2016年7月22日金曜日

取り出した「デブリ」、どこで「保管する?」 機構「石棺」文言を削除 ※伊方原発の再稼働で元四国電力社員「現行避難計画に欠陥」指摘 ※3カ月の非常事態宣言発効=人権条約は一時停止-トルコ

hosi@hosinoojisan

取り出した「デブリ」、どこで「保管するの?」 機構「石棺」文言を削除 

伊方原発の再稼働で元四国電力社員「現行避難計画に欠陥」指摘

3カ月の非常事態宣言発効=人権条約は一時停止-トルコ

南スーダンでの安全確保困難 大使ら陸自宿営地に避難



原子力損害賠償・廃炉等支援機が、「石棺」文言を削除したが、基本的姿勢は「修正」として堅持している。

これは当然で、いくら『石棺』方式には反対と言っても、では、取り出したデブリをどこで保管するのかと言う問題には、みんなだんまりを続けている。

超高濃度放射能汚染源であるデブリをどうするのかと言う問題を、意識的に避けているのである

福島県知事が、「石棺方式」はだめだと言ったところで、では、デブリの保管場所をどうするかについては、沈黙しているが、他県が、引き受ける訳でもなく、福島で保管施あるを得ないのである

そういう意味では、技術革新の進歩を期待しつつ、当面、「石棺方式」を認めざるを得まい。

関係住民を欺き続けるのではなく、「真実」を明らかにして、関係住民の「今後の生活」をどうするのか提起すべき時期に来ていると言っておきたい。

もういい加減に、住民を欺き続けるのではなく、真実を明らかにして、今後の生活保障をどうするか検討すべきと提言しておきたい。

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トルコのエルドアンの「独裁」政権化がますます明らかになりつつある。

内容を精査すると、安倍政権が主張する「緊急事態法」と瓜二つである

当面、東京都知事選挙で勝利して、安倍政権の弱体化の運動を強めよう。

以上、雑感。



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取り出した「デブリ」、どこで「保管するの?」

機構「石棺」文言を削除 第一原発廃炉プランの修正版公表

( 2016/07/21 08:53 カテゴリー:主要 ) 福島民報
http://www.minpo.jp/news/detail/2016072132972
 原子力損害賠償・廃炉等支援機構は20日、東京電力福島第一原発の廃炉作業に関する新たな戦略プランで言及した溶融燃料(燃料デブリ)を取り出さず建屋をコンクリートで覆う「石棺」の文言を削除した修正版を公表した。核燃料の長期放置は「世代間の安易な先送り」とし、石棺の文言を外し「このような取り組みは採用せず、デブリを取り出す」と強調している。
 修正版は燃料デブリを取り出していないチェルノブイリ原発事故を念頭に、「核燃料物質を回収の見通しなく長期的に放置することは、当面の閉じ込めに効果があるとしても、長期にわたる安全管理が困難」と指摘。その上で「(福島第一原発の廃炉では)燃料デブリの取り出しの取り組みを進める」と明記した。
 同日、東京都内で会見した山名元理事長は「住民が誤解、心配しやすい表現になっていた部分を修正した。(当初のプランは)配慮に欠けた」と釈明。燃料デブリを取り出す方針は「修正前後で変わっていない」と明言し、石棺方式の採用を改めて否定した。
 石棺方式に触れた部分を削除せずに修正とした理由について、機構はデブリの取り出しよりも石棺方式を支持する一部専門家や政府関係者がいる。機構はデブリの取り出しが必要との立場で、石棺の技術的な問題点を戦略プランで明確にしておくべきだと考えたとしている。
 内堀雅雄知事は「表現を削除・修正したことで石棺方式の導入はなくなったと受け止めている」と述べ、一定の評価をした。さらに「機構は石棺方式という表現が県民に非常に大きなショックと不安を与えたと肝に銘じ、経緯を鑑みてしっかりと廃炉を進めてほしい」と注文した。
 機構が13日に発表した戦略プランでは、燃料を取り出さない石棺方式に初めて言及。燃料デブリの取り出しが大前提としながらも、「今後明らかになる内部状況に応じて、柔軟に見直しを図ることが適切」と選択の余地を残す内容だった。県や関係市町村は猛反発し、県と経済産業省が機構側に削除や修正を求めていた。
◇戦略プランの修正後と修正前
【修正後】
 こうした視点を踏まえれば、チェルノブイリ原子力発電所4号機の事故への取り組みから懸念されるように、核燃料物質を回収の見通しなく長期的に放置することは、当面の閉じ込めに効果があるとしても、長期にわたる安全管理が困難であり、世代間での安易な先送りと言わざるを得ない。
 したがって、福島第一原子力発電所の廃炉においては、このような取り組みは採用せず、以下のように燃料デブリの取り出しの取り組みを進めることとする。
【修正前】
 なお、チェルノブイリ原子力発電所4号機の事故に対して取られた、通称“石棺方式”の適用は、原子炉建屋の補強などによる当面の閉じ込め確保に効果があるとしても、長期にわたる安全管理が困難である。
したがって、現時点においては燃料デブリの取り出しによる中長期のリスク低減に取り組むこととし、今後明らかになる内部状況に応じて柔軟に見直しを図ることが適切である。その際、長期的な責任継承に関する不確実性や世代間での安易な先送り等に対する懸念を十分に踏まえることが求められる
当方注:
デブリを取り出したとしても、超高濃度放射線を発する「デブリ」の保管場所がない。
当然、福島以外の県では、受け入れ先もなく、「デブリ」が路頭に迷う事となる。
取り出したとしても、「石棺」で格納する以外方策はないのである
県知事等が、「誤魔化しても」住民を欺くだけである。
もう、住民には真実を伝え、進路選択を提起すべき時期と言っておきたい。

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廃炉計画から石棺削除 専門家「丁寧な説明必要」

(7月21日4時32分)NHK http://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/20160721/0432_sekkan.html 先週、公表された東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた技術的な計画で初めて記述された核燃料を取り出さずに建屋内で閉じこめる「石棺」と呼ばれる方法について、国の専門機関は福島県など地元の反発を受けて計画から記述を削除しました。専門家は廃炉の目標を明確にし、丁寧に説明する必要があると指摘しています。
福島第一原発の廃炉に向けて国の「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」は、今月13日、事故で溶け落ちた核燃料を取り出すことがあくまで大前提としたうえで、核燃料を建屋内で閉じ込める「石棺」と呼ばれる方法に初めて触れ、この方法に選択の余地を残した技術的な計画を示しました。
ところが、福島県など地元から容認できないとする声が相次ぎ、20日、公表された修正版では、石棺という文言とともに選択の余地を示す「今後明らかになる内部状況に応じて柔軟に見直しを図ることが適切である」などとしていた文章を削除し、「福島第一原発の廃炉ではこのような取り組みは採用しない」などとしました。
会見で、原子力損害賠償・廃炉等支援機構の山名元理事長は「住民の誤解や心配を招きやすい表現となっていた。核燃料を長期間放置することはないという当初から言っていた姿勢は変わらず、『石棺』ということばに意味はなかった」と説明しました。
これについて福島県の内堀雅雄知事は、「私自身、石棺方式については今後も導入されることはないと受け止めているが、県民は疑心暗鬼にもなっており国と当事者は不安を与えた経緯を踏まえて廃炉を進めてほしい」と述べました。
一連の対応について、日本原子力学会で廃炉検討委員会の委員長を務める宮野廣さんは、「計画で最終的に廃炉をどういう形に持っていくかを明確にしていないため、『石棺』ということばが一人歩きしてしまった。まずは目標を十分に議論し、丁寧に説明する必要がある」と指摘しています。
その一方で、地元の反発を受けて僅か1週間で修正に至ったことについて、「今回の計画はどのような方法や課題があるかを示す技術的な報告書なので、誤解を招くからといって直ちに修正するのではなく、本来はもっと説明を尽くすべきだったのではないか」との考えも示しました。

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伊方原発の再稼働で元四国電力社員「現行避難計画に欠陥」指摘

2016.07.21 08:35 高知新聞 http://www.kochinews.co.jp/article/36608/ 伊方原発の避難計画の問題点を指摘する松野元さん(高知県南国市の高知大学医学部) 伊方原発の避難計画の問題点を指摘する松野元さん(高知県南国市の高知大学医学部)  高知大学医学部(高知県国市岡豊町小蓮)で20日、原子力防災を学ぶ公開授業があり、元四国電力社員で原子力防災が専門の松野元さん(71)=松山市=が、四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)について「事故の際、自治体と事業者が情報を共有する仕組みがない」と現行の避難計画の欠陥を指摘した。
 松山市出身の松野さんは四国電力に入社し、原子力の安全確保に取り組む原子力発電技術機構(現・原子力安全基盤機構)に出向していた経験を持つ。
 松野さんは、東京電力福島第1原発の事故について「当時の日本に原子力防災がなかった」と指摘
避難指示の遅れのほか、甲状腺被ばくを抑える安定ヨウ素剤を飲む指示を出さなかったことなど、発生直後の政府の対応を批判した。
 3号機の再稼働手続きが大詰めの伊方原発に関しては「再稼働に反対ではないが」と断りつつ、「フィルター付きベントなしでどう事故を防ぐか訓練してほしい」。避難計画については「距離ごとの段階的な避難は非現実的だ」などと欠陥を挙げた。特に「避難計画が自治体に丸投げされている」ことを問題視し、「(自治体と事業者の)双方が相談し合って計画を作るべきだ」と訴えた。
 公開授業は高知大学の医学科4年生を対象にした「災害・救急医療学講座」の一つ。学生ら約200人が聴講した。

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8月にも伊方再稼働差し止め訴訟 大分、原告団は100人超

2016/7/21 18:45 共同通信 http://this.kiji.is/128795178487055863?c=39546741839462401  四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の再稼働差し止めを求め、対岸に位置する大分県の住民らが早ければ8月にも運転差し止め訴訟を大分地裁に起こす見通しとなった。住民側の代理人弁護士が21日、明らかにした。原告団は100人を超える見込みだ。  21日は本訴に先立ち、住民の一部が運転差し止めを申し立てた仮処分の第1回審尋が大分地裁(竹内浩史裁判長)で開かれた。記者会見した代理人弁護士によると、この日は争点と証拠の整理を中心に進められ「地震と津波、土砂災害(が起きた際の危険性)が主な争点になるだろう」と説明した。

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トルコ国会、非常事態宣言を承認 大統領に強権、懸念も

2016年7月22日 00時51分 東京新聞 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016072101001937.html  【アンカラ共同】トルコ国会は21日、エルドアン大統領が表明した3カ月間の非常事態宣言を賛成多数で承認した。クーデター未遂事件後、「反乱勢力」の大規模粛清を進めるエルドアン政権は、市民の権利を制限して「治安対応」に当たる権限を得た 強権姿勢を強めるエルドアン氏に、国際社会の懸念は一層強まりそうだ。事件は22日で発生から1週間。  トルコ憲法などの規定によると、非常事態宣言は治安や秩序が著しく混乱した際に発令できる。国民の権利や自由を制限することが可能で、大統領主宰の閣議が議会を通さずに出せる法令は違法性が問えない 当方注: 安倍政権が提起する「緊急事態法」と極似、危険性が明らか。

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3カ月の非常事態宣言発効=人権条約は一時停止-トルコ

(2016/07/22-00:38)JIJICOM
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016072100615&g=int

 【エルサレム時事】ロイター通信によると、トルコのクーデター未遂を受けた3カ月の非常事態宣言が同国官報に掲載され、21日午前1時(日本時間同7時)に発効した。国会に提出され、正式に承認された。
 トルコの憲法では、政令は官報に掲載された日に発効し、国会で否決された場合、否決の決定が官報に掲載された日をもって無効となる。非常事態宣言にも、この規定が適用されたとみられる。
 トルコのメディアによると、クルトゥルムシュ副首相は21日、非常事態宣言は1カ月から1カ月半で解除されるとの見通しを表明。その間、人権や基本的自由の保護を定めた欧州人権条約は一時停止させると明かした。
 エルドアン大統領は20日、首都アンカラで国家安全保障会議と閣議を主宰。その後の記者会見で、非常事態宣言を発令する決定を発表した。
 非常事態宣言の下では、国民の基本的権利や自由の行使の制限が可能となるほか、大統領を議長とする閣議で国会の手続きを経ずに、法律と同等の効力を持つ政令を発出できる。
シムシェキ副首相は21日、ツイッターに「(非常事態宣言下でも)一般人の生活や商売が影響を受けたり中断されたりすることはない」と投稿し、人権面でも後退はないと強調した。
当方注:
「犯罪的粛清」を行ったエルドアン政権下の議会では、「反対」出来なくなっている。
このままでは、エルドアンが死なない限り、長期「非常事態」体制が続くことになろう。

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官房長官 トルコの企業活動停止要請「法に基づき対応」

7月21日 19時22分 NHK http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160721/k10010603631000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_005 官房長官 トルコの企業活動停止要請「法に基づき対応」 菅官房長官は午後の記者会見で、トルコの駐日大使がクーデター未遂に関わったイスラム組織と関係する企業が日本国内にあるとして、企業活動の停止を政府に求めていることについて、要請があったことを認めたうえで、法律に基づいて対応していく考えを示しました。 トルコで起きたクーデター未遂を巡って、トルコのビュレント・メリチ駐日大使は20日記者会見し、エルドアン政権がクーデターの黒幕だとしているイスラム組織「ギュレン教団」と関係する企業などが日本国内にもあるとしたうえで、関係する企業などの活動を停止させるよう日本政府に協力を求めたことを明らかにしました。
これについて菅官房長官は午後の記者会見で、「トルコ大使が言及した件は、政府としては、事実関係を踏まえて、国内法に基づいて適切に判断していきたい。国内法に基づいて判断するということが当然のことではないか」と述べ、要請があったことを認めたうえで、法律に基づいて対応していく考えを示しました。

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南スーダンでの安全確保困難 大使ら陸自宿営地に避難

2016年7月21日 東京新聞 朝刊 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201607/CK2016072102000136.html 写真 16日、南スーダンの首都ジュバで、最近の戦闘で破壊された戦車=ロイター・共同  【アディスアベバ=共同】戦闘が再燃した南スーダンで、現地駐在の紀谷(きや)昌彦・日本大使と大使館員一人が安全確保のため、夜間は首都ジュバで国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊の宿営地に避難して宿泊していることが二十日、関係者への取材で分かった。  中谷元・防衛相は南スーダン情勢について「武力紛争に該当する事態ではない」と強調し、PKO参加五原則は維持されているとの立場。しかし、大使館でさえ安全確保が困難な状況が浮き彫りになり、陸自派遣継続の是非が改めて問われそうだ。大使公邸や館員の宿舎は大使館の敷地内にある。  陸自部隊はPKOの南スーダン派遣団(UNMISS)に参加。現在は第七師団(北海道千歳市)を主力とする十次隊が展開している。戦闘が再燃してからは国連施設の外に出られず、十九日時点で活動を再開できていない。  ジュバの大使館員のうち四人は十四日、航空自衛隊のC130輸送機で近隣国のジブチに退避した。関係者によると、紀谷大使と大使館員の計二人が南スーダンに残り、この日から夜間は陸自の宿営地に身を寄せている。日中は大使館で執務したり、国連施設での会合に出席したりしており「業務に支障はない」(外務省関係者)という。 写真  紀谷大使は共同通信の電話取材に「治安状況は厳しい。安全を確保して可能な限り勤務を継続しようとしている」と説明。南スーダンに現在も残る国際機関職員ら日本人約二十人の安否確認や南スーダンの国造り支援など大使館の業務を続けると述べた。  ジュバでは八日にキール大統領派と元反政府勢力との間で大規模な戦闘が発生し、二百七十人以上が死亡した。双方は十一日の停戦命令に従い、戦闘は止まったが、兵士による略奪行為が報告されるなど治安は安定していない。

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南スーダンPKO:陸自宿営地に複数の流れ弾

毎日新聞2016年7月21日 21時03分(最終更新 7月21日 21時41分) http://mainichi.jp/articles/20160722/k00/00m/040/055000c  南スーダンに国連平和維持活動(PKO)で派遣されている陸上自衛隊の宿営地に、複数の流れ弾が着弾していたことが分かった。小銃弾とみられる。陸自によると、隊員に被害はなく、安全を確保している。同国は治安が悪化している。  陸自トップの岡部俊哉陸上幕僚長が21日の記者会見で明らかにした。今月7日以降、政府軍と元反政府勢力の戦闘が激化し、流れ弾が陸自宿営地の上空を通過していた。岡部陸幕長は着弾について「自衛隊を狙って撃たれたものではない」と述べた。現地情勢については「比較的安定しているが、予断は許さない」とした。【町田徳丈】

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(新ポリティカにっぽん)不破さん「初めての体験」

早野透=元朝日新聞コラムニスト・桜美林大学名誉教授 2016年7月19日11時12分 朝日新聞 http://digital.asahi.com/articles/ASJ7L5RH5J7LUEHF00J.html?rm=234 写真・図版
共産党新顔の応援演説に立ったSEALDsの奥田愛基さん(左)と共産の不破哲三・前議長=8日、JR浦和駅前 
 7月15、16日、トルコで軍の一部のクーデター未遂事件が起きた。市民を含め、200人を超える死者が出たらしい。
 その前、フランス南部のニースで、花火の見物客に大型トラックが突っ込んだテロが起きた。7月14日、革命記念日を狙ったのか、84人の死者が出たと伝えられる。  その前、7月1日には、バングラデシュの首都ダッカで、イスラム過激派によって外国人向けレストランが襲われ多数の客が殺され、そこに日本人7人が含まれていた。世界各地で、次々と恐ろしいテロ事件が起きた。 ログイン前の続きわが日本では、突然、天皇陛下の「生前退位」の意向がビッグニュースとして浮上したりした。心落ち着かない日々である。この間、7月10日に投開票があったばかりの参院選のことも、へたすると、そんなことあったっけ、という気分になりそうである。次なるは、7月31日の東京都知事選。有力3人のレースにテレビのワイドショーの興味は移る。  ということなのだが、やはり、参院選に表れた日本国民の「民意」、それをどう読むか、これからどうなるか、「新ポリティカにっぽん」としては、こだわりたい。すでに若干の時日がたったとはいえ、論ずべきは論じておきたい。 ■不破さんの自民党論  さて、その参院選は、安倍晋三首相か、野党共闘か、どっちが勝ったのか。  むろん、安倍さんが満面の笑みで当選の赤いバラを候補者の名につけていたから、安倍さんが勝ったのだろう。新聞各紙が改憲勢力が3分の2に達したと大見出しを立てていた。すでに衆院は自民、公明の与党だけで3分の2を制しているから、いつでも好きなときに宿願の憲法改正を発議できる条件が整って、いわば安倍さんの「わが世の春」である。と思うのだが、その一方で、今回、32の1人区で野党共闘が成立、そのうち11区で野党共闘が勝っている。なかなか健闘したというべきではないのか。  7月5日、選挙戦の終盤、共産党の不破哲三前議長(86)が甲府市民進党「公認」候補を応援した。  「宮沢由佳さんをよろしく」  かつて、国会で自民党政権を厳しく追及して共産党の名を高からしめ、いまや共産党のレジェンドともいわれる不破さんの、他党の候補を名指しで推す声がマイクから流れたのである。そのときの不破さんの演説をユーチューブで聞いてみる。  「私は1960年代から国政の場で、自民党と戦う選挙戦をしてきたが、今回は初めての経験です。まさに日本政治の新しい流れが湧き起こった。あの安倍政権に日本政治はまかせられない。これ以上まかせると大変なことになる」  「初めての経験」とは、つまり、今回の野党共闘ということだろう。党のきっての理論家である不破さん、民進党の政策には不満もあるだろうに、ここはまとまって安倍政権と対峙(たいじ)しなければということである。ここから不破さんの「昔の自民党と安倍自民は違う」という自民党論が語られる。  「安倍政権は、これまでの自民党の長い歴史でもとびきり異常である。昔の自民党はいわば『保守総連合』で、党内にいろんな意見があって、野党の追及が彼らの弱点をつくと誤りを認めて訂正するゆとりがあった。いま安倍さんの自民党は一色で、ゆとりも幅もなくなった  不破さんといえば、政権をただす国会質問はとびきり鋭く、自民党政治と強く対決していたはずなのに、へー、「昔の自民党」のことはこんなふうに評価しているんだね。不破さんは1969年に衆院議員になり連続当選10回、2003年に退いた。いわゆる「三角大福中」から「安竹宮」、それぞれ5人の派閥ボス、3人の派閥ボスが首相の座を争い合従連衡しながら自民党政権を担った時代だった。不破さんが語った往時の自民党の「誤りを認めて訂正するゆとり」、不破さんのこんな体験かららしい 田中角栄首相のとき、不破さんは、米原潜が寄港する際の放射能調査にデータ捏造(ねつぞう)があると追及した。それはいかん、と角栄首相はアメリカの圧力をかわしながら183日間、入港をストップさせた。 石油ショックで便乗値上げ、業者の売り惜しみが横行した。不破さんが政府の価格調査官がまったくさぼって調べていないことをあばいた。すると、角栄首相は1週間たたないうちに、これに代わって、専任調査官75人を任命した。  不破さんは角栄首相に「中国に対する日本の戦争は侵略戦争と認識するか」と聞いた。角栄首相は「私が言えるか。後世の歴史家が結論を出すことだ」と逃げの答弁をした。しかし、この問題は、「三角大福中」が順に首相になり、最後の中曽根康弘首相に至って「侵略戦争」と認めた。中曽根氏は「米英とは普通の戦争、しかしアジアに対しては侵略戦争」という仕分けをした。  なるほど、身近な生活の問題から歴史認識の問題に至るまで、自民党と野党の間に、それなりに対話が成立していた。「質問していて一番面白かったのは田中角栄氏。官僚を通さず、自分で仕切る実力を感じさせました」とかつて不破さんは語っている。しかるに、いまの安倍政権はなんだ、という不破さんの怒りが見えてくる。 ■「評価を落とす政策は避けて通る」  「この間、朝日新聞に、第1次安倍内閣官房長官だった与謝野馨さんの談話が載っていた。私と同じことを言っていた。いまは党総裁、幹事長が絶大な権力を持っていて、うっかり正論をいうとにらまれる、ポストをもらえない、選挙の公認で意地悪される、と低次元になっているチェック・アンド・バランスがなくなった、と申しておりました。自民党のそれぞれの派閥は歴史と特性を持ち、ときの執行部に意見を言ってきた。いまは、独裁政治以外の何物でもないじゃないのか 小選挙区に変わったことから、こんな小心翼々たる自民党になってしまったのか、しかし、不破さん、これではなんだか、かつての自民党の派閥政治のほうがよかったと言っているように聞こえますよ、と言いたくなる。しかし往時を知る政治記者として、わたしもあのころは確かに、野党は真剣に質問し、政府与党は真剣に答えるという政治の雰囲気があったように思う。  それに比べて昨今の安倍政治、息苦しさを感じる。野党に対しては、ただあしらってやりすごしているようにも見える。消費税の10%への引き上げを延期し、これは「公約違反」ではなく「新判断」だと言い抜けた。沖縄の問題も先送り、与謝野さんは「安倍政治は、国民の評価を落とす危険のある政策は避けて通る基本体質を持っている」と述べている。「憲法改正」に選挙戦でまったく触れなかったのも、そういうことかもしれない。 参院選「痛み分け」……都知事選  なるほど、そうした安倍政治の空気への反発だったのか、福島と沖縄で現職閣僚が落選、野党共闘候補が当選した。いうまでもなく、福島は大震災の原発事故による放射能汚染が重くのしかかり、沖縄では辺野古基地問題が暗礁に乗り上げている。そんなふうに考えると、果たして安倍さんは堂々たる勝利といえるのか、「大勝」と笑って興じていられるものかどうか。  不破さんは、アベノミクスを批判、アメリカとの「血の同盟」強化、そのための憲法改正への動き、「みなさんのお宅に配られた自民党の選挙公報を見ましたか。憲法改正のケの字もないのに、だまし討ちじゃありませんか」と論難した。まあ、不破さんのかくしゃくとした演説も功があったのか、山梨選挙区では、野党共闘の宮沢由佳さんが当選した。  安倍さんが勝ったのか、野党共闘が勝ったのか、改憲勢力3分の2ライン突破は重大なことではあるけれども、選挙結果に対する国民の気分は「痛み分け」といったところではないか。  であればこそ、これに続く東京都知事選で、「参院選挙の結果を見て立とうと思った」という鳥越俊太郎氏の発言もわかる。いったいこれで安倍さんに憲法改正を許していいのかどうか。小池百合子増田寛也両氏との三つどもえの都知事選は、待機児童介護サービスの問題も重要だが、安倍さんか、野党共闘か、その戦いの延長戦でもある。(早野透=元朝日新聞コラムニスト・桜美林大学名誉教授)

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Astronomy Picture of the Day


Discover the cosmos! 2016 July 21 See Explanation.  Clicking on the picture will download
 the highest resolution version available. Falcon 9: Launch and Landing(ファルコン9の打ち上げと、第一段ロケットの回収着陸)

Image Credit & Copyright: Michael Seeley

説明: 説明:7月18日 ケープカナベラル空軍基地、フロリダで真夜中に打ち上げられたSpaceX社のファルコン9ロケットは、約9分後、ロケットの第一段ロケット回収しました。 ☆☆☆

妻純子の状況:

サチレーション100、ハートレート85±10、体温36.9℃で安定中。

他は、変化なし。

・・・・・本日は、これまで・・・・・

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