すればわかりやすい。
 製造業の資本ストックの伸び率を見ると、非製造業が低調なのに対して、2000年代に入ると増加率を高めている(図表2参照)。この間、製造業の就業者は1992年をピークに減少に転じているので、日本の製造業は約20年間も資本投入を増やし、労働投入を抑制するかたちで生産性向上を追求していると言える。
 この変化は、貿易理論にある「比較優位の原則」と極めて整合的であり、製造業が優位性のある資本や技術を増やすかたちで成長を遂げている姿を表す。

 議論を元に戻して、「では、雇用・賃金を増やすにはどうすればよいのか」を考えよう。それは、内需を膨らませて、労働の生産性を引き上げると同時に、労働分配を増やすことが重要である。
 分解すると、企業が生産性を高めることで賃金上昇の原資を膨らませることができる。次に労働分配の金額を増やせば、労働コストが上昇する。
 コスト増に対して、企業経営者はより割安の労働力を雇おうとするので、裾野の広い労働需要が喚起される。賃金上昇は、生産性の高い者から低い者へと波及していくことになる。
内需の膨らみにくさという逆風
跳ね返すには「外需」をテコに
 ただし、ここで問題なのは、ここ数年の日本経済には「内需の膨らみにくさ」がある点だ。人口減少のトレンドが強まる中では、企業経営者は先々の需要縮小を予想し、設備投資意欲を減退させてしまう。その逆風を跳ね返すには、内需ではなく、外需をテコにすることが有効である。
 図表2の資本ストック残高の伸び率を見ても、低迷しているのが製造業よりも非製造業であることがわかる。2006~2008年頃は、外需を追い風にして、製造業は輸出向けの資本ストックを増強していた。その資本増強が内需拡大を促し、雇用・賃金が増えていた。
 話を整理すると、製造業が国内に資本ストックを増強するとき、設備投資需要が内需拡大の刺激になって、回りまわって雇用・賃金を増やす。製造業の設備投資は、海外から国内へと購買力が移転するときのパイプ役になっている。
 輸出というパイプを伝わって国内需要が膨らんでいくのに反応して、非製造業のうち労働集約的な産業の雇用・賃金を増やしていく。重要なのは、輸出の好影響が国内産業へと波及していくメカニズムである。
 筆者のメッセージは、雇用拡大を念頭に置くと、製造業が単に生産回復を遂げただけではダメだということだ。生産が増えても、それが国内需要に転換されないと、国内にいる勤労者には恩恵が及んでこない。
「産業空洞化によって日本経済が脅かされている」と叫ばれる理由も、製造業が国内投資を抑制することが怖いからだ。輸出から内需へのトランスミッション・メカニズムが滞り、人口減少によって国内投資が減っていく中で、産業空洞化が追い討ちをかける。
 景気分析を行ない、国民生活の向上を導くことを考えるには、単一の指標に注目するのではなく、複線的に内需への波及メカニズムを考えていかなくてはならない。
 波及メカニズムを辿って実体を解明する作業は、エコノミストと言えども容易ではない。過去の経験則が成り立ちにくいのは、最近の経済分析に共通して言えることだ。
海外から内需へと波及し得る
メカニズムは訪日外国人の回復
 最後に、そうした発想で、海外から内需へと波及し得るメカニズムということで、1つの変化を紹介したい。
 3.11の震災と続く福島原発事故によって、海外から日本にやってくる訪日外国人が激減したことはよく知られている。だが、実はこのところ、訪日外国人は急速に回復してきている(図表3参照)。

 国籍別に見ると、渡航者が回復している国は、台湾、米国、英国、タイ、インドである。これは、被災した日本にとってありがたいことだ。震災前の訪日外国人の消費額は約1.0兆円(渡航費を除く)と推定される。限界的に見て、一時6割減だった観光需要が急速に回復してきている効果は、内需にとっても小さくない。
 今後、外需を内需に転換させるチャネルについては、頭を柔軟にしながら注目していかねばならない。

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産業空洞化回避へ「あらゆる政策」、野田首相が所信表明

2011年 09月 13日 14:10 JST REUTERS
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-23163920110913?sp=true


 9月13日、野田佳彦首相は午後の衆院本会議で所信表明演説を行った。2日撮影(2011年 ロイター/Yuriko Nakao) 1 of 1[Full Size]

 [東京 13日 ロイター] 野田佳彦首相は13日午後の衆院本会議で所信表明演説を行い、歴史的な円高が「空前の産業空洞化の危機」を招いているとして、空洞化防止や国内雇用の維持に向け、日銀との連携を含めて「あらゆる政策手段を講じる」考えを示した。
 同時に、復興財源は現世代で負担することが基本だとあらためて表明。今後、増税規模などの具体策を複数の選択肢で検討する考えを示した。
 <歴史的な円高で空前の産業空洞化危機>
野田首相は、東日本大震災からの復旧・復興が最優先課題であることは「言うまでもない」とした上で、もうひとつの最優先課題として「日本経済の立て直し」に言及。震災以降、急激な円高や電力需給のひっ迫、国際金融市場の不安定化などが複合的に生じ、産業空洞化と財政悪化で「国家の信用が大きく損なわれる瀬戸際にある」と日本経済の現状に厳しい見方を示した。
 中でも、最近の「歴史的な水準の円高」には、新興国の急激な成長と相まって「空前の産業空洞化の危機を招いている」と危機感を強く表明。空洞化防止や国内雇用の維持に向け「金融政策を行う日銀と連携し、あらゆる政策手段を講じる必要がある」とした。具体策として、予備費や2011年度第3次補正予算を活用して「思い切って立地補助金を拡充するなど」の緊急経済対策、円高メリットを活用した海外の企業買収や資源獲得の支援策を挙げた。
 <時限的増税、経済状況見極め複数の選択肢を検討>
 復興財源に関しては、次世代に先送りせず、「今を生きる世代全体で連帯し、負担を分かち合うことが基本」との考えをあらためて表明。歳出削減や国有財産の売却、公務員人件費の見直しなどで財源をねん出するとしながらも、時限的な増税は「現下の経済状況を十分に見極めつつ、具体的な税目や期間、年度ごとの規模などについて複数の選択肢を多角的に検討する」とした。
 復旧・復興の推進に当たっては、被災地の要望に一元的に対応する「復興庁」の設置法案を早急に国会に提出、3次補正の準備作業も「速やかに進める」方針を示した。自治体への交付金や復興特区制度なども早急に具体化する考えで、農作物や牛肉などの検査体制も「さらなる充実」を図り、食品の安全・安心を確立するとした。
 <30年までのエネルギー基本計画は白紙撤回、来年夏めどに新計画>
 エネルギー政策は再構築を表明。ここ1―2年の需給対策に加え、2030年までを見据えたエネルギー基本計画を白紙から見直し、来年夏をめどに新たな戦略を策定する方針を示した。「エネルギー安全保障や費用分析などを踏まえ、幅広く国民の意見を聞きながら冷静に検討する」という。
 首相はさらに、脱原発と推進という「二項対立は不毛」と持論を展開。「中長期的には、原発への依存度を可能な限り引き下げていく方向性を目指すべき」としながらも、「安全性を徹底的に検証・確認した原発」は地方自治体との信頼関係を前提に、定期検査終了後の再稼働を認める考えを示した。原発の安全規制には、環境省の外局として「原子力安全庁」を設置して規制の一元化を進めるという。
 <財政健全化へ3つの道、震災踏まえ年内に日本再生戦略>
野田首相が代表選から強い問題意識を掲げてきた財政問題では、「震災で財政の危機レベルはさらに高まった」と指摘。「国家の信用が厳しく問われる今、債務が債務を呼ぶ財政運営をいつまでも続けることはできない。声なき未来世代へ、これ以上の借金を押しつけていいのか」と訴え、歳出削減と経済成長による税収増、増税による歳入改革の「3つの道を同時に展望しながら歩む厳しい道のり」になるとした。
 財政健全化とともに「車の両輪」として、経済成長にも言及。新成長戦略の実現を加速する一方で、震災後の状況を踏まえた戦略の再強化を行い、年内に「日本再生の戦略をまとめる」方針を示した。日本の経済成長を担うのは、中小企業をはじめとする民間企業の活力にあるとして、環境エネルギーや医療関連分野を中心に「新たな産業と雇用が次々に生み出される環境を整備する」という。また、首相が「重要政策を統括する司令塔の機能を担う」ため、政府が開催してきた会議を集約し新たな会議体を創設することも表明した。
 <一体改革、次期国会に関連法提出>
 消費税を10年代半ばまでに10%へ引き上げることを決めた社会保障・税一体改革については「真摯(しんし)に与野党での協議を積み重ね」た上で、次期通常国会に提出する考えを示し、「与野党が胸襟を開いて話し合い、合意形成ができるよう」超党派での議論を呼びかけた。
 <TPP参加交渉は早期に結論>
 海外との経済連携については「高いレベルの経済連携協定の締結を戦略的に追及する」として、日韓、日豪交渉の推進、日EU(欧州連合)、日中韓の早期交渉開始を目指す方針を示した。環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加は「しっかりと議論し、できるだけ早期に結論を出す」と述べるにとどめた。
トップニュース
BRICS、ユーロ建て債券購入を検討する可能性=ブラジル紙
税外収入は4兆円、復興財源で環境税は検討せず=財務副大臣

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福島第一原子力発電所事故に伴うCs137の大気降下状況の試算
- 世界版SPEEDI(WSPEEDI)を用いたシミュレーション -

平成23年9月6日 (独)日本原子力研究開発機構http://nsed.jaea.go.jp/fukushima/data/20110906.pdf
1. はじめに
第23回原子力委員会定例会議(6月28日)では、福島第一原子力発電所事故によるプラント北西地域の線量上昇プロセスの解析について概説した。その後、中部・関東・東北を含む東日本におけるCs137の広域拡散と地表沈着について4月末までの試算を進め、厚生労働省等にその結果を提供したところである(厚生労働省報道資料, 食品中の放射性物質のモニタリング計画策定のための環境モニタリングデータ等の提供について(8月31日)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001nif2.html)本報告では、その結果とともに、主要な大気放出のあった3月に、日々のどのようなプロセスで、関東及び東北地方にCs137が降下したかを計算シミュレーションにより解析して示す
2.計算システムと計算条件
①計算システム:世界版SPEEDI (WSPEEDI)
②入力気象データ:気象庁GPV(MSM)解析データ
(3時間おき、水平格子間隔 地上0.0625×0.05 deg., 上空0.1×0.1 deg.)
※気象庁のアメダス、福島第一原発モニタリングカー及び第二原発鉄塔による気象観測データを一部期間で同化に使用
③計算領域・格子:東北、関東、及び中部地方を含む領域(690×960×10 km、3 km分解能)
④核種放出率:日本原子力研究開発機構が原子力安全委員会に報告した推定値
(5月12日公表、8月22日一部改定)。但し、4月6日以降は放出率推定を行っていないため4月5日の放出率が継続すると仮定。
⑤計算期間:2011年3月12日9時~5月1日0時

以下省略
3月12日から5月1日部分(積算?)

静岡県から岩手県まで、そして近海の汚染状況がよくわかります。数字単位は、Bq/㎡  福島原発、飯館村周辺の■色は、10万Bq/㎡以

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榊原英資氏「60円台突入も」 円高活用へ発想を転換すべし

2011.09.13 Tue posted at: 11:47 JST CNN
http://www.cnn.co.jp/business/30003965.html


東京(CNN) 「ミスター円」として知られる榊原英資元財務官はCNNのインタビューに答え、外国為替市場で続く記録的な円高をめぐり、為替介入では対応できないとの見方を示し、円高を活用する発想への転換が必要だと述べた。
榊原氏は、効果的かつ継続的な介入には他国からの協力が不可欠だと指摘。米政府が暗にドル安政策を進めている現状で、協力を得ることは難しいと語った。
榊原氏はそのうえで、円高は今後も当分の間続き、1ドル=60円台に突入する可能性さえあるかもしれないとの見通しを示した。
欧州の債務危機や米経済の停滞など不安定要因が目立つ世界経済の中で、円は比較的安全な資金の逃避先とみられている。その結果、円相場は戦後最高値を更新する水準まで達した。欧米への輸出に依存してきた日本の製造業は深刻な打撃を受けている。日本政府は8月4日に単独介入を実施したものの、その効果は限定的だった。
スイスはスイス・フラン高の抑制に向けて無制限の介入策を発表したが、榊原氏によれば、日本に同様の選択肢はない。経済の規模がスイスよりはるかに大きく、介入資金がもたないからだ
榊原氏は、日本に残された解決策は製造業のグローバル化だと主張する。円高のチャンスを利用して海外に生産拠点を設け、M&A(企業合併・買収)を積極的に進めてグローバルな成長を目指すべきだという。同氏は、真のグローバル企業になれば為替レートに左右されることはないと強調した。

 製造業の「真のグローバル企業」化という発想には、疑問が募る。日本産業の空洞化を齎し、国力低下→企業衰退の道をたどることとなろう。

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当事者が初めて語った「放射能失言」の裏側!鉢呂経産大臣は原発村を揺るがす
「原発エネルギー政策見直し人事」
の発表寸前だった

2011年09月14日(水)長谷川 幸洋 現代ビジネス
カテゴリーアイコン
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/19475
長谷川幸洋「ニュースの深層」

鉢呂大臣は原発村のタブーに触れていた 〔PHOTO〕gettyimages
鉢呂吉雄経済産業相の辞任問題は、いまも謎の部分が多い。
 鉢呂が記者会見で「死の町」と発言したのは事実である。だが、大臣辞任にまで至ったのは、記者との懇談で「放射能をうつしてやる」と"発言"したという新聞、テレビの報道が批判に拍車をかけた側面が大きい。
 ところが、その発言自体の裏がとれないのだ。高橋洋一さんが9月12日付けのコラムで指摘したように、各社の報道は「放射能をうつしてやる」(東京新聞)から「放射能をつけちゃうぞ」(朝日新聞)、「放射能を分けてやるよ」(FNN)に至るまでまちまちだった。
 鉢呂本人は終始一貫「そういう発言をしたかどうか記憶にない」と言っている。実際の発言がどうだったかどころか、本当にそういう趣旨の発言をしたかどうかさえ、はっきりとした確証がないのである。
 そこで私は13日午後、鉢呂本人に衆院議員会館の自室でインタビューした。鉢呂事務所は「辞任以来、どなたの取材も受けていません」と取材をいったん断ったが、その後、数時間経って「本人がお会いすると言っている」と連絡があり、インタビューが実現した。以下はその主なやりとりである。
「朝日新聞の記事は間違いだ」
 -いま、どういう心境か。
「『死の町』という言葉は、大変な被災に遭った福島のみなさんに不信の念を抱かせる発言だったと思っている。私は原発から3キロ圏内を視察した。ひとっ子1人いない様子を見て、私にはああいう表現しか思い浮かばなかった。申し訳ないし、反省している」
 -8日夜の記者懇談はどういう状況だったのか。
「あの夜、視察から赤坂の議員宿舎に戻ってくると、記者さんが5,6人待っていた。みんな経済部の記者さんだと思うが、私はそれまで経済部と付き合いがなかったので、顔見知りはだれもいなかった。後ろのほうに政治部の記者さんが2人いたと思う。こちらは知っている」
「原発周辺では線量計を持っていた。私は一日で85マイクロシーベルトだった。その数字を記者たちに喋ったのは、はっきり覚えている。朝日の検証記事(13日付け)で『私が線量計をのぞいて数字を読み上げた』というのは間違いだ。線量計はJビレッジ(原発作業員の基地)に返却してきた」
 -「放射能をうつしてやる」と言ったのは本当か。
「『うつしてやる』とか『分けてやるよ』と言った記憶は本当にないんです。もしかしたら『ほら』という言葉は言ったかもしれないが、それさえ、はっきり覚えていない。『ほら、放射能』という報道もあったが、放射能という言葉を出したかどうか分からない」
「はっきり言えるのは、私が防災服を記者になすりつけるような仕草をしたことはないっていう点です。一歩くらい記者に近づいたことはあったかもしれないが、なすりつけるようなことはしていない。そんなことがあれば覚えています」
 -記者は発言を録音していなかったのか。
「していなかったと思う」
「第一報を流したフジテレビは現場にいなかった」
 -朝日の検証記事によれば「放射能をうつしてやる」発言の第一報はフジテレビだったとされている。フジの記者は懇談の場にいたか。
「フジテレビはいなかった。フジの記者は○○さん(実名)という女性なので、それは、あの場にいれば分かります」。
 フジは「放射能を分けてやるよ、などと話している姿が目撃されている」と伝聞情報として第一報を伝えている。鉢呂の話でも、フジの記者は現場にいなかったという。ここは大事なポイントである。
 -大臣辞任は自分から野田佳彦首相に言い出したのか。
「そうです。あの日は工場視察に出かけるとき、記者が宿舎にたくさん集まっていた。そのとき、どういう気持ちだったかといえば、これから視察に行くわけですから(辞任の意思はなかった)…。ただ工場視察を終えて、午後7時から総理にお会いするときは腹が決まっていた」
 -首相から辞任を求められたのではないか。
「それはない。私はまず一連の事実経過を説明し、そのまま話を続けて、辞める意志を自分で伝えました」
 -ずばり聞くが「大臣は経済産業省にはめられたのではないか」という説がある。これをどう思うか。
「それは憶測でしょう。私は推測でモノは言いたくない」
 -役所と対立したことはなかったのか。「鉢呂大臣は幹部人事の入れ替えを考えていたらしい」という話も流れている。
「幹部人事をどうするか、だれかと話したことは一度もない」
「原発反対派を加えて、賛成反対を半々にするつもりだった」
 そして、ここからが重要な部分である。
 -脱原発依存やエネルギー政策はどう考えていたのか。
「政府はエネルギー政策を大臣レベルの『エネルギー・環境会議』と経産省の『総合資源エネルギー調査会』の二段構えで検討する段取りになっていた。前者は法律に基づかないが、後者は法律(注・経産省設置法)に基づく会議だ。調査会は今年中に中間報告を出して、来年、正式に報告を出す方針だった」
「このうち総合資源エネルギー調査会は私が着任する前の6月段階で、すでに委員の顔ぶれが内定していた。全部で15人のうち3人が原発反対派で残りの12人が賛成派だ。私は事故を受けて、せめて賛成派と批判派が半数ずつでないと、国民の理解は得られないと思った。それであと9人から10人は反対派を加えて、反対派を合計12、3人にするつもりだった。委員に定数はないので、そうすれば賛成と反対が12人くらいずつで半々になる」
 -それには役所が抵抗したでしょう。
「役所は『分かりました』という返事だった。私が出した委員候補リストを基に人選を終えて、後は記者発表するばかりのところだった」
-もう一度聞くが、それで役所と激論にならなかったのか。官僚は面従腹背が得意だ。
「私は最初から強い意思で臨んでいた。私は報告書の内容が必ずしも一本にならず、賛成と反対の両論が記載されてもいいと思っていた。最終的にはエネルギー・環境会議で決めるのだから、役所の報告が両論併記になってもいいでしょう。私のリストは後任の枝野幸男大臣に引き継いだ。後は枝野大臣がどう選んでくれるかだと思う。」
 この話を聞いて、私は「これで鉢呂が虎の尾を踏んだ可能性がある」と思った。鉢呂は大臣レベルの会議が物事を決めると考えている。ところが、官僚にとって重要なのは法律に基づく設置根拠がある調査会のほうなのだ。
 なぜなら、法律に基づかない大臣レベルの会議など、政権が代わってしまえば消えてなくなるかもしれない。消してしまえば、それでおしまいである。ところが、法に基づく会議はそうはいかない。政権が代わっても、政府の正式な報告書が原発賛成と反対の両論を書いたとなれば、エネルギー政策の基本路線に大きな影響を及ぼすのは必至である。官僚が破って捨てるわけにはいかないのだ。
フジテレビはなぜ報じたのか
 以上の点を踏まえたうえで、フジの第一報に戻ろう。
 もし鉢呂の話が真実だとしたら、フジはなぜ自分が直接取材していないのに、伝聞情報として「放射能を分けてやる」などという話を報じられたのか。
 記者の性分として、自分が取材していない話を報じるのはリスクが高く、普通は二の足を踏む。万が一、事実が違っていた場合、誤報になって責任を問われるからだ。記者仲間で「こんな話があるよ」と聞いた程度では、とても危なくて記事にできないと考えるのが普通である。
 どこかの社が報じた話を後追いで報じるならともかく、自分が第一報となればなおさらだ。
 フジは鉢呂本人に確認したのだろうか。私はインタビューで鉢呂にその点を聞きそこなってしまった。終わった後で、あらためて議員会館に電話したが、だれも出なかった。
 もしも、フジが本人に確認したなら、当然、鉢呂は「そういう記憶はない」と言ったはずだ。それでも報じたなら、伝聞の話に絶対の自信があったということなのだろう。
 経産省は鉢呂が原発エネルギー政策を中立的な立場から見直す考えでいることを承知していた。具体的に調査会の人選もやり直して、発表寸前だった。そういう大臣が失言で失脚するなら当然、歓迎しただろう。
 そして「死の町」に続く決定的な"失言"をテレビが報じたのを機に、新聞と通信各社が後追いし既成事実が積み上がっていった。いまとなっては真実は闇の中である。
子供のことを考え、1ミリシーベルト以下にするよう首相に頼んだ
 -福島では「鉢呂さんは子供の被曝問題でしっかり仕事をしてくれていた」という声もある。
「それは年間1ミリシーベルトの問題ですね。8月24日に私は福島に行って除染の話を聞いた。『政府は2年間で汚染を6割減らす』などという話が報じられていたが、汚染は割合の話ではない。あくまで絶対値の話だ。しかも1ミリシーベルトは学校を想定していたが、子供は学校だけにいるわけではなく通学路も家庭もある。そこで私は菅総理と細野大臣に電話して、子供の生活全体を考えて絶対値で1ミリシーベルトにしてくれと頼んだ」
「すると菅総理も細野大臣も賛同してくれて、2日後の26日に絶対値で1ミリシーベルト以下にする話が決まった。良かったと思う
 -辞任記者会見では「何を言って不信の念を抱かせたか説明しろって言ってんだよ!」と暴言を吐いた記者もいた。あの質問をどう思ったか。
その記者と部長さんが先程、私の事務所に謝罪に来ました。私はなんとも思っていません。部長さんにも部下を責める必要はないと言いました。まあ、仕事ですからね
 取材とはいえ、ああいう言い方はない。「記者」という仕事の評判を貶めただけだ。まったく残念である。
(文中敬称略)

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Astronomy Picture of the Day


2011 September 13 See Explanation.  Clicking on the picture will download
the highest resolution version available.
Great Orion Nebulae
Image Credit & Copyright:
Jesús Vargas (Astrogades) & Maritxu Poyal (Maritxu)
私がM32(アンドロメダ)以外で、初めて見た星雲です。200mmの口径では、青色で、亡手塚治虫氏の「火の鳥」のように見えました。鳥の部分は、ほぼ月の視角と同程度です。

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デジカメを新しく買った。

FUJIFILMのものだが、取説の字が小さすぎて、読めない。

ルーペで拡大してみているが、読む気力がなくなった。

老人用に、読みやすい取説をつけて欲しいものだ。

・・・・・本日は、これまで・・・・・

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