2011年5月14日土曜日

東電、メルトダウン認める。300km圏内の野菜類、魚介、海藻類の汚染深刻。政府・マスメディアの「風評被害宣伝」こそ、人命軽視の「風評被害」

木村建一 @hosinoojisan
 
東電、メルトダウン認める
崩壊への道に突き進む「原子力村(政・官・財・学体制)」
グリンピース、深刻な海洋汚染を指摘。
政府、グリンピースの海洋調査提案を拒否
300km圏内の野菜類、魚介、海藻類の汚染深刻
政府・マスメディアの「風評被害宣伝」こそ、人命軽視の「風評被害」
 
 昨日付のブログで、工程表問題が、国民を欺くための「詐欺的手法」と指摘し、「事実を正確に明らかにせよ」と発信していたが、事実は、その通りになったと言っておこう。
 これまで、否認してきていた「メルトダウン」を東電が、渋々認めたのである。
 この問題は、私自身、素人ながら、事故発生直後から指摘してきた問題である。
 専門家である、原子力安全委員会や東電は、事故発生直後からわかっていたと思われるが、「原子力村(政・官・財・学癒着体制)」が、一体となって、責任回避のため、「事実公表」を隠ぺいしたとみるべきであろう
 (蛇足になるが、一介の暇老人である私が、これらを指摘した、3月15日前後のブログに、12、500を超えるアクセスがあった)
 多くの識者や国民は、当初から疑っていたのである
 比較的軽症と思われていた1号機がこんな状況であるという事は、他の2~4号機の被害状況はさらに深刻な状況にあるとみて差し支えないであろう。
 ところで、300KM離れた、神奈川県の茶葉の汚染や、65KM離れた海洋での海藻汚染(グリンピース調査)は、政府の「風評被害」宣伝が、人命無視の「風評被害」の根源であることは、文科省の20キロsvへの基準拡大問題から理解出来るのではないだろうか?
 菅政権は、国際的なグリンピースの調査提起を断ったようであるが、これこそ問題であると指摘しておきたい。
 要するに、菅政権にとっては、国民の生命・財産よりも「菅政権延命策」を優先し、人命を軽視したという事であろう。
 朝日新聞や、読売新聞、毎日新聞等マスメディアは、「原子力村」という目の「鱗」を外して、正確かつ、真理を探究するという視点に立ち戻るべきではないかと主張しておきたい。
 私の主張を補完するような産経新聞と、AFBニュースの記事を記録しておこう。
 

東電1号機「メルトダウン」認める  

2011.5.13 01:21 (産経新聞WEB)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110513/dst11051301230001-n1.htm
 東京電力は12日、福島第1原発1号機で、燃料棒(長さ約4メートル)が冷却水から完全に露出して溶け落ち、圧力容器下部に生じた複数の小さな穴から水とともに格納容器に漏れた可能性があると発表した。東電は、この状態を「メルトダウン(炉心溶融)」と認め、格納容器ごと水を満たして冷やす「冠水(水棺)」作業の見直しに着手した。冷却作業に遅れが出るのは確実で、事故収束に向けた工程表は大幅な見直しを迫られることになった
 これまで圧力容器内の水位は通常時の燃料上端から約1・5~1・7メートル下とみられていたが、水位計を調整して測った結果、5メートル以下と判明。1号機原子炉の燃料がすべて露出していた時期があった可能性が高く、配管の溶接部に複数の小さな穴が開き、溶融燃料が格納容器に流出したとみられるという。
格納容器内にも水はあるため、漏出した可能性のある溶融燃料は冷やされて発熱しておらず、水素爆発の危険性は低いとみている。
 経済産業省原子力安全・保安院の西山英彦審議官は圧力容器内の水位について、「(燃料の)一定部分は溶けて下にあり、(水で)うまく冷やされている」との見解を示した。
 東電はこれまで、炉心の損傷割合は55%と推定していたが、今回は「溶けて(本来の)燃料棒としての形状を維持できていない」として燃料が完全溶融した可能性を否定していない
 東電は、燃料を冷やすために12日までに1号機圧力容器内に計1万トン余りを注水。現在も毎時8トンを注入し、冠水作業に取り組んでいるが、「3千トン以上の水がどこかにいっている」(東電)状況といい、圧力容器下部の溶接部から漏れ、さらに格納容器から漏水しているとみている
 今回の事態を受け、冠水作業について東電は「見直す必要がある」とし、保安院も「(燃料の)頂部まで水で満たすのは考えにくい」との見方を示した。
ただ、圧力容器下部の表面温度は100~120度と比較的低く、東電は「燃料は(水に浸かって)冷却できている」としている。
 

福島第1原発:1号機圧力容器に穴 工程表の前提崩れる

毎日新聞 2011年5月13日 0時56分(最終更新 5月13日 1時19分)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110513k0000m040174000c.html
東京電力が公開した圧力容器の模型写真(底部)
東京電力が公開した圧力容器の模型写真(底部)
 東京電力福島第1原発1号機で燃料棒を収めている圧力容器が損傷し、大量の水漏れが起きていることが12日、明らかになった。東電は同日夕、圧力容器の底に合計で数センチ相当の複数の穴が開いている可能性もあるとの見解を示した。17日には同原発事故の収束までの課題を示した新しい工程表を発表するが、現在の工程表で盛り込まれていなかった「圧力容器の破損」という事態に、計画の見直しを迫られることは必至だ。【中西拓司、足立旬子、岡田英】
 先月17日に示された工程表は、6~9カ月以内に原子炉の温度を100度未満の「冷温状態」にすることを目標に、3カ月以内に行う対策の上位に燃料域上部まで格納容器を水で満たす「水棺」の実施を挙げている。燃料のある圧力容器(360立方メートル)に注水し、そこから水をあふれさせて格納容器(7400立方メートル)に冠水させるという手法だ。
 ただし、水棺を実現するためには格納容器とその内部にある圧力容器がいずれも健全な状態であることが前提となる。工程表では、1号機の圧力容器破損の可能性については触れられておらず、格納容器についても「微量の蒸気の漏えい」を指摘しているだけだ。
 東電は燃料を冷やすため、毎日150立方メートルの水を圧力容器に注水し、これまで累計1万立方メートルを入れた。しかし、高さ20メートルある圧力容器の水位は高くても4メートルで、格納容器から漏水していることも指摘されている。
 圧力容器の底には、燃料の核反応を止める制御棒を駆動させるための装置が貫通しており、溶けた燃料の熱で溶接部に穴が開いた可能性がある。注水量と貯水量との比較などから、東電は穴は複数あり、大きさの合計は数センチ程度と推定した。また、大量の水や水蒸気が圧力容器の損傷部から格納容器側に漏れ出し、さらにその水が格納容器につながっている圧力抑制プールやタービン建屋に漏れ出している恐れがある。
 1号機は2、3号機に比べて冷却に向けた準備が最も進んでいた。「モデル」とされた1号機の新たなトラブルは「6~9カ月」とした日程に影響を与えそうだ。
 原子力技術協会の石川迪夫(みちお)・最高顧問は、燃料棒溶融について「冷やされているので(核分裂が連続する)再臨界などの可能性はない」としながら、「燃料棒が溶け落ちたという点では、米国のスリーマイル島原発事故(79年)と同じ状況だ。圧力容器の内部は非常に高温で、溶けた燃料棒は圧力容器の下部でラグビーボールのような形状に変形しているのではないか」とみている。

【関連記事】

福島第1原発、1号機で燃料溶融3号機付近では汚染水流出

2011年05月12日 20:09 発信地:東京 AFPBB News
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2799461/7203638?utm_source=afpbb&utm_medium=detail&utm_campaign=must_read
【5月12日 AFP】東京電力(TEPCO)は12日、福島第1原子力発電所1号機で作業員が圧力容器内の水位計を修理した結果、冷却のため圧力容器に注入した水が漏れていることが分かったと発表した。
 水位は長さ4メートルの燃料棒の底部より下にあり、燃料全体が空気中に露出している可能性があるという。しかし、圧力容器表面の温度は100~120度前後と比較的低いことから東京電力は、燃料が溶けるか位置がずれるかして容器の底に落ち、たまっている水に漬かって冷却されているのではないか、とみている。
 国際環境保護団体グリーンピースGreenpeace)は、これまでに発表された水位のデータのうち少なくともいくつかは全く間違っていたことになり、福島原発の状況が報じられているよりはるかに深刻なのは明らかだと指摘している。
■3号機付近からは汚染水流出
 東京電力はさらに、3号機の取水口近くのピットから放射性物質を含む水が海に流出し、近くで採取した海水から法定限度の1万8000倍のセシウム134が検出されたと発表した。ピットをコンクリートで埋めたところ、汚染水の流出は止まったという。
 枝野幸男(
Yukio Edano)官房長官は12日午前の記者会見で、汚染水の流出は「大変遺憾だ」と述べ、近隣の住民や漁業関係者、近隣諸国に陳謝した。
 グリーンピースが福島第1原発から65キロ離れた場所で採取した22の海草のサンプルを調べたところ、10のサンプルから1キログラムあたり1万ベクレルを超える高い放射線を検出したという。グリーンピースは日本政府に福島県沖の海草について徹底的な放射線調査を行うよう求めている。
神奈川県の茶葉から放射線、県が出荷自粛要請
 一方、神奈川県南足柄市で栽培された茶葉から、暫定規制値の1キログラムあたり500ベクレルを超える同570ベクレルの放射線が検出され、同県は出荷の自粛を要請した。神奈川県の担当者は、汚染源の特定には至っていないが福島原発以外の原因は想像できないと話している。(c)AFP/Yuka Ito
 グリンピースが指摘した原発から65キロ離れた場所での海藻汚染(1Kg当たり1万ベクトルを超える)は、極めて重要と思われるが、何故か政府は発表していない。
 海藻がこのような状況であれば、少なくとも、近海もの魚介類は飲食に堪え得ないと判断すべきであろう
 又、300KMを超える神奈川県南足柄市の茶葉の汚染も深刻な状況を示している。
 単純に言えないが、300KM圏内の野菜類は全て汚染の可能性があることを示している。
 風評被害を口実に、基準を「ごまかして」汚染魚介類野菜類の販売を認可することは許されないと言っておこう。
 民主党はもとより、自民党、公明党、国民新党、はもとより、日本共産党や社民党等、全ての政党に、人命優先の立場から、善処して欲しいものである。
 
 ・・・・本日は、これまで・・・・

0 件のコメント:

コメントを投稿